全社員に「前払い」で賞与を支給。内側から溢れる動機づけをベースに、制度改定した理由

こんにちは。RELATIONS代表の長谷川です。

弊社では、創業11期目にあたる2019年より、全社員に「前払い」で賞与を支給する制度をスタートしました。

これは、それぞれの賞与額を年度の初めに確定させて、月給に上乗せして支払う仕組みです。

※制度の詳細は、本日公開した以下プレスリリースをぜひご覧ください。


この制度改定にふみきった理由は、弊社のミッション「ええ会社をつくる」を実現するための、「自律型の組織づくり」にあります。

前払い賞与の背景にある思想や、RELATIONSの考える組織の在り方について、ここでお伝えできればと思います。

◎「人が人を評価する」ことの難しさ

前払い賞与の根底には、「できる限り、評価をなくしたい」という思想があります。

私は、そもそも「人が人を評価する」ことには限界があると考えています。

人は誰しも、自分自身の経験や価値観からくる「思考の偏り=認知バイアス」を持っています。そのため、ある軸から「この人はこうだ」と評価すること自体が、かなり難しい。

時に、それは「組織にとってよい行動」を殺してしまう可能性があるとも思います。

例えばサッカーのようなチームスポーツに置き換えて考えてみると、イメージしやすいかもしれません。メンバー1人ひとりがチームの勝利を目指してプレーする時に、「誰が・何に・どれくらい貢献したのか」を分解して特定することは、かなり困難だと思います。

そのため、できる限り「評価」を減らし、かつ市場水準以上の賞与を持続的に分配できる仕組みをつくれないか、という考えが根底にありました。


◎「内発的動機づけ」を軸とした制度設計

そして、もうひとつのカギとなるのが「内発的動機づけ」です。

「内発的動機づけ」とは、人の内側から溢れでるような、満足感や達成感などの普遍的な欲求を引き出す動機づけを意味します。例えば、「仕事が楽しい」「自分の成長を感じる」「チームに貢献したい」といった気持ちは、内発的動機になります。

一方、「外発的動機づけ」とは、報酬や評価などの外部からの刺激による動機づけです。例えば、「今年の賞与は高そうだ」「昇進したい」といった気持ちは、外発的動機になります。

弊社の制度設計は、この「内発的動機づけ」をいかに強くするか、をベースに設計されています。その中のひとつが、今回の「前払い賞与」でした。

※追記:「内発的動機づけ」に関する理解を深めるため、先日社内の有志メンバーでディスカッションをしました。こちらにわかりやすく纏まっているので、ぜひご覧ください。(2019/6/12公開ブログ)


◎ 起業家こそ「内発的動機づけ」がないと続かない

多くの人は、内発的動機づけと外発的動機づけの、双方の性質を持っていると思います。

実際、私も過去には外発的動機づけが強かった時期もありました。当時を振り返ると「報酬制度」というのは、その要因のひとつだったように思います。

社会人2年目の時、全社の営業トップとして表彰され、年収が400万から800万へと一気に跳ね上がったことがありました。

もともとお金に執着のあるタイプではなかったのですが、いざ、倍増した報酬を受け取ってしまうと、「この成績を維持しないとやばい」みたいな感覚があったんです。

働くことの楽しさや顧客への価値貢献よりも、とにかく売上をあげねば、と半ば思考停止に陥っていました。

一方で、2009年に起業してからは、逆に「内発的動機づけしかないな」と感じています。

会社のミッションを持続的に追求していくことに、外発的な理由なんて存在しないんですよね。

経営する上で利益を出すことは大前提ですが、「お金を稼ぐ」という目的だけで仲間を集め、自律的なチームをつくり、ミッションを実現することは不可能です。

また同時に、メンバー1人ひとりの「内発的動機づけ」を高める必要があります。

「高い報酬をもらうために数値を達成する」のではなく、「仕事のやりがいや楽しさをベースに自ら思考し行動する」ことで、真の持続的な成長ができると考えています。


◎「外発的動機づけ」による組織運営の限界

創業してから事業の拡大に伴い、考え方や仕事のスタイルも異なる中途メンバーが増えてきました。その過程で、売上ドリブンの賞与制度に徐々に寄っていってしまいました。

一言でいえば、「外発的動機づけ」の強い仕組みでした。1人ひとりの成果に対して賞与を支払っていたため、「まずは足元の売上をどうあげるか」という意識が強くなっていました。

すると、組織課題などの全社に目を向けづらく、新しいチャレンジが生まれない。また「評価ほしさ」の行動を助長する、という側面もありました。

そこで「どうにかしないといけない」という思いからミッションの見直しに着手し、2017年に「ええ会社をつくる」というミッションを定めました。

そして世の中に1社でも多くの「ええ会社」をつくるため、RELATIONS自身が3年後までに「日本一ええ会社になる」という組織目標を決めたんです。

それを改めてメンバーに伝える過程で、現行の賞与制度と組織の思想に「ひずみ」を感じていました。


◎ ボツ案からの再設計。「前払い賞与」をスタート

内発的動機づけをベースにした報酬制度を考えるにあたり、他社の手法を色々と調べました。ホラクラシーのような給与一律型や、自己申告型、サイコロを振って決めるなど…でも、どれもピンとこなかったんです。

そこで、これまで会社が辿ってきた文脈もふまえて、RELATIONSの考えに合う賞与の形を、半年ほどの時間をかけて模索しました。

はじめに具体案として進めていたのは、実は「前払い賞与」ではありませんでした。

自分の生み出した利益ではなく、「全社の売上利益の30%を賞与の原資とする」ことで、全社をどう良くしていくか、という内発的動機を高めようというものでした。

ですが、個人のアウトプット評価ではないにせよ、売上ドリブンの賞与制度に変わりなく…結局のところ「外発的動機づけ」による仕組みになっていました。

そんな中、「社員を信じて、会社に利益を残さずに報酬を払う」という賞与制度をもつ企業の存在を知り、これは面白いなと思ったんです。

この「社員を信じる」という思想をベースにして、なるべく評価をしない形で賞与を分配できる仕組みがつくれないかなと考え始めました。

その際に、先行して見直していたバリュー重視の「評価制度」が使えるなと。そこで、賞与そのものに対しては評価をせず、評価制度のレーティングに紐づいた「前払い賞与」の形にしました。


◎「信頼」をベースに、自律型の組織をつくる

この制度は、2019年の4月から運用をスタートしたばかり(※)です。

※制度の適用は2019年1月からスタートしたため、同年3月に3ヵ月分の前払いを実施。

会社としては、業績が確定する前に賞与原資を確保しなければならないため、一定のリスクはありますし運用の負荷もかかります。

ですが、賞与を前払いにすることで、自社や顧客に対する「本質的な課題解決のための行動」や「大胆なチャレンジ」が組織内にもっと溢れると信じています。

また、社員への信頼をベースにして組織運営する方が、人はポジティブに能力を発揮できると思っています。

ミッションへの共感が高い人が集まれば、やりがいや楽しさが自動的に生まれる。そうした内側から溢れ出てくる楽しさが、真の成長には必要です。

賞与制度はその一部にしかすぎませんが、背景にある想いを理解していただけたら嬉しいです。(了)

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