今、これを読んでるってことは、結果が出たんだと思う。
そして、欲しかった結果じゃなかったんだと思う。
しんどいよな。
何ヶ月も、何年も時間を使って、参考書と向き合って、面接対策して、模試受けて。
それでも落ちた。
その努力の量を考えたら、今は何を言われても響かないかもしれない。
でも、ちょっとだけ俺の話を聞いてほしい。
まず言いたいのは、公務員がすべてじゃないってこと。
俺は社会に出て山ほど人と関わってきたし、いろんな人生を見てきた。
公務員になった人もいるし、ならなかった人もいる。
そのどっちが幸せかなんて、誰にもわからない。
公務員試験に落ちたってことは、
「公務員という選択肢が、今の自分には向かなかった」
ってだけの話だ。
人生における選択肢のひとつが閉じただけで、
人生そのものが閉じたわけじゃない。
次に言いたいことは
努力したことは無駄にならないってこと。
俺は大学時代、苦学生だった。
バイト三昧で、学費も生活費も自分で稼いでた。
社会人になったときも、給料ゼロからのスタートだった。
当時は「この苦労、何の意味があるんだ」って何度も思った。
でも今になって振り返ると、
あの頃身につけた踏ん張る力、諦めない粘り、計画して実行する力は、
今の経営にも、子育てにも、キックボクシングにも、全部使われてる。
形を変えて、必ずどこかで生きてくる。
無駄になった努力は、ひとつもない。
ここで、もうひとつ大事な話をする。
挑戦して、失敗して、つらい——その気持ちは、AIからは教えてもらえない。
ChatGPTに「試験に落ちた、どうすればいい?」と聞けば、
立派な答えは返ってくる。
励ましの言葉も、次の戦略も、もっともらしく教えてくれる。
でも、AIは今のあなたの痛みを、わかっていない。
知識として「知ってる」だけだ。
体で覚えているわけじゃない。
その差は、決定的だ。
痛みを実際に経験した人間だけが、他人の痛みに本当の意味で寄り添える。
俺がそう思うのは、自分が散々悔しい思いをしてきたからだ。
給料ゼロでのスタート、起業の苦労、台湾と日本の間で居場所がなかった子供時代——
あの痛みを経験してなかったら、今、誰かの「しんどい」を聞いても、
うわべだけの言葉しか出てこなかったと思う。
今のあなたの痛みは、今は何の役にも立たないように感じるかもしれない。
でも、その痛みこそが、
この先誰かに寄り添える人間になるための土台になる。
AIには絶対に作れない土台だ。
ここで、もう少し現実的な話をする。
公務員の仕事のうち、事務処理的な部分は、これからどんどんAIに代替されていく。
申請書のチェック、定型文書の作成、データの集計、
「このルールに当てはまるかどうか」を判断するだけの仕事——
こういうのは、もうAIが人間より速くて正確にできる時代に入ってる。
これは公務員に限った話じゃない。
事務、経理、データ入力——「正解が決まってる仕事」全般に言えることだ。
決まった仕事をちゃんとやることは、もちろん大事だ。
そこに価値があるのは間違いない。
でも、これから本当に価値を持つのは、
「他人の困りごとを解決していく能力」だと俺は思っている。
以前、俺の会社では幹部を選挙制度で決めてたが、
選ばれるのは「仕事が一番正確な人」じゃない。
「あの人に相談すれば、なんとかしてくれる」と思われてる人だ。
マニュアルにない相談に首を突っ込んで、なんとか形にする人間。
これは、ルールを守る能力とは別物だ。
相手が本当に困ってることを察知して、自分で動く能力。
そして、この能力は、自分自身が困って、悩んで、痛い思いをした経験からしか育たない。
俺は経営者をやってきて、ずっと思ってることがある。
「会社はあくまで箱。人の価値をいかに高めるかが重要」ってことだ。
公務員という箱に入れなかったとしても、
あなたの価値がなくなるわけじゃない。
これから先、どんな仕事をするにしても、
「決まった仕事を正確にやる人」より、
「目の前の人の困りごとに気づいて、動ける人」のほうが、確実に強い。
そしてそういう人間は、
今回みたいな不合格という痛みを経験した人の中からしか生まれない。
順調に受かった人より、
落ちて、悔しくて、それでも次を考えてるあなたのほうが、
実はもう一歩先を歩いてるのかもしれない。
今は受け止めるだけで十分だ。
無理に前向きになる必要もない。
最後にもう一度、覚えておいてほしい。
この経験は、絶対にどこかで生きる。