結婚式という、人生における特別な日。その価値を信じ、長年にわたって挙式の現場を支えてきた3人のプロフェッショナルが今、TAIANのカスタマーサクセスに集っています。彼らが次のフィールドとして選んだのは、テクノロジーの力で業界を支え、婚礼の未来をつくる挑戦の場でした。
式のつくり手から、業界全体をシステムで動かすパイオニアへ――3人のキャリアチェンジをひもとくと、「祝祭」という文化を次の時代へつなぎたいという、温かな願いが見えてきました。
PROFILE
今川さん
レストランウエディングと大手式場グループにて関東、関西、北陸、九州と約14年にわたりブライダル業界にて新規、施行担当として従事。また新規事業として引出物・引菓子などの自社商品開発のブランディング、商品企画に携わる。
北澤さん
慶應義塾大学文学部卒業後、ブライダル企業に新卒入社。ウェディングプランナーとして約1500組のカップルをお手伝いしたのち、ブランド企画・採用・研修などを担当。結婚式をはじめ、お祝いごとが人生を豊かにすることを体感し、この文化を継承したいと強く願うように。その後、TAIANにジョイン。ブライダル業界での経験を活かし、お祝いシーンを創る「人」が輝けるようカスタマーサクセスに従事。
宮井さん
約20年間の㈱八芳園でのキャリアを通じ、現場経験を土台としたプランナーや支配人業務を歴任。年間2,000組以上の施行を支える組織運営に加え、地方式場の再生事業では、課題に応じた仕組みづくりと顧客体験の向上を実現する。状況に合わせた最適なオペレーションの構築により、事業の成長を牽引。
婚礼の現場で培った力を、次の価値へ。
TAIANのカスタマーサクセスとは
──まずは、現在のお仕事について教えてください。
今川:私は現在カスタマーサクセス(以下、CS)として、婚礼支援システム「Oiwaii」の導入支援を担当しています。式場が導入を決めてくださったあと、初期設定から運用設計、現場への落とし込み、そして活用まで丁寧に伴走します。式場にシステムを入れて終わりではなく、その先にいるカップルに価値が届くところまでが仕事です。
北澤:私もCSとして、主に式場数や年間施行数が多いエンタープライズと呼ばれる式場を担当しています。ご契約前の段階からCSとして商談に同席させていただくことも多いため、導入を決めていただくところから、その後どう活用して成果を出すかまでを一気通貫で見ています。
宮井:僕もふたりと同じく、導入・活用支援をメインとするCSを担当しています。ほかにも専門学校での授業や他企業とのアライアンス活動、セールスサポートなどを担当しています。また、システムや顧客対応の「クオリティ管理」として、ウェディング業界時の経験を生かした役割も担っています。
──皆さんは、婚礼業界で長くキャリアを積まれてきたと聞いています。業界に入った理由と、これまでの歩みを教えてください。
今川:私がこの業界に惹かれたきっかけは、結婚式場でのアルバイトでした。結婚式そのものよりも、そこで働くプランナーの姿にとにかく惹かれて。「こんなふうに仕事ができるかっこいい人になりたい」と思ったのが入口です。
これまで約14年間、婚礼業界でキャリアを積んできました。レストランウェディングを行う会社で新規開拓から施行まで担当したり、ブライダルの大手企業で、分業制のもと、施行と打ち合わせを主に担当したり。式場とレストランウェディングの両方を経験し、関東・関西・北陸・九州と、幅広いエリアで婚礼を経験してきました。キャリアの後半には、新規事業立ち上げとして引出物・引菓子の自社商品の開発やブランディング、EC販売事業も経験しました。
北澤:私が婚礼業界に惹かれた原体験は、中学2年生のときに父が交通事故に遭ったことです。幸い今は元気なのですが、当時、事故前日に喧嘩をしていて、これまでの感謝の気持ちを伝えられないままもう二度と会えなくなってしまうのではないかと、とても後悔しました。その感情が、今も心に残っています。だからこそ、想いを言葉にできる場としての結婚式に強い意味を感じるようになりました。
そこで新卒でブライダル企業に入社し、関東エリアのゲストハウスで約8年間勤務。ウェディングプランナーとして新規接客から施行担当まで一貫して関わり、責任者もやらせていただきました。その後、本社に移って採用や研修、経営企画に携わり、産休・育休を経てTAIANにジョインしました。
宮井:私は、文化祭やイベントのような「誰かが喜ぶ場」をつくることが好きで、気づけば20年間この業界にいます。前職は、2005年に中途入社した八芳園です。はじめはアルバイトとして現場サービスから入り、サービススタッフ、バンケット責任者、フロアマネージャーを経験。その後、婚礼部門でプランナー、マネージャー、支配人を務め、地方式場の運営受託や再生事業にも携わりました。
ブライダルの現場から、なぜTAIANへ?
