こんにちは。プロダクト本部の寺田です。
「数年の大企業での受託開発(SE)しか経験のない自分に、お客様へのプロダクト導入やプロダクト開発ができるだろうか」
約8年前、そう思いながらTOKIUMに入社しました。
数千人規模の会社から当時約20人規模のTOKIUMへ転職を決めたとき、正直不安でした。 しかし、お客様に実直に向き合い、良いプロダクトを作ろうとする姿勢、そして「自分のプロダクト」を持てるという魅力に惹かれ、仲間になりたいという想いが勝りました。
CS(カスタマーサクセス)から始まり、1人目PdM、プロダクトマネジメントに関する部署の立ち上げ、DevHRを経て、再びプロダクト作りへ。一つの会社で、これほど多様な経験ができるとは思っていませんでした。
振り返れば、前職に留まらず早く動いて正解だったと感じています。
この記事では、私自身の経験を通じて、TOKIUMでどんな挑戦ができるのか、PdMとしてどこまで幅広く関われるのか、そしてどんな文化があるのかをお伝えします。
特に「自分にはまだ早いかも」「経験が足りないかも」と感じている方にこそ、読んでいただきたいと思っています。
目次
CSからPdMへ:越境が歓迎される組織
「全部やる」から始まるPdMの幅広さ
分業フェーズで変わる面白さ:チームを動かすPdMへ
越境を支える仲間たち
AIという新領域で、再び「全部やる」
越境は特別じゃない
おわりに:次の一歩へ
CSからPdMへ:越境が歓迎される組織
TOKIUMでの最初の仕事は、プロダクト導入を担うカスタマーサクセスでした。お客様の業務にプロダクトを組み込み、実際に使ってもらう。その最前線に立つ役割です。
前職でSEとしてシステム開発に関わっていたこともあり、導入作業をしながらも、どうしてもプロダクトそのものが気になってしまう。CSとして現場に立ちながら、頭の中にはこんな問いがありました。
- この機能がないと、一定規模以上のお客様には価値を届けきれないのではないか
- このUI・UXは、お客様の業務フローと本当に噛み合っているか
- いまは問題なく動いていても、利用が増えたときに耐えられる設計になっているか
導入の現場にいるからこそ、「いま困っていること」だけでなく、「このまま進むと後で必ず問題になること」が見えていました。
それを開発側と議論してプロダクトを改善させる動きを自発的・継続的にしていたことで、気づけば、CSでありながらプロダクト全体を見て考える立ち位置になっていきました。
これがTOKIUMの面白いところです。
役割の境界を越えて考え、動くことが、自然と許容される。むしろ歓迎される。「それは自分の仕事じゃない」と線を引く文化ではなく、必要なことに手を挙げれば任せてもらえる環境がありました。
「全部やる」から始まるPdMの幅広さ
当時(プロダクト初期)のTOKIUMには、明確なQAプロセスや専門のロールはありませんでした。リリース前に誰が最終的に品質を見るのか、決まっていなかった。
お客様に近い立場でもあったため、私やCSで見ていました。実際に触り、操作し、お客様がどんな順番で画面を開き、どこで迷うかを想像する。
これはQAというよりも、「このプロダクトを世に出していいのか」を判断する責任でした。この感覚は、その後PdMとして仕様や優先度を決める際の判断基準にもなりました。
当時のプロダクトづくりは、役割を分けて効率化する段階ではありませんでした。
- 機能を考え、作り、それをどう導入し、どう説明し、どう運用してもらうかまで含めて一つの仕事
- PdMがマニュアルも整備するし、問い合わせ対応も行う
- デリバリーを意識したオペレーションや原価計算のたたき台も作る
- 関連法令の遵守、利用規約の整備、知的財産の管理、ドメインに関わる法律面の整理
こうした領域も、当時は専門の担当がいたわけではなく、必要に応じて調べ、弁護士と相談しながら進めていました。
大企業では絶対に経験できない幅広さ。 これが、TOKIUMでPdMをやる醍醐味です。
