大企業からベンチャーへ飛び込んだ意思決定の裏側。ラクスル グループCAOが明かす、キャリア選択で大切にすべきマインドセット【セミナーレポート】
「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」というビジョンのもと、BtoB領域のテクノロジープラットフォームを目指すラクスル。
本レポートは、黎明期からラクスルを牽引してきた上級執行役員グループCAOの西田氏が登壇したセミナーのレポートをお届けします。大手企業から創業期のラクスルに参画した西田氏が語る、キャリア選択の軸や成長におけるマインドセットについてご紹介します。
登壇者プロフィール
ラクスル株式会社 上級執行役員グループCAO
経営管理本部本部長 兼 人事本部本部長
M&A・アライアンス管掌
西田 真之介
Nishida Shinnosuke
青山学院大学卒業後、森ビル株式会社、株式会社ディー・エヌ・エーを経て、2014年8月ラクスル株式会社に入社。管理部門の立ち上げからIPOをリードし、部門全体の統括を担う。上場後はコーポレートアクション全般を管掌し、Chief Administrative Officerとして企画・設計・実行を牽引。
「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」BtoBプラットフォームを目指すラクスル
──ラクスルはどのようなサービスを展開している会社ですか?
「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」というビジョンを掲げ、BtoB領域を中心に多様なサービスを展開しています。ベンチマークとしているのは、Amazonや楽天といったプラットフォーム企業です。彼らがBtoC領域で成長を遂げてきたように、私達はBtoB領域でお客様の経営課題をワンストップで解決できる「BtoBプラットフォーム」となることを目指しています。
※2025年3月時点のサービス図
──これまでどんな事業を展開してきたのでしょうか?
これまでデジタル化が進んでいない伝統的な業界にインターネットを持ち込み、産業構造の変革に取り組んできました。祖業である印刷・集客支援のプラットフォーム「ラクスル」をはじめ、マーケティングのプラットフォーム「ノバセル」、物流のプラットフォーム「ハコベル」、ITデバイスとSaaS統合管理サービスの「ジョーシス」など内製での事業立ち上げと連続的なM&Aによって、事業と顧客の領域を拡張させながら、独自の強みを有するポートフォリオカンパニーへと成長しています。
「攻め」と「守り」を両立。成長を加速させるCAOの役割
──西田さんのラクスルにおける役割について教えてください。
現在、上級執行役員グループCAO(Chief Administrative Officer)として、会社全体を見ています。具体的な管掌範囲は、経営管理本部、人事本部、そしてM&A・アライアンスです。
会社の管理機能の全体を見るという「守り」の役割と、M&Aやアライアンス、ファイナンスといった部分で会社の売上・利益の成長を担う「攻め」の役割の両方を担当しています。管理部門の機能全般だけでなく、M&Aなどのコーポレートアクションを通じて事業の成長を牽引するという、まさに経営の最前線で攻守のバランスを取るポジションです。
──管理部門は「守り」のイメージが強いですが、事業成長を牽引する「攻め」の役割もあるのでしょうか?
