社長に「それは違う」と面と向かって言える会社は、どれくらいあるでしょうか。若手にどこまで任せるのか。意見をぶつけられたとき、本当はどう感じているのか。経営者の本音は、外からはなかなか見えません。
今回の連載「安武社長、本音聞いてもいいですか?」は特別対談! メンバーが、安武さんとのリアルなやり取りを率直に語ります。最初の印象は、怖い遠い存在。感情でぶつかったこともあり、「これは無理だろ」と思った瞬間もあったといいます。それでも今は、論点で向き合い、議論できる関係になっています。若手に任せる、でも最後は責任を引き受ける。意見は歓迎するが、感情論では動かない。その一貫したスタンスの裏側にあるものは何か。メンバーの視点から、安武さんという経営者の人物像を深掘りします。
◆メンバー代表 村上さん(コンサルタント)
豪州の大学卒業後、日本へ帰国し大手不動産会社に入社。営業職としてファーストキャリアを築く。ソリューションに縛られない価値提供を叶えるべく、転職活動を開始。2022年4月よりコンサルタントとしてRITに参画。
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正直な第一印象「最初は少し怖かった。」
Q. 村上さん、ズバリ、安武さんの最初の印象は?
村上:始めて会話したのは、内定後のオンライン忘年会でした。クールで、何を話していいかわからなかったです。(笑)そもそも「社長」ってだけで遠い存在なのに、オンラインだったのでより遠く感じてしまいました。だから正直、怖そうだなって思ってました(笑)。
Q. 対面で会ってからは変わりましたか?
村上:そのときもあまり変わらなかったですね。議論の中心に立つより、静かに見守って、適宜コメントをするタイプだと認識しているので、ずっとクールな社長という印象でした。加えて、僕が入社した当時はコロナ禍だったので、飲み会もなく、仕事上での接点しかなかったので、距離は正直ありました(笑)
安武:クールって思われてるのはちょっとびっくりですね。自分では結構喋ってるつもりだったので(笑)。
ただ、コロナで入ったメンバーとは接点が少なかったですよね。飲みに行くこともなかったですし、仕事以外の時間を共有できなかった。本当は飲み会とか、そういう場は好きなんですけどね。仕事だけだと、どうしても役割の顔しか見えない。距離が出るのは自然だったと思います。
「社長」という肩書きの重さと距離感
Q. 村上さん、なぜ距離を感じていたのでしょうか?
村上:当時の僕にとっては、規模が大きくなくとも、"社長"って肩書が、どうしても重かったです。役職の上下とはまた違う重さがあるというか、存在そのものに圧があって、普通の人は自分からはなかなかいけないです(笑)話しかけていいのか、どこまで踏み込んでいいのか、常に一拍考えてしまう感覚がありました。なんなら、当時は、古参メンバーと新しいメンバーの間にそもそもの壁があった印象で、若手同士で「どう接していいかわからないよね」って話してました(笑)
安武:重いって言われると、なるほどなと思いますね。自分としては普通に接しているつもりでも、役割として見られている部分は確実にある。特に仕事上の関わりしかないと、経営者という面だけが強く出てしまう。それは自分でも感じています。だからこそ、本当はもっと接点を持ったほうがいいと思っていますし、距離を縮めるのは社長側の責任でもあると思っています。
普段は穏やか。でも仕事では空気が一段締まる
Q. いまは、安武さんのことをどう見ていますか?
村上:今は以前の捉え方と全然違いますね。自分からあまり話さないだけで、全然人を寄せつけない人じゃないなと思っています。なんなら、いじってもいいし、気軽に接しっていい人なんだと思っています。最近だと、とあるゲームをやってるって知って、親近感を抱きました。ぽそっと「○○出なくて欲しんだよな~」と言ったら、「それ持ってるよ」って言われて、交換までしてくれました(笑)しかも、課金してると聞いて、すごく笑ったの覚えてます(笑)。
安武:めっちゃ課金しちゃう(笑)。
村上:奥様のSNSをフォローさせていただいていて、そこに安武さんがちょいちょい出てくるので、安武さんの生の人柄を覗き見れてます。"社長"以外の面を見ることで、「あ、こういう人なんだ!」や、「いい意味で全然クールじゃないな(笑)」等を知れて、距離がだいぶ縮まったと思います。
