プロダクトのデザインから、PR、イベントなどのコミュニケーションデザインまで。TAIANのデザインチームが手がける仕事はとても幅広いものです。スピードとクオリティを同時に実現するデザインチームが本格的に立ち上がったのは、ここ半年くらいのこと。。それまでたった一人の馬力で走り続けてきたデザイナーがどのようにチームをつくり、TAIANらしいデザインを形にしてきたのでしょうか。デザインチームを情熱的に牽引する橋本さんと、チーム立ち上げの支援を行った花塚さんにお話を聞きました。
PROFILE
橋本さん デザイナー
大阪大学出身。株式会社リクルートスタッフィングにてITエンジニア派遣の営業を経験後、2021年よりTAIANにジョイン。TAIANでは一人目デザイナーとして、0→1フェーズのプロダクトに関わり、体験設計やUI/UXデザインを中心に担当。現在は業務委託を含む6人のデザインチームをリードしながら、事業とデザインの橋渡しをしている。
花塚さん UIUXデザイナー
英国バーミンガム大学大学院にて計算論的神経科学/認知ロボティクスを修了。
東大松尾研発スタートアップやデザインファームを経て、リーガルSaaS領域で事業立ち上げに参画。プロダクト開発責任者として従事した後、前職ではPKSHA TechnologyにてAI SaaSのプロダクトデザイナー/ PdMを務める。
営業、神経科学を経てデザインにたどり着くまで
──お二人のキャリアを教えてください。
橋本:代表の村田さん、COOの米倉さんと同じリクルートスタッフィングで営業の仕事をしていました。その仕事をしながらも、プライベートではデザインの仕事を続けており、村田さんはそのことを覚えていてくれたようです。TAIANを立ち上げた後、デザイナーとして誘ってくれたのがきっかけで本格的にデザインの仕事に携わるようになりました。
花塚:私のファーストキャリアはクラウドファンディングのプラットフォームでした。まだ黎明期のクラウドファンディングの立ち上げを行いました。大学院時代に「美しさはとはなにか」といった神経科学の領域を一部研究していたことから、その後はインタラクティブデザインやウェブデザインをキャリアを通して学び、これが最初のデザインの仕事になりました。その後スタートアップやAIの会社を経てTAIANに出会いました。
──華やかなキャリアですね。TAIANに入社する決め手は何でしたか?
橋本:TAIANに入社する少し前に、結婚と出産を経験しました。それまでは「結婚式って、いいよね」くらいの感覚だったのですが、実際に自分で経験してみると、その素晴らしさを強く実感しました。お祝いの大切さを感じたこと、この文化を娘の世代まで残したいと感じたことでTAIANのビジョンに共感しました。それまでは仕事そのものの楽しさや対価をやりがいにしてきましたが、ビジョンに共感して社会や事業のために働くという選択肢があることを知り、TAIANで働きたいと思うようになりました。
花塚:私も、そのビジョンが決め手でした。TAIANにジョインする前に、オフィスでボードゲームをしたことがあって。そこでボードゲームをしているのにも関わらず次々にTAIANのメンバーがプロダクトの改善案を自分から話す様子に驚きました。「ビジョンに共感していると、こんなことが起こるんだ」とびっくりしてTAIANに惹かれていきました。
「早ければ早いほどいい」。
デザインチーム立ち上がり前のTAIAN
──このインタビューでは、TAIANでのデザインチームの立ち上げについてお話を聞きたいと思います。TAIANでデザインチームが立ち上がるまではどのようにデザインを行っていたのでしょうか?
橋本:私が入社してからは、業務委託の方にサポートいただきつつも、ほぼ一人でデザインを担う状態が3年ほど続いていました。また、TAIANのバリューには「Fast First Output」というものがありスピードを重視していたこともあって、ユーザー体験がどうなるかを深く考えたり、課題を探るミーティングを行ったりする余裕もなく、とにかく手を動かしてデザインを作る状況が続いていました。そこに花塚さんが入ってきてくれて、デザインチームを「組織化」していこうと話し始めました。
花塚:まず最初に、デザインチームをどんな風に立ち上げていくかのイメージを共有するため、代表の村田さんも一緒にオフサイトを行いました。オフィスから離れて、「今の課題」「TAIANにおける強いデザインチーム像」「そのために何をするか」をじっくり話したのです。
──目指す姿とプロセスを明らかにしたことを、どう振り返っていますか?
花塚:それまでのTAIANでは、デザインの改善は成果を定量で測りにくい仕事であるため、投資が後回しになっていました。オフサイトをきっかけにあらためて力を入れていくことを明確にすることができとても良かったと思います。また、代表の村田さんが早い段階からデザインの力を信じてくれていたのはとても有難いと感じました。これらにより、デザイン組織がスムーズに立ち上がるイメージがつかめました。
橋本:私は元々営業だったこともあり、目標を設定すればそれを達成するのが得意なタイプです。目指すべきことがわかりやすくなり、「あとはやるだけだ!」と燃えたのを覚えています。
デザインチームは1日にしてならず。
半年かけてチームを立ち上げたプロセス
──デザインチームの立ち上げにあたり、この台形の下から実施していったのですね。具体的にどのようなことを行いましたか?
