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【森の国住人インタビュー】30分で完売するド田舎のパン屋の店長、岸本さんにインタビューしました

愛媛県で一番小さな町、松野町。その中でも人口の50%以上が65歳以上の高齢者となった限界集落の目黒地区では30年ぶりに新たなお店がオープンした。その名も「森とパン」。
山の麓のど田舎で、オープン30分で完売してしまうほど人気のパン屋さんを切り盛りしているのは、もともと地域おこし協力隊として松野町にやって来た岸本さん。


そんな彼女の森の国での生活について、インタビューを行いました!


Q.なぜ地域おこし協力隊として松野町へ移住して来たのですか?

元々地方で、地元の人たちと一緒に働く仕事に対していいなーと思っていて、調べてみると大阪で愛媛県の協力隊の説明会が開催されていたので、協力隊というものを知るために興味本位で行ってみました。

特に地域についてこだわりはなかったのですが、その会場にはいくつかの地域のブースがありその中の一つに松野町がありました。
話を聞いて、「気になるんだったら一度来てみーや」と言われて、早速行ってみました。
2日間、町を案内してもらったのですが、1日目の夜に地域の方々が飲み会を開いてくれ、町の人が温かいおもてなしをしてくれたんですよね。
なかなかそこまでおもてなししてくれるところってなくて、そのときに、「ここやったらやっていけるな」と直感で思って。

Q.移住してみて、こっちでの生活に対してどんな印象をもっていますか?

田舎と都会は、人との付き合い方が全然違いますね。

まずこっちにきて、周りの人と話す機会が増えて、特に50〜60代の世代の知り合いが増えました。神戸にいた時は、50〜60代の知り合いって会社の上司くらいだったんですよね。

あと、田舎はやっぱり人との距離が近いんですよね。都会だと、隣のひとのことすら知らないこともあると思うのですが、こっちは朝会って、おはようございます、という挨拶だけでは終わらないんです。おはようございますというと、「今日こんなんやな」といった会話が必ずあり、そこからどんどん会話が生まれて距離が近くなる。

協力隊の仕事をしていた時は夕方に仕事が終わり、週に3〜4回くらい、隣のお家に帰ってご飯を一緒に食べたり、一緒に飲んだりしていました。
そこの方も、「ダメな時はダメというから」と言ってくれたので、遠慮せずに行けたんです。
一人でご飯を食べるのも寂しかったのもあって。笑
なので、外で過ごす時間が多くなりました。



Q.なじむまでに時間はかかりましたか?

知り合いになろうと思ったら、自分から行くしかなかったので、最初協力隊の時は、めっちゃ自分から行っていました。まず歩いている人には声をかけて、自分のことを誰も知らないから、自分のことを説明して回りました。
こうして話しかけていくと、どんどん仲良くなっていきます。一回話して打ち解けたら、向こうから話しかけに来てくれたり、「これもっていき〜」と言ってお野菜分けてくれたり。

Q.地域おこし協力隊ではどんな仕事をしていたのですか?

松野町の地域おこし協力隊の募集の仕方は、まず町が出しているミッションがあって、自分がやりたいことと町の求めていることがフィットすれば面接にすすめるという形だったんです。
私の場合は、観光振興という募集の仕方で、「食を観光につなげる」というミッションで、1年目は道の駅のお母さんレストランのサポートとして入っていました。そこで出す料理のメニューのポップを作ったりしながら、旬の食材や、地元の味付けも教えてもらっていましたね。

Q.3年の任期を終えて、地元の方に戻ることもできたと思いますが、松野町での暮らしをつづけようと思った理由はなんですか?

やっぱり、ここの環境とか、暮らし方が自分にあっているんですよね。
地元神戸にも、もちろん年に何回かは帰りたいけど、ずっと住んでいるというのは考えていなくて。
ちょくちょく、帰りながら、こっちで暮らしていきたいです。

あと、こっちに来てから自分も変わったんですよね。
まず最初は自分のことを誰も知らないから、自分のことを知ってもらいたくて説明して話していくうちに、自分の意見が言えるようになったり、人を頼れるようになったりしたんです。

ちょうど任期3年目に入るところで「水際のロッジ」がオープンするということで、サンクレアの募集があったのです。




Q.パン屋さんができたきっかけは?

アメリカのカリフォルニアのパン屋さんBrioBrioの塩出さんが5月、ずっとここに滞在されていたんですね。滞在中、3週間くらいずっとパンの作り方をBrio Brioの塩出さんに教えてもらっていました。

そして当時は、パン屋さんはまだなかったのですが、クラウドファンディングの返戻金として毎日パンを仕込んで、焼いていました。その傍、移動販売で、役場などに週に1回くらいの頻度でパンを売っていて。
そのうち水際のロッジの朝食でもパンが始まるようになって、9月にはパン屋がオープンすることになって、とんとん拍子でどんどん広がっていったんです。

最初は時間も毎日書いてやっていかないとできなかったのですが、今はリズムが掴めてきたので、一人でも回せるようになりました。

Q.これからやりたいことは?

今は、フィナンシェなど、物販用の焼き菓子を試作中です。
ただのパン屋ではなくて、物販や、家庭菜園で余った野菜などをここで買い取って販売したり、地元の人のつながりが生まれていけばいいな、と思います。

この目黒の地域に新しく店ができたことはすごく大きなことなので、ここの場所のあり方について、どうやったらもっと地元に寄り添ったものをできるのかを、協力隊の経験を活かしながら考えていきたいです。

「パンを買いに来た」とかではなく「寂しいから来た」とフラっと地元の人がこれるような場所になればいいな〜と思います。

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