Q. では、仕事の場面ではどうですか?
村上:仕事になると、"仕事モード"に切り替わって、論理的かつ的確に物事を進める印象です。そこは当初の印象とあまり変わっていないです。
また、「○○の理由で、こういうのどうですか」と提案すると、ちゃんと聞いてくれるし、良いと思ってくれたら採用してくれるので、一人で突っ走るようなスタイルでは無いのかなとも思ってます。
意見は歓迎。ただし感情論では前に進まない
Q. 安武さんに正面切って「それは違う」と言ったことはありますか?
村上:僕は自分の意見を積極的に伝える方なので、結構「それは違う」と言ってますね。
ただ、言えるかどうかは言う側のメンタルも大きいですよね。社長って肩書きはやっぱり重いですし、間違ってたらどうしようとか、場の空気を壊さないかとか、いろいろ考えると思います。
2年くらい前までは、感情論で意見を述べていたので、だいぶ困らせていただろうなと反省してます(笑)今は、「なぜそう思うのか」「目的は何か」「解決案は何か」を整理して伝えるようにしています。
安武:もっと言ってほしいです。本当に、言わないより言ってくれたほうがいい。ただ感情だけだと答えが出ないんですよね。例えば「給料が少ないから上げてほしい」と言われても、一律には上げられない。市場環境もあるし、制度設計もあるし、全体バランスもある。経営の立場だと、ひとつの正解だけを見て判断できるわけではないんです。だから、こう思っていますだけで終わると難しい。でも、市場はこうで、社内制度はこうで、そのうえでこういう打ち手はどうですかと言われると、議論になる。落としどころまで考えてくれている意見は、すごく受け入れやすいです。
村上:そこは最初、全然わかってなかったです。自分の目線だけで見ていましたし、納得できないという感情が先に来ていた。でも、安武さんの立場を考えるようになってから、あ、いろんな方向から意見が来てるんだなと思えるようになりました。
安武:そうですね。立場上、本当にいろんな方向から意見が来ます。正直つらいときもあります。でも、言わないより言ってくれたほうがいい。リモートだと気づけないことも多いので。ただ、その意見が建設的であればあるほど、組織として前に進める。感情は否定しませんが、前に進むには整理が必要。そこは大事にしています。
少し背伸びする挑戦を、信じて任せる
Q. 安武さんは、若手に任せるとき何を意識していますか?
安武:その人にとって少しストレッチなレベルを意識しています。最終的には巻き取れる準備はしつつ、細かい単位で相談してほしい。背伸びをしないと、景色は変わらないと思っています。できることだけを任せても成長にはつながらない。ただ、完全に放り出すわけでもない。任せるけれど、最後は責任を持つ。そのバランスは常に考えています。
村上:正直、2年前はそのストレッチがストレッチに思えなかったです。プロジェクトに入って、いや無理だろ!みたいな無理難題もありました。
安武:無理難題でしたか(笑)。
村上:いや、本当に(笑)。なんでこんなことを求められるんだろうって思ってましたし、社長ならもっと具体的に指示出してよと思ったこともありました。
Q. それは意図的だったのでしょうか?
安武:意識づけの側面はありましたね。コンサル業界にはGood Delivery is Best Salesという言葉があり、そういった視点は早い段階で持ってほしかった。最初から案件を取れると期待していたわけではないです。ただ、その視点を持っているかどうかで、同じ経験でも意味が変わる。
村上:当時はきつかったですが、今はその意味がわかります。今、自分がプロジェクトをマネジメントする立場になって、「次につなげる」という視点で考えられるようになった。あのとき言われていたことが、やっとつながってきた感覚があります。ストレッチは効いてますね。楽しいですし、任せてもらっている実感もあります。
安武:村上くんは本当に変わったよね。前は感情論が多かったけど、今は建設的に相談したり意見をぶつけ合えるパートナーの立ち位置になっていると思います。任せられるというのは、信頼できるということでもある。今は安心して議論できています。
村上:そう言っていただけて嬉しいです。
話しかければ届く。縮められる距離がある
Q. これから入ってくる人とは、どんな距離感でいたいですか?
安武:頼れる相談相手でいたいですね。自分の子育てもあってか、パパ目線でメンバーを見てたりして、それが心地いい時もあったりします。キャリアの相談を受けたり、成長を見るのは楽しい。仕事だけじゃない関係を築きたいと思っています。
村上:この記事を読んでいる人には、安武さんは「いい意味で全然普通の人だよ!」と伝えたいし、じゃんじゃん話しかけると喜んで話してくれることを伝えたいです!