「プロダクトを作る」という仕事の範囲は、コードを書くことでも、仕様を決めることでもない。お客様に届け、安心して使ってもらい、事業として成立させるところまで含めて、初めて「作った」と言える。この感覚を、入社初期から体験できる環境がありました。
分業フェーズで変わる面白さ:チームを動かすPdMへ
プロダクトが成長し、組織の規模が大きくなるにつれて、分業が進みました。かつては一人で担っていた領域に、専門のチームができていく。QA、法務、オペレーション、オンボーディング——それぞれの専門性が高まり、アウトプットの質は確実に上がっていきました。
「全部やる」フェーズでは、自分で手を動かすことでプロダクト全体を把握できていました。 一方、分業が進むと、PdMの役割は変わります。自分で全部やるのではなく、専門家たちの力を引き出し、一つのプロダクトとしてまとめ上げること。
ここに、新しい面白さと難しさがあります。
面白さは、自分一人では絶対にたどり着けないプロダクトが生まれること。 エンジニア、デザイナー、QA、CS——それぞれの視点から「これはこうした方がいい」という意見が出てくる。異なる専門性を持つメンバーと議論を重ねることで、最初の構想よりも良いものに仕上がっていく。その過程を設計し、導いていくのがPdMの醍醐味です。
一方で、難しさもあります。 全体最適を考えた判断と、各チームの立場は、必ずしも一致しない。正しいと思う決断でも、関係者が増えるほど、合意形成には時間がかかる。どこまで議論し、どこで決め切るのか。スピードと納得感をどう両立させるのか。
PdMの仕事は、一つひとつの仕様を決めることではありません。「このプロダクトで何を実現したいのか」を示し、チームがそこに向かって動けるようにすること。 そして、「何を優先し、何を捨てるか」という判断を、チームと一緒に積み重ねていくこと。 その判断の質が、プロダクトの質を決めます。
「全部やる」フェーズで培ったプロダクト全体を見る視点と、分業フェーズで求められるチームを動かす力。どちらもPdMには必要で、TOKIUMではその両方を経験できる環境があります。
越境を支える仲間たち
1年間の育休復帰後の半年間、DevHRにも関わりました。プロダクトから一歩引いて、組織や人の状態を見る時間です。
多くのメンバーとの1on1を通して見えてきたのは、この組織が変化に対して驚くほど柔軟であることでした。
1on1では、様々な声を聞きました。
- 「前職では考えられなかった技術に触れている。学ぶことが多くて楽しい」と語るエンジニア
- 「PdMは初めてだったけど、周りに聞きながらなんとかなった。やってみたら面白い」と笑うメンバー
- 「自分の手でプロダクトを作っている実感がある。それが一番のモチベーション」と話すメンバー
- 技術的な課題を経営層に直接提言し、改善を主導しているエンジニア
- 入社して間もなくリーダーを任され、チームを率いているメンバー
共通しているのは、「知らない領域に踏み込むこと自体が面白い」という感覚を持っていることでした。
印象的だったのは、仲間への信頼を口にする人が多かったことです。「困ったときに助けてくれる人がいる」「周りが優秀だから自分も頑張れる」——そんな言葉が自然と出てくる。
いろんなバックグラウンドの人が活躍できているのは、挑戦を歓迎し、失敗しても誰かが拾ってくれる空気があるからだと思います。
AIツールの進化は、職種の境界も変えつつあります。TOKIUMでは、PdMがv0やCursor、Claude Codeを使ってプロトタイプを作成し、時には自身でコードを修正して、その仕様が本番反映されることもありました(レビューを通じて)。逆に、エンジニアが仕様の矛盾に気づいて改善提案をしたり、CSが機能アイデアを持ち込んだりすることも日常的に起きています。
上司やチームとの関係についても尋ねました。聞かれたらそう答えるしかないのかもしれませんが、「相談しやすい」「ちゃんと話を聞いてくれる」という声が多かったのは印象的でした。「困ったときに一人で抱え込まなくていい」「フィードバックがもらえるから成長できる」——そんな安心感が、挑戦を後押ししているのだと感じます。