業界に向き合い続ける理由
──長く結婚式の現場を経験されてきた皆さんが、なぜTAIANを選んだのか。転職の理由や決め手を教えてください。
今川:私の前職は、大手だったこともあり、意思決定に時間がかかる場面が多くありました。「もっと自分で決裁権を持ちたい」「経営に近い場所で事業を動かしてみたい」。そう考えるようになり、スタートアップへの転職に目が向いたんです。そんなとき、転職エージェントに紹介してもらったのがTAIANでした。
当時はまったく別の場所で挑戦したいという気持ちが大きく、正直、TAIANに出会うまでは、ブライダル業界にまた戻るつもりはありませんでした。経験を積んでいく中で自分自身の中でも、気持ちの面でギャップを感じていたのかもしれません。TAIANの求人を見て、新しい業界に挑戦する、かつこれまでの自分の経験を最大限に生かせると思い、入社を決意しました。選考過程を通して感じた、前向きで人を大切にする社風も、決断した理由の一つでした。
北澤:私の場合、転職のきっかけはワークライフバランスでした。子どもが生まれ、これまでと同じ働き方を続けることが難しくなったんです。それでもブライダル業界にい続けたかったのは、強い課題感を持っていたからです。
コロナ禍を経て、「結婚式をやらない」という人が増えました。でも個人的には、結婚式はカップルが価値観をすり合わせていく過程であり、人生を振り返り、大切な人たちに想いを伝えられる、かけがえのないイベントだと思っています。絶対になくしてはいけない文化だし、もっと多くの人に経験してほしい。そう願う一方で、現場は想像以上にキツく、文化の担い手であるプランナーが次々に離れていってしまう現実があります。これでは、ブライダル業界の未来が危うい。システムの力でなんとか改善したい。自分を育ててくれた業界に恩返ししたい――そう思ってTAIANを選びました。
宮井:私がTAIANに入った理由は、率直に言うと「自分の欲を満たすため」です(笑)。前職でウェディングの仕事を後輩に引き継ぎ、別の事業に移ったのですが、ウェディングの現場に立ちたい気持ちがまだ残っていました。かといって転職して八芳園以外の式場で働くのも気が進まない。そこで、ウェディング業界に深く関わる会社で、私がやりきれなかったことに挑戦できる会社に行こうと考えました。
やりきれなかったこと、それは北澤さんも言っていたように志し半ばで辞めてしまうプランナーをひとりでもなくしたい……ということです。そんな環境(現実)をシステムで変えられるのならと入社を決めました。
同じ婚礼業界なのに、まるで異世界。
フランクさとスピードに驚いた入社直後
──入社してみて、驚いたことはありましたか?
