1. はじめに
エンジニアであれば、AIエージェントを毎日の開発に使用することが当然の毎日になりました。今後はどのような分野にAIエージェントが拡張されていくのでしょうか。
エンジニアらしくないかもしれませんが、未来を先行する株価から紐解いてみたいと思います。AIの発展はさまざまな分野に影響を与えていますが、「SaaSの死」とまことしやかに言われる株価下落について着目してみようと思います。これはなぜ引き起こされたのでしょう?
株価下落の背景(引用)
株価下落のきっかけの一つとして、米AnthropicによるClaude関連の新機能やAIエージェント領域への展開が挙げられています。文書・資料の作成やデータ分析のほか、営業・マーケティング・経理財務・人事業務といった幅広い業務支援が可能になるとされており、既存のSaaSサービスと競合する部分が多いことから、「従来のSaaSは必要なくなるのではないか」との懸念が一気に広がりました。
未来を占う上で経済を注視しておくことは重要だと思っています。この文章を読んだだけでは「本当に?」と疑問に思う方も多いと思います。中にはローカル環境において、確かにSaaSにできる程度のことは実現できている方もいるかもしれません。しかし、Enterpriseレベルで実現できるようにするには高いハードルがあります。
そこで、業界の未来を占う一つのプロダクトを挙げて解説してみようと思います。それが今回取り上げる「Gemini Enterprise Agent Platform」です。2026年4月にGoogle Cloudから発表されたプロダクトで、東京リージョンではいくつかまだPreviewの機能もあります。エンジニアが今の発展の著しい世界で把握しておくべき機能の一つであると確信しています。
では、その真新しい機能である(2026/7現在)「Gemini Enterprise Agent Platform」について見ていきましょう。
2. 「Gemini Enterprise Agent Platform」とは
一言で言うと、エンタープライズ要件を満たすAIエージェントのライフサイクル全体をサポートしてくれる機能です。
コンポーネントは大きく以下の4つに分かれています。
- Build(構築)
- Scale(拡張)
- Govern(ガバナンス)
- Optimize(最適化)
機能が多すぎて迷子になるので、詳細は説明しません。ぜひ以下のリンクから細かい機能を確認してください。
- 公式ドキュメント: Gemini Enterprise Agent Platform Overview
- 解説記事(G-gen様): Gemini Enterprise Agent Platform を解説
印象的なのは、Agent Studioを用いた「ローコード開発」にも対応しているということです。ただ、やはりローコード開発ではそのポテンシャルを発揮しきれません。現状ではプロトタイプとして精度確認を行ったり、ステークホルダーにレビューしてもらうくらいの利用方法がいいのかな、というのが自分の認識です。
今回は、Gemini Enterprise Agent Platformで何ができるのかに焦点を当て、少しでも皆さんの選択肢が広がることを目的とします。
3. Agent Garden(サンプルエージェント集)
Gemini Enterprise Agent Platformには「Agent Garden」というサンプルエージェントがあります。これはソースコード、構成ファイル、ベストプロクティスの例を含む、事前構築済みのカスタマイズ可能なブループリントです。
具体的に、どのようなビジネスソリューションにどのような構成のAgentを構築すればいいのか、という即戦力となる「模範」があります。もちろん利用する時には固有データは登録する必要がありますが、サンプルデータをダウンロードできる例もあります。
今回はADK(Agent Development Kit)を使って説明したいので、開発が盛んな以下の公式リポジトリをぜひローカルにクローン(ダウンロード)しましょう。
- GitHubリポジトリ: google/adk-samples
ディレクトリを確認すると、以下のようなたくさんのサンプルが存在します。
- ビジネス・専門業界: リサーチ・分析、金融・保険・コンプライアンス、医療・ヘルスケア、小売・Eコマース、マーケティング・メディア生成、旅行・ローカル情報
- クリエイティブ・コンテンツ: ブログ・物語執筆、動画・ポッドキャスト台本制作
- エンジニアリング・運用: データエンジニアリング・分析、RAG・ドキュメント処理、ソフトウェア開発(SDLC)、セキュリティ・安全性
- 共通技術・基盤: リアルタイム・マルチモーダル対話、ADK ワークフローパターン(直列/並列/HITLなど)・チュートリアル
皆さんが興味ある領域はありましたか?あったらそのディレクトリの README.md を見てアーキテクチャを確認してください。
4. サンプル例
せっかくなのでblog-writerから、核心となる部分を抜き出して見てみましょう。
まずはアーキテクチャーを確認します。キャプチャのようにマルチエージェント構成になっています。
オーケストレーター
ユーザーと対話する親エージェント1つが、instruction に書かれたワークフローに従って、sub_agents に登録された専門エージェントへ処理を振り分ける形です。ポイントは 振り分けの判断をmain_agentが行うことです。SequentialAgent のような固定順序ではなく、親エージェントが各 sub_agentのdescription を見て判断します。「ユーザーが承認するまで校正を繰り返す」「SNS投稿は希望した場合だけ」といった分岐や繰り返しのある対話的なフローで構築されています。
…
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