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【Quipperブログ】"Fact based" でありがちな失敗をライトに紹介する

こんにちは。Quipper採用担当の鈴木です。今回の記事は、Web エンジニアの@ywada526による「"Fact based" でありがちな失敗をライトに紹介する」です!是非、ご覧ください!
※こちらの記事は2018年10月15日に公開されました。

はじめまして、Web Engineer の @ywada526 です。8月から Quipper で働いています。

今日日、データ分析への関心の高まりなどから、"Fact based" の考え方が広く普及し、ビジネスの世界では一般化してきているように思います。

Quipper でも "Fact based" が行動指針のひとつとなっており、日々実践されています。( 過去のブログで Quipper における "Fact based" の実践例 が紹介されていますので、ご興味のある方はこちらも併せてご覧ください。)

他方、一般化のゆえ、無批判に信仰されたり、言葉がひとり歩きしたりして、"Fact based" 自体が目的になってしまっている向きもあるように思えます。

今回は、"Fact based" が気になっている方向けに、"Fact based" でありがちな失敗をライトに紹介していきたいと思います。

"Fact based" とは

簡単におさらいをしておきましょう。"Fact based" とは、その名の通り、「客観的事実 ( 主にデータ ) に基づくこと」で、「―な思考」「―なコミュニケーション」「―な意思決定」など、様々なコンテキストで取り入れられています。

主観による認知バイアスを軽減するための客観思考というコンテキストで、"Logical thinking" と併せて語られることが多いですが、論理や方程式だけでは捉えきれない実社会を扱う、ビジネスシーンや社会科学の世界では、特に有効な手法です。

また、組織的な意思決定を行う際に、主観の入り込む余地を抑えられ、コンセンサスを形成しやすいという利点もあります。

"Fact based" な意思決定フローの一例を以下に示します。

  1. Issue の設定
  2. 客観的事実 ( データ ) の収集
  3. 客観的事実 ( データ ) の分析
  4. Issue に対するアクション ( 意思決定 )

実務的には、このフローの中に、意思決定者と担当者間のコミュニケーションが発生します。
また、PDCAを組み込んで継続的な改善サイクルを構築するなどの工夫も考えられます。

"Fact based" でありがちな失敗例

「"Fact based" は有効な手法そうだし、万能ツールだ」と思われている向きもありますが、使い方に気をつけないと思わぬ失敗を招いてしまいます。

以下、私が実際に経験したありがちな失敗を紹介したいと思います。
なお、ライトに紹介したいという意図で「麻雀」を題材にしています。
( 単に私の個人的な趣向でもありますが。 )

データ収集の限界

私の友人に "Fact based" なネット麻雀好きがいます。彼は、分析が好きで、麻雀をデータをもとにロジカルに分析して、ネット麻雀ではかなりの好成績を残していました。

しかし、初めてのリアルでの麻雀対局では大負けをしました。彼と対局した方曰く「彼は気配で何をするのかがわかったので簡単に勝てた」とのこと。おそらく、手役の状況があからさまに仕草にでていたのでしょう。

これが "Fact based" の一つの失敗例で、収集できるデータに限界がある ということです。

「どのように打てば期待点数が高くなるか」などの数値化しやすいデータは、文献やインターネットで簡単に収集することができますし、彼も網羅していたと思います。

一方で、「気配」とはなんでしょうか。どのようにデータ化すれば良いのでしょうか。世の中には数値として収集しにくいが、場合によっては決定的な要因となりうるものが存在します。

実際のビジネスシーンでも、抜け落ちている重要なデータがないか十分に注意することが大切だと思います。

目的設定のミス

また、彼と麻雀をしたときの話です。お正月に初打ちと称して麻雀をしたのですが、通常のルールに加えて、「他家の一発に5の数牌を通すとボーナスポイント」( リスクをとるとボーナスがもらえるという感じです ) という特別ルールがありました。

彼は、特別ルールを考えずに今まで積み上げてきた自分の "Fact based" な打ち筋を信じて麻雀をする戦略をとりました。私を含めた他の三人は、特別ルールを考慮して機をみてボーナスポイントを稼ぎにいく戦略をとりました。

結果的に彼はビリで終わりました。

コンテキストが変更されたのにも関わらず自身の分析を信仰しすぎた結果、勝利するという 目的を見失ってしまった 結果です。

実際のビジネスシーンでも、目的を意識して正しく Issue を設定できているか注意することが大切だと思います。

まとめ

"Fact based" はカオスなビジネスシーンにて組織的な意思決定を行うのに有効なものだと思います。

しかしながら、よく考えず表面的に扱うと、誤った意思決定にそれらしい根拠を付与して本質を隠してしまいます。

今回は、麻雀を題材にふたつの失敗例を取り上げました。

  • データ収集の限界
  • 目的設定のミス

それ自体が目的にならないよう、上手に "Fact based" を実践していきたいですね。

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