今川:まず驚いたのは、代表の磨理子さんを筆頭に、社員同士を下の名前やあだ名で呼ぶ文化です。最初は恐れ多くて戸惑いました(笑)。それと、スピード感。判断が早く、メンバー全員が考えを言語化してすぐ共有します。そのテンポがかなり刺激的でした。また、様々なところでテキストでのやり取りがとても多いと感じたのも印象的です。PC1台でスケジュールから業務対応、事務連絡まですべて完結する。今の時代では当たり前かもしれないですが、ブライダル時代に必須だった手帳は何だったのだろう……と思いました(笑)。
北澤:今川さんのお話、すごく共感できます。同じ婚礼業界ですが環境は全然違いますよね。私が驚いたのは、まず横文字の多さです。会議中にわからない言葉をこっそり調べたことも多々ありました(笑)。また、スタートアップならではの「まとまってなくてもとりあえずアウトプットする文化」もギャップのひとつでした。前職では仕事柄、失敗が許されない環境でしたし、お客様に失礼のないよう完璧に整えてから話すのが基本だったので、やり方ががらりと変わり、はじめは戸惑いました。
あとは、エンジニア像が良い意味で崩れました。私はエンジニアに対して「黙々と作業するプロフェッショナル」という勝手なイメージを持っていて。でも、TAIANのエンジニアはとにかくオープンで、自分の仕事に閉じずに周囲を巻き込む行動派。想像とはまったく違い、エネルギッシュです。
宮井:私の場合は、驚きというよりは「初めての世界に来た新鮮さ」を感じました。エンジニアと密に関わる仕事も初めてでしたし、システマチックに物事が進んでいく環境も初めてだったので。
そんな「異世界」の中でも不思議と心強さがあったのは、今川さん、北澤さんをはじめ、現場感覚を共有できる仲間がいるからだと思います。TAIANらしいスピード感に適応していくけれど、培ってきた現場の視点も忘れない。そのバランスがとれている人がたくさんいたから、物事を一緒に進めやすかったです。
──現場に慣れるまでの、周囲のサポート体制はどうでしたか?
今川:わからないことを聞きやすい雰囲気があり、かなり助かりました。誰に質問をしても、忙しいのに手を止めて正面から答えてくれて。とても丁寧にサポートしていただきました。
北澤:出社文化があるからこそ、周りの動き方を見ながら「こうやって進めるんだ」と学べたのも大きかったです。合宿やオフサイトなど、カルチャーや関係性を育てる機会が多いのも、早く馴染む助けになりました。
ほかにサポートとして印象に残っているのは、最初の頃、ミーティングでうまく発言できなかったときのこと。代表の磨理子さんがZoomの個人チャットで「今、発言できるよ」とそっとパスを出してくれたことがありました。すごくありがたい助け舟でしたね。
宮井:TAIANは、経験や年齢に関わらず、一人ひとりの意見を重んじますよね。新人でも、ミーティングで「どう思いますか?」と意見を求められる。異なる能力や視点を持った個人をリスペクトし合う文化のおかげで、僕もすぐに溶け込むことができました。
「半径5メートルの感動」をもっと遠くへ。
みんなで描く、祝祭業界のにぎやかな未来
──現在の仕事で、特にやりがいを感じるのはどんな瞬間でしょうか。
今川:これまでシステムを入れてこなかった、むしろシステム導入に抵抗があった式場が、「やってみよう」と一歩踏み出してくださる瞬間です。そして、導入をきっかけに業務や運用が変わり、スタッフの表情が変わり、その先でカップルの体験も変わっていく。式場から「カップルに喜んでもらえました」と報告をいただけると、とてもやりがいを感じます。また、その喜びの声を、作り手側である社内のエンジニアチームに共有する瞬間も好きです。全員で良いものを届けられた! と喜びが連鎖していくうれしさがあります。
北澤:私は、多くの人に影響を与えられる点にやりがいを感じています。現場のプランナーは、新郎新婦や家族、ゲストなど、例えるなら「半径5メートル以内の方々」を幸せにする仕事でした。それが、B to Bの仕事をするようになってからは、輪が大きく広がった。感動を遠くまで届けていけることにわくわくします。
また、課題解決を1人の力ではなく、チームとしてできることにもやりがいを感じます。プランナー時代は、ある種自分自身が商品。自分にしかできない形でプロデュースすることにやりがいを感じていました。でも今は、ブライダル業界出身者として仮説を持って課題を深掘りでき、かつエンジニアがいるから再現性のある形で未来に残せます。CSとして式場様の成果創出に伴走し、利用者の声を聞く機会が少ないエンジニアメンバーに感想を届けることも、楽しさややりがいの一つになっています。
