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【内定者紹介】私が土屋を選んだ理由 Vol.4 光行 貴史『From London』

皆さま、こんにちは。光行貴史です。今回は土屋鞄製造所の内定者としてお話させていただきます。

今はイギリスにあるロンドン芸術大学(Central Saint Martins BA Product and Industrial Design)に通っています。
幼い頃から美術のスクールに通っており、アートに触れる機会が多かった影響で芸術の本場のヨーロッパで彫刻を学びたく、入学しました。イギリスにいるならではの視点をお届けできればと思います。


数ある大学の中で、海外の大学に決めたのは日本の美術大学とコンセプトが違うと思ったからです。個人的な感覚ですが、海外は技術よりも発想力や思考力を重視しており、「技術は大学で身につければいい」という方針に惹かれたためです。ロンドン芸術大学は、欧州で一番規模が大きい大学で教育方針が"Don't rely on others, don't do what others do, think for yourself, produce by yourself."
日本語で平たく言うと、「常識を覆せ」をコンセプトとして掲げています。著名人だと「ジェームズ・ダイソン」や「ステラマッカートニー」が卒業生でした。

最初の1年はファウンデーションコースで全学科の基礎を勉強します。始めは彫刻を極めたいと入学しましたが、学んでいく内に彫刻からプロダクトデザインに興味が変わっていきました。彫刻は自己表現だけど、プロダクトデザインは社会と直接的に関わることを知り、自分の力で社会に貢献したいという考えにシフトしていったためです。そこで、2年目からはBA(バチェラーオブアート)のプロダクトデザインを学べる学科に進みました。

海外で再確認した日本の伝統工芸の素晴らしさ


(指物の技術でつくったテレビ台)

もともと、職人が手作業でつくる日本の工芸品が好きで機械式時計や中華鍋、和包丁などを愛用していました。プロダクトデザインを学んでいくうちに、日本の技術が海外でも評価されていることを知ったのです。イギリスがロックダウンしている時に一度帰国することになったので、折角日本に帰るなら伝統工芸について学んで、知識を持ち帰ろうと思ったんです。

学べる機会がないか探したところ、「指物」の技術を学べる木工の教室がありました。ちなみに指物とは釘を一切使わずに組み立てる、日本の伝統工芸品です。指物の技術を活かし、テレビ台をつくりました。Instagramに投稿すると、海外の友人から「かっこいいね」とか「これはすごい!」と称賛を受けました。本格的に製材から自分でやったのは初めてだったので、家具を作る工程の大変さについて実感したのと同時に、日本のものづくりの技術は世界で通用すると感じました。

海外留学から日本の企業へ、そして土屋鞄に決めたワケ

大学からいざ就職、という時にイギリスはあまり就職の支援をしてくれないんです。またEUから離脱したこともあって、政府が囲い込みをした関係でイギリス人以外はあまり優遇されず、新卒という概念もないので、中途と新卒が同じ土俵で戦わなければならず、イギリスの就職はあまり現実的ではないと思いました。
そもそもなぜ自分がプロダクトに興味を持ったかというのを振り返ってみると、日本の伝統工芸やものづくりに興味を持ったから。イギリスで学んだ発想力×日本の伝統的な技術をかけ合わせたプロダクトデザイナーがいたら面白いだろうなと思い、日本企業への就職を決めました。

とはいったものの、就活は難航。まず新卒枠でデザイナーの募集がなかなか見つからず、インターンのポートフォリオ選考はほぼ落選。デザイナーとしてやっていけるか悩んでたんです。
そんな中、オファーをいただいた企業が土屋鞄でした。土屋鞄はポートフォリオを提出後、必ず面接の機会が与えられていたので、デザインのコンセプトやプロセス、自身の人となりを口頭でしっかりとアピールすることができ、「論理的にデザインが出来ている」と言っていただけたことがとても印象的で、面白そうな企業だなと思いました。

ポートフォリオについて話す機会も与えられなかった中、自分のイギリスでのデザインの経験を唯一認めてくれたのも、土屋鞄でした。自分のポートフォリオの改善点などについてのアドバイスもいただけたので、有意義な時間となったことを覚えています。

海外の大学にいたからこその自分の強み


大学では課題ごとにプレゼンテーションを英語で行っていますが、5分から10分程度で自分の考えを他の人に伝えることを繰り返します。これが自分自身の考えを整理し、相手にわかりやすく伝えるトレーニングに繋がりました。

また、イギリスでは自分はどんな人間で、どのようなデザイナーになって、世の中をどう変えたいのかということを考える課題もあったので、自己分析をしっかりと行うことができたと思います。よって時間の管理能力、プレゼンテーション力が培えました。

土屋鞄で職人の遊び心をイメージしたコンテンツ「運ぶを楽しむ」がありますが、大学で「アナログ」と「デジタル」をかけ合わせたプロダクトをデザインする課題がありました。私に与えられたのは「ゴミ箱」×「Bluetooth speaker」をかけ合わせた製品をデザインせよ、という課題です。(上記画像参照)
土屋鞄で職人の遊び心をイメージしたコンテンツ【運ぶを楽しむ】の「水切り石」と「鞄」や、「すいか」×「鞄」などの奇をてらった発想と似ているなと感じました。いつか私も面白い企画を考えられたら、と思います。

最後になりますが、伝えたいことは就職活動は精神的にきつかったり、1人で抱え込んでしまったりすることもあると思います。でも、そんな時こそ1人では抱え込まずに誰かに不安や悩みを話してみてください。

私は大学在学中、イギリスにいたので、日本の企業の就職情報などを得ることに苦労しました。また、大学の学部では日本人は自分一人だけだったので、精神的にもきつい時期もありました。でも、周囲に話すことで自分だけでは気づけなかった新しい視点や考え方などを知ることができます。
また、ぜひ根気強く自己分析し、自分がこれまで取り組んできた事と、将来やりたい事を明確にしてみてください。フィットする企業と出会えるチャンスは広がりますよ。

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