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人工知能学会全国大会(第31回)に 参加してきました!(今年は「不動産とAIセッション」あり)

こんにちは、AI戦略室の橋本です。

人工知能(AI)に関する最新情報の収集やアカデミア・他企業との交流の一環として、AI戦略室メンバー全員で、5/23(火)-25(木)の3日間、名古屋で開催された2017年度人工知能学会全国大会(第31回)に参加してきました。

JSAI2017
http://www.ai-gakkai.or.jp/jsai2017/


AIブームの影響もあり、今回は、参加者 2400名・協賛企業50社以上とともに過去最多とのことで、多数の立ち見もありました。早速ですが、みなさまに参加レポートをお届けします。

(会長の山田先生のスライド。今回の急増ぶりがよくわかります。)


我々の今回の一番のお目当ては、もちろん初日午後の「不動産とAI」セッションです。

不動産におけるデータ・AI活用は”不動産テック(ReTech:Real Estate Tech)”と呼ばれており、FinTechに端を発したXTech系の中で最も注目されているものの一つです。日本の数年先を行くアメリカでは2014年を境に不動産Tech企業への出資が4倍以上に急増しており、日本でもブレイク間近と言われています。人工知能学会の学会誌7月号でも不動産とAI特集があるとのことですので、楽しみですね!

 jsai2017:1H2-OS-15a オーガナイズドセッション「OS-15 不動産とAI(1)」

 jsai2017:1H3-OS-15b オーガナイズドセッション「OS-15 不動産とAI(2)」

  ※リンク先から論文参照可能です。


不動産とAI、どのセッションも素晴らしい発表ばかりでした。今回は冒頭の招待講演の清水先生のセッションから、印象に残った発言を少しご紹介します。

jsai2017:1H2-OS-15a-1 (OS招待講演)不動産価格の決まり方 -AIは不動産鑑定士に勝つことができるのか?-
不動産価格は、同質の財が存在しないため、最も測定が困難な対象の一つである。近年において再度注目される機械学習の一つである回帰木やNNが、統計学の分野で高い評価を受けるきっかけとなったのが、Harrisonらによる1978年の「ボストンの不動産価格データ」を対象とした統計実験であることは有名である。本報告では、不動産価格の測定を取り巻く過去から現在における研究の流れを最新事例と併せて紹介する。
https://kaigi.org/jsai/webprogram/2017/paper-234.html

◯不動産と統計は実は親和性が高い。海外の統計の教科書では不動産が例になっていることが多い。

 ⇒言われてみれば統計検定の教科書にも、不動産が例題に掲載されていました。

◯精度については(洗練された)統計モデル > (洗練されていない)機械学習(含むDeepLrarning)が現時点の常識。

 ⇒やはりという感じです。(可読性を重視した)統計モデル vs (精度を重視した)機械学習については他のセッションでも話題になっていました。ビジネスでAI活用に関わる方にとっては関心度が高いテーマですね。

◯特徴量には人々が認識し、行動するものを選んで入れるべき。何でもいいから入れればいいのではない。

 ⇒こちらもやはりという感じです。

◯Sparse & Heterogeneityが今後の関心のポイント。データがないときにどうするか?

 ⇒世の中、ビッグデータブームでとにかくデータ量を多くの風潮を感じますが、少量データからの意思決定は個人的にとても大きなテーマと感じています。

◯住宅は幸せ(≒家計)の25%、日本経済の成長の10%を占める。テクノロジーで貢献したい。

 ⇒AI戦略室のメンバーの志も全く同じです。GA technologiesのビジョンでもあります。

などなど。

また、私自身が一般社団法人データサイエンティスト協会に事務局として関わっていることもあり、

◯「今後 10 年間で最もセクシーな仕事はデータサイエンティスト」で有名なGoogleのHal Varianはもともと価格の分解とリアルタイム性の専門家

◯データサイエンティストの要件は分析のプロセスを回せること。特にスタートのFindings Topicsが一番重要。今はプロセスの一部であるMachine Learningが過剰に注目されている。

などの言葉も刺さりました。


最後にオーガナイザーからの問いかけを元に討議を行いました。

◯データをどう集めるか?

◯暗黙知の表出化をどうするか?

などの討議を通じて、業界の各社が同じような課題を抱えている様子が垣間見られました。(不動産仲介の企業がほとんどいなかったのが残念でしたが、、、)

オーガナイザーのLIFULL リッテルラボラトリー 清田様、ならびに登壇者の皆様、素敵なセッションを本当にありがとうございました。

 ※補足

 2017年9月にも不動産テックのイベントが開催されるとのことです。

 第16回科学技術フォーラム イベント企画「不動産テック ~不動産×AIが拓く不動産の未来~」


(清水先生の不動産とAIセッションの様子、もちろん満席&立ち見です。)


他にも農業とAIなど、多くの興味深いセッションがありました。

また、講演以外にも現在、共同研究を行っている高間先生(首都大)やデータサイエンティスト協会でお世話になっている鷲尾先生(大阪大)、丸山先生(前統数研、現PFN)、大澤先生(東大)、松尾先生(東大)、大向先生(NII)など、アカデミアのいろいろな先生方との嬉しい再会がありました。


個人的には人工知能学会は、若干ご無沙汰だったのですが、もともと自分がデータサイエンティスト職に関わるきっかけの一つとなったのが、2003年の人工知能学会誌のチャンス発見特集であったこともあり、3日間、濃密な時間を過ごすことができました。(とても疲れましたが、、、)

AI戦略室は、4月にできたばかりの組織でまだまだ未熟な面もありますが、メンバーのスキルアップ・育成に関して、今後も注力していきたいと思います。

アナログで課題も多い住宅・不動産の世界ですが、清水先生もおっしゃっていた”テクノロジー・AI活用により人々の幸せに貢献したい”という思いに共感いただける方は、ぜひ、お気軽にお声がけください!

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