さらに、Oiwaiiの導入を通じて、若手のプランナーの方々がこれまでにないポジションで花を咲かせるきっかけを生めるのもやりがいの一つです。Oiwaiiがあることで、その方がDX領域のマネジメント経験を積む機会が生まれる。自分たちの仕事が若手のキャリアにとってプラスになっていると実感できると、やはりうれしいですね。
宮井:私は、未来をみんなでかたちにしていく感覚にこの志事(仕事)の楽しさを感じています。
Oiwaiiのプロダクトは個社ごとに仕様を変えるのではなく、基本的には同じ仕様で同じ価値を届けていくものです。だからこそ、一社一社ではなく「みんなでひとつの未来をつくっていく」という感覚が生まれます。
僕はよく「ドラえもんをつくっている感じ」と表現するのですが、「こんな未来もあるんだ」とみんなが驚くような世界をかたちにしていける。その余白こそが一番の面白さだと思います。今後も、プランナーとして培ってきた視点や温度感を大切にしながら、システムに寄りすぎることなく、バランスよく式場を支えていきたいです。
──では、TAIANへの就職を考えている採用候補者に、メッセージをお願いします。
今川:結婚式が好き、人を喜ばせたいという想いを大切にしながら、新しい挑戦をしたいという方にぜひ来てほしいです。 TAIANに来れば、今まで一人ではできなかったことも、「なんだかできそう」と思えるはず。前向きに挑戦できる環境がここにはあります。
北澤:お祝いの輪を、結婚式のような半径5mの世界だけじゃなく、もっと広げられるのがTAIANの面白さだと思います。形は変われど、人を祝い祝われる文化はなくならないはず。祝祭というポジティブなパワーで、日本を、世界を元気にしたいという方と一緒に、これからも生まれる感動を味わえたら嬉しいです。
宮井:TAIANは、式場支援をしながらも、業界を次のフェーズへ持っていく会社です。個別のお客様に向き合うだけでなく、業界そのものを前に進めたい。そう思う方にTAIANの仕事はきっとフィットします。ぜひ一緒に取り組みましょう。
──最後に、これから目指したい未来の姿を教えてください。
北澤:私はよく、今3歳の我が子が大人になる頃に、一体世の中はどうなっているのかなと考えるんです。悲しいニュースばかりではなく、心のつながりに触れられる温かさで満ちた世界であってほしい。そのために、TAIANという場所から、祝祭が持つ温度や力を伝え続けていきたいと思っています。
会社が大きくなっていったとしても変わらず大切にしたいのは、婚礼・ホスピタリティ業界で働く人へのリスペクトを忘れないことです。AI化が進む中ですが、文化は「担い手」がいてこそ残っていくもの。人を大切にしながらシステム化を進めることで、業界のV字回復を叶えたい。そしてそのときに「TAIANの存在が大きかったよね」と言われたいですね。いつか子どもの「なりたい職業ランキング」に祝祭業界というジャンルが入ったら、こんなにうれしいことはありません。
今川:素敵ですね。私も、TAIANの名前が業界内にとどまらず、業界外やSaaS界隈にも認知が広がったらいいなと思っています。「TAIANで働きたい」と思う人がどんどん現れて、自然と集まる状態をつくれるように。そして、人によって作り出される祝祭をもっと多くの人に感じてもらい、もっともっとあたたかい世界にしたい。今後も挑戦を続けていきます。
宮井:私は仕事に追われていた自分自身の「失われた20年」を取り戻したいです(笑)。これからは仕事と人生をきちんと両立しながら、業界に貢献していきます。
日本は昔から、五穀豊穣の収穫祭や七五三など、様々なお祝いの文化を大切にする国です。TAIANも今、結婚式だけでなく、日本中のお祝い・お祭り文化へとフィールドをどんどん広げていこうとしています。いつか世の中の皆さんに、「お祝いの場所に来ると、いつも『TAIAN』の名前があるよね」と言ってもらえるような存在になりたいですね。未来に向かって、みんなで進んでいきましょう。
文:安岡晴香 編集・写真:出川光(ノンブル社)
デザイン:Urara Hashimoto・Ayaka Momose(TAIAN)