花塚:「学習とナレッジ蓄積」では、デザインシステムを作りました。TAIANらしいデザインをルールに落とし込み、迷った時はそこに立ち返ることができるようにしました。また、デザインをチェックするAIを開発して、TAIANらしいデザインを実現できるかを確認しフィードバックするシステムを構築しました。
橋本:このシステムにより、基本的なデザインレビューをAIがやってくれるので、私がつきっきりでなくても新しいデザイナーの方がオンボーディングすることができるようになりました。
──「組織で動いて全体最適で考える」については?
花塚:それまで不透明だったそれぞれのデザインタスクの責任者を明らかにし、その責任者が課題設定のミーティングや要件定義を行う体制をつくりました。
橋本:それまで個人がそれぞれデザインを進めていたため、デザインの属人化やタスクの把握が課題でした。「組織で動いて全体最適で考える」体制づくりにより、効率的な采配ができるようになりました。
──「プロダクトのUX向上」はどのようなことを?
花塚:当時のTAIANのプロダクトは、多くの機能があってもそれぞれがつながっておらず、個別の機能を使うところでその体験が終わってしまっていました。それを、プロダクトデザイナーの視点で体験そのものを設計し、それを向上する意識づけを行いました。現在、その体験を定量で測る仕組みをつくっているところです。
橋本:UXからデザインを考えるようになったことで、課題を設定し、仮説を立ててデザインすることができるようになりました。
──デザインチーム立ち上げの最後のプロセスには「事業拡大への意識」がありますね。
橋本:「学習とナレッジ蓄積」「組織で動いて全体最適で考える」「プロダクトのUX向上」ができるようになると、成果を出すためのデザインができるようになります。私はファーストキャリアが営業なので、ただ綺麗なデザインをつくるだけではなく、本当に喜んでもらって対価を得ることに喜びを感じます。そのため、この「事業拡大への意識」はもともと私が叶えたいことでもありました。
この意識を持つことで、これまでならば依頼されたらそれをつくっていたところを、プロダクトのあり方から考えて必要なデザインをすることができるようになりました。
「私じゃダメだったから」。ひねくれていた心を立て直した瞬間
──デザインチームが立ち上がるプロセスの中で、印象的だったことはありましたか。
橋本:これは、花塚さんに伝えたことがないことなんですが......。花塚さんがジョインした時、「私じゃダメだったから、この人が入ってきたんだ」と感じてものすごくショックだったんです。一人でひねくれた気持ちになってしばらく過ごしていました。けれど、花塚さんが本気でデザインチームのことを考えている姿を見て、「こんなにスキルのある人がここまでコミットしているなら、頼らない手はない!」と気持ちを切り替えました。この切り替えが、一番大変でしたね。
花塚:そんなこと、全然知りませんでした。私はこのプロセスを通して、橋本さんが成長していく様子を見られたことが一番心に残りました。橋本さんは、常に沸騰しているような、まさに「熱源」を体現しているような人なんですよ。常に頭から湯気を出しながら情熱的にデザインチームの立ち上げに向かっていく姿を、会社のみんなが評価しています。
新しい仲間も受け入れられる。
立ち上がったデザインチームの成長環境とこれから
──デザインチームを立ち上げた大きな収穫を何だと考えていますか。
橋本:半年ほどの立ち上げを経て、会社から「デザイナーの橋本」ではなく「TAIANのデザインチーム」として認識してもらえるようになりました。また、新しいメンバーがジョインした時にも無理なく受け入れられる土台が整ったと感じています。これにより、「私たちはこういう考えた方でデザインをしています」と自信を持って伝えられる状態になりました。情熱を持っている方にぜひ仲間になっていただいて一緒にTAIANを大きくしていきたいと思っています。
──TAIANのデザインチームの強みや、成長環境は何でしょうか。
花塚:TAIANのフィードバックが盛んなカルチャーや、新規事業などさまざまな領域にデザインの力を活かせる点は、デザイナーにとって大きなやりがいだと思います。また、先ほどお話ししたように、AIを使ってデザインのフィードバックを得たり、AIを駆使して実装までデザイナーが行うなどの役割を越境する面白さも感じていただけると思います。
橋本:そして、私たちの向き合っている婚礼業界やホスピタリティ業界は、レガシーである分それが変化した時の動力が大きいのが魅力です。ひとつのデザインで、誰かの業務を楽にすることができる。そして、お祝い文化を継承していくことの一助になれるのは、とても楽しいなと感じています。
──これからのTAIANのデザインチームの躍進がとても楽しみですね。
橋本:ありがとうございます。TAIANのデザインチームがここまで来れたのは、常にメンバーのいいところを探して、「これもやってみれば?」とうまく焚き付けてくれる花塚さんのおかげ。これからもデザイナーの役割にとらわれず、どんどん挑戦したいと思います!
花塚:私は、こうして情熱を燃やして突き進んでいく橋本さんからたくさんのエネルギーをもらいました。橋本さんという巨大な「熱源」はすでにあるので、一緒に熱くなってくれる方の仲間入りを楽しみにしています。
写真・文:出川 光(ノンブル社)
デザイン:Urara Hashimoto(TAIAN)