管理部門の機能には、会計、税金、法律といった面で、「ここまでいったら危ないですよ」というのをちゃんと止める「守り」の役割があります。これは、会社が予期せぬリスクで成長が止まってしまうことを防ぐ、生命線のような役割です。一方で、会社はやりたいことがやれなくなると成長が止まってしまうので、管理部門はどこまで攻めても大丈夫かサポートしていく責務があります。
これに加えて、会計や法律の知識があるからこそ、事業がやりたい戦略を、「より良いレバレッジをかけて、牽引することができる」という「攻め」の役割も担っています。例えば、M&Aやアライアンスの仕事は、事業と一緒になって、事業戦略として足りないピースを外から買ってくるというもので、まさに事業の成長戦略を直接的に創出しています。
世の中に「大きなインパクト」を与えられるか。キャリアの原点とこれまでの軌跡
──それぞれの会社の入社経緯と、キャリア選択の軸について教えてください。
森ビル株式会社に新卒入社
新卒で森ビルに入社したのは、働く上で「世の中に大きなインパクト」を与えていると感じられるかどうか、という軸を重視したからです。当時の森ビルは、様々なニュースが出ており、それ自体が“影響力”の証であり魅力に感じました。まだ麻布台ヒルズや虎ノ門ヒルズもない時代で、「東京の未来をつくる気概」に魅力を感じ、入社を決意しました。
株式会社ディー・エヌ・エーへの転職
森ビルでは財務経理として幅広い業務を経験しましたが、都市開発はプロジェクト期間が10年・15年と長かったので、「もう少し速く、短いスパンで働きたい」と考えました。そこで、当時急成長していたインターネット業界のDeNAという会社を選びました。当時、横浜DeNAベイスターズ買収の話題もあり、「勢いのある会社」だという風に感じたことも後押しとなり、転職を決意しました。
ラクスル株式会社への転職
DeNAでは決算・開示を中心にプロジェクト的にM&Aなどにも関わりましたが、もう少しサイズの小さい会社で働きたいという思いから、2014年に当時の社員が20〜30人規模だったラクスルに参画しました。入社後は、管理部門の立ち上げからIPOをリードし、現在はM&Aやアライアンスを管掌しています。
──これまでのキャリアを通して重要だったポイントは何だったのでしょうか?
この一連のキャリアを通じて、一貫して重要だったポイントは次の2点です。
1.社会へのインパクトを実感できること
小さな会社に飛び込む楽しみもありますが、ある程度の規模があり、すでに世の中に大きなインパクトを生み出している会社の方が、日々の頑張りが「誰かの役に立っている」と実感できます。それが、仕事へのモチベーションを維持する大きな支えになるはずです。
2.質の高い学びと環境があること
会社が成長して、様々な領域にチャレンジや多角事業を展開している環境は重要だと思います。ラクスルのように、多様な事業領域、かつ、バックグラウンドを持った社員がいること。例えばラクスルの場合、エンジニア出身の方もいますし、印刷工場の出身の方もいます。そういった様々なバックグラウンドを持つ方が集まる環境は、多くの学びを得ることができ、非常に面白いと感じています。これはラクスルが展開しているビジネスモデルだからこそ得られる学びだと思っています。
成長を加速させる視点は「自分が責任者だったらどうするか?」を常に持ち続けること
──若手時代に、仕事に取り組む上で意識すべき経験の積み方は何でしょうか?
次の2つの視点を常に持つことが、非常に重要な経験となります。
1.「自分だったらどうするか?」という視点
たとえ単純な作業や誰かから頼まれた仕事であっても、常に「もしこの物事を自分が決める立場だったら、どう判断するか?」と考える癖をつけることです。また、この考えを業務に自然に組み込むことが重要です。
ラクスルでは、自分が決めなければいけない、AかBかを判断しなければいけないという経験を毎日行います。覚悟を決めてやり切ることで、判断の質と業務の量が向上し、自己成長に繋がります。
2.狭い範囲でいいからその領域で部署や会社のNo.1になる
「この人に頼めば何とかしてくれる」という信頼関係が社内で生まれると、自分の得意領域とは違う部分も相談してくれるようになり、結果として担当領域や視野が広がります。
例えば私の場合、森ビル在籍時に非常にマニアックな「固定資産税」の分野で一番になったことで、事業の方々から別の領域の仕事内容の相談をしてもらえるようになり、他領域に触れる機会が増えました。こうして他領域の専門性を広げていくことが、物事の判断を後押しし、自己成長の礎となります。
── 西田さんが様々な会社で経験される中で、働く上で大切にされている価値観は何でしょうか?