一方で、課題の声もありました。プロダクトの立ち上げ方や進め方、情報共有のやり方など、「もっとこうできたらいいのに」という意見です。こうした声は吸い上げて展開し、次のプロジェクトに活かせるよう取り組んでいます。
TOKIUMの組織は、状況に応じて役割や関わり方を柔軟に変えながらも、プロダクトを前に進める力を失わない強さがありました。
AIという新領域で、再び「全部やる」
今年に入り、AIの進化はプロダクト開発の前提を大きく変えました。これまでの延長線では通用せず、探索からやり直す必要がありました。
分業されていた役割を一度束ね、PdMが広い範囲で責任を持ち、AIエージェントの立ち上げを進める。何を自動化すべきか、どこまでをAIに任せるのか、プロダクトとして成立するラインはどこか。
正解がない中で判断を重ね、素早く形にしていく。初期の「全部やる」フェーズに近い感覚が、再び訪れました。
もちろん、簡単な道のりではありませんでした。 プロジェクトによっては負荷が集中し、周囲がサポートに入ったり、体制を見直したりすることもありました。それでも前に進めたのは、状況を見て柔軟に動ける組織だったからだと思います。一人で抱え込まず、チームで乗り越える——その経験を、次の挑戦に活かせるようにしていきたいと思っています。
PdMとの1on1で、この変化やPdMとしての役割を楽しむ声も聞いています。
「プロダクトマネージャーの業務が面白くて、土日もそのことばっかり考えちゃうんですよね」
「忙しいけど楽しい」。 この言葉が自然と出てくるのは、「やらされている」のではなく「やりたいことをやっている」感覚があるからだと思います。
立ち上がったものは、また分業され、次の成長フェーズへと進んでいく。TOKIUMでは、この「全部やる→分業→また全部やる」のサイクルを、何度も経験できるのです。
越境は特別じゃない
ここまでお伝えしてきたように、TOKIUMでは役割の境界を越えることが特別ではありません。必要なことがあれば動き、分からなければ周りに聞き、まずやってみる。それが、以前から自然に行われてきたことでした。
役割や部署の境界にこだわらず、いま必要なことに向き合う。分からなければ調べ、詳しい人に聞き、手を動かす。
AIの進化によって、この越境のハードルはさらに下がりつつあります。特定の誰かだけが担うものではなく、必要なときに、誰もが一歩踏み出せる。
TOKIUMが目指しているのは、越境できる人を称賛する組織ではなく、越境が前提として機能する組織です。
おわりに:次の一歩へ
12月から体制が変わり、プロダクト組織はドメインごとに切り分けられ、より早く質の高い意思決定ができる形へと進みました。ドメインごとにノウハウや知見が蓄積され、それがプロダクトに還元されるサイクルも早くなることを期待しています。私自身も、再びプロダクトに深く関わる立場に戻ります。
私たちが目指しているのは、市場から「TOKIUMが作るプロダクトなら間違いない」と認知されることです。その第一歩として、まずは「経理AIエージェントならTOKIUM」と言われる存在を目指し、全社で取り組んでいます。
良いプロダクトを作り続け、お客様に価値を届け、TOKIUMのファンを一人ずつ増やしていく。その積み重ねの先に、ブランドとしての信頼がある。
機能や価格ではなく、「TOKIUMだから選ぶ」と言ってもらえる存在になりたい。
そのためには、仕様だけでなく、お客様やオペレーション、組織まで含めて考え、必要な場面では役割を越えて動ける仲間が必要です。
分業と越境を行き来しながら市場にないものを形にしてきた——この組織のあり方は、これからも変わらないはずです。
振り返ると、あのとき転職を決断して良かったと思います。「まだ早いかも」「経験が足りないかも」——冒頭で書いたように、私自身もそう思っていました。数年のSE経験しかない状態で飛び込みましたが、挑戦を歓迎する文化と、周りのサポートのおかげで、なんとかここまでやってこれました。
迷っているなら、早く動いた方がいい。それが、8年経った今の実感です。
次の一歩を、一緒に踏み出しませんか。
興味を持っていただけたら、ぜひ一度お話ししましょう。