価値観は色々とありますが、主に三つの段階に分けてお話しします。
1つ目は「やりきる」こと。気合的な話になりますが、最もベーシックな価値観は、「結局やりきるか、やりきらないか」という単純なことです。自分が「これでいいや」と思った瞬間、自分の成長も会社の成長も止まると思っています。ですから、やり切ると決めたら、ちゃんとやり切るという当たり前のことを大事にしています。
2つ目は「チームでやりきる環境を作る」こと。自分で「やりきる」と決めたものを、ちゃんと周りの助けを借りたり、チームを作ったりすることが大事です。大きなインパクトを作ろうと思ったら、やはり一人でやるのではなく、力と頭脳を合わせることが不可欠だと考えています。
最後に私が 人生で大切にする考え方として「与える者」になること。「得るもので生計を立てて、考える者の人生を築く」という言葉を大事にしています。
3つ目は仕事をただこなすだけでなく、今後どう人に「与える」ことができるかが、人生で一番大事なことだと考えています。自分が持っている知識や経験をサポートとして与えることによって、事業がうまくいったり、その人がより成長したりする。それが自分にとっての幸せになりますし、組織がうまくいくことにも繋がる。この「与える」という意識を持って、日々仕事をさせてもらっています。
機会提供と大きなインパクトを出す法則
──ファーストキャリアでラクスルを選んだ場合、どんな機会提供がありますか?
ラクスルには、事業をスタートしてから大きくなるまでの様々なタッチポイントがあり、大きく成長している領域もあれば、アーリーフェーズの領域もあります。
ラクスルだからこそレバレッジをかけて、周りの力を使って自分が思っている以上のインパクトを出す機会があります。そして、その領域をやりきったというときに、「ちょっと横を見てみたら、まだまだおもしろそうな領域」が多々あるのがラクスルの面白いところです。これは、信頼関係や実績をもとに、また新たなチャレンジに取り組む領域が豊富にある環境ということです。
特に若手にとっては、ラクスルは一緒に戦える質の高い仲間が揃っている環境で、自分の能力を伸ばすことができます。優秀な仲間と共に働くことで、単独では到達できないレベルの課題解決に携われ、圧倒的な成長の機会を得られます。私自身が学生や若手に戻るとしても、非常に良い環境だと感じています。
例えば私の場合、ラクスルがまだアーリーフェーズの頃、コールセンターの立ち上げをする必要があり、そのために専門のノウハウを持つ社員と一緒に取り組んだ経験があります。また、製造現場の利益率を高めるために、エンジニアと共に製造プロセスや発注の仕方を改善するなど、実際の利益改善に繋がる仕事にも携わりました。
これはきっと自分一人だったらやりきれなかったことを、違う経験・知識を持つ社員と一緒に取り組むことによって成果を出すことができたと思いますし、自己成長にも繋げることができました。
──ラクスルの新卒社員には何を求め、期待していますか?
新卒社員に求めていることは、1つは高い解像度です。これは、私たちが重視する行動指針に通じる要素です。新卒社員の方にはどっぷり浸かって、「この領域に関しては、自分が一番知っている」という状態を作り、課題を見つけ新たな解決策を出すことを期待しています。
新卒社員の皆さんが持つ、予備知識にとらわれないフラットな視点・行動は、伝統的な非効率な産業に切り込むラクスルにとって、非常に強力な武器になります。新卒社員の方でも、入社してすぐに事業を創っていく中で一番になって活躍するというのは、ラクスルではよくあることです。
また、触れたことがない領域に関しても「やってみる」というマインドを持ち、最終的に全領域にチャレンジしていく方を求めています。会社としては、そのマインドを持った社員がいるのはとても心強いですし、色々な領域に挑戦し、成功体験を得て次の領域に挑む力を持った新卒の方が、今後のラクスルの成長を支えていくと考えています。
成長機会が溢れる、挑戦できる環境へ
──最後に学生の皆様へメッセージをお願いします。
ラクスルは、現在、創業期を経て規模も大きくなり、一緒に戦える仲間が揃っているからこそ、自分の能力を伸ばす機会が豊富にある環境です。
「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」というビジョンに共感し、自らがオーナーシップを持って、非効率な産業構造を変えていく挑戦に飛び込みたい方。そして、「自分が責任者だったらどうするか?」という視点を常に持って、大きな社会変革を実現したい方、ぜひ私たちと一緒に挑戦しましょう。ラクスルでお待ちしています。
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