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【社長インタビュー】300社支援したベンチャー支援家が自ら起業したワケ

 声と個性が彩る放送局ーVoicyというサービスをご存知でしょうか? 「声と個性の魅力でコンテンツを彩り、新しい文化を創造する」という、 ファンタスティックで大きなビジョンをもってリリースした声に特化した「体温のある情報を届ける」放送局アプリです。

 リリース時のTechCrunchの記事(http://jp.techcrunch.com/2016/09/23/voicy-launches/)


                        (第一回Voicyパーソナリティ感謝祭)

 ほとんどの人は「え、今さらネットラジオ?」って思うかもしれませんが、 元トーマツベンチャーサポートで、自称「日本で最もベンチャー企業を支援してきた公認会計士」が、今さらネットラジオを軸に起業するわけがありません。
では、Voicyは何を目指す会社なのか? Voicyの目指す「もっと声があふれる世界」とは何か? 代表の緒方憲太郎に聞いてみました。


緒方:大阪で公認会計士として働いた後、29歳で思い立って1年間会計士をお休みして、世界一周の旅にでました。 旅の途中、世界各地で様々な経験をして、縁あってニューヨークの4大会計事務所の一つで働くことになりました。当時は全然英語も話せないし、毎日いつクビになってもおかしくないなと思いながら、ただがむしゃらに働いていました。 その後、日本に一時帰国した際に偶然トーマツベンチャーサポートに出会い、その場で入社を決意し飛び込みました。支援家をしているうちにどんどんベンチャー業界にはまっていき、ミイラ取りがミイラになるを地でいく形で、2016年に起業するに至りました。 人生の選択時には「よりオモロイ方」を選ぶようにしてたらこんなことになりました。




ー帰国後はトーマツ ベンチャーサポートで300社以上のベンチャー企業を支援してきた エリート公認会計士が、なぜ今さら声を使った放送局アプリ事業を始めたのでしょうか?


緒方:エリートちゃいますよ!泥臭く毎日5社以上のベンチャー企業と向かい合ってきましたよ。支援家としてベンチャー企業をまわっているときから、常にいくつかの事業のコンセプトは持っていました。毎日様々な会社を見ながら事業について考えた中で、最後に残ったのが声を使った事業「Voicy」です。
近年声の産業は縮小してきましたが、声はこれから来ると思っています。目を使わない情報収集、感情伝達、個性の表現も含めて、大きなポテンシャルを持っていると確信しています。しかし、まだ世界で誰も成功してないジャンルの事業なので、参考にできる事業も無い中、自分たちの力でで未来を切り開いていく必要があります。
さらに、Voicyは「声の放送局」だけの会社では終わりません。 放送局アプリのリリースからのスタートとなりましたが、これから第2弾、第3弾と声を使った新しい事業を世の中に出していきたいと考えています。




 最初に放送局アプリをリリースしたことには、いくつか理由がありまして、1つは、声のプレーヤーがもっと活躍でき、声優やアナウンサーがアサインされなくても自分たちで活躍できる場所を作り、さらに素人も含めて、色んな人の声が身近に溢れる新しい文化を提案したかったからです。 もう1つは、新しいメディアのカタチを作りたかったからです。今までコンテンツのネタを作る人と表現する人が同じでした。そこを分離させられないかな?と思いました。 表現する人の力をもっと自由にメディアに載せて、表現力豊かな体温のある情報を届けられるよう、記事を作る活字メディアとそれを自由に表現して読むパーソナリティが合体した新しいメディアのカタチ「Voicy」を作りました。


 さらに、最近のメディアに対する危機感を覚えていたこともあります。 昔のメディアには、人生を変える文化的な魅力と影響力がありました。 しかし今は、「伝えたいメッセージをちゃんと持っているメディア」がある一方、「広告収入を得るためだけにマーケティングを目的としたメディア」がコンテンツの良し悪しに関係なく、社会にインパクトを与えているように思います。
 伝えたいメッセージがあって、しっかりした取材に基づいたプロのライターが書くこだわりのコンテンツに、個性豊かな声で表現を加えることで、人間性豊かなメディアを作り、さらに魅力的に人々に届ける挑戦がしたい。 もっと純粋に良いコンテンツに気付いてもらえる世の中にしたいと考えています。


          (オフィスにはパーソナリティなどのユーザーさんがよく遊びに来ます)


ー今までもネットラジオやツイキャスといった「声」を扱ったメディアがありますが、 「声」を扱う事業にこだわった理由はなんでしょう。


緒方:父がアナウンサーで関西で有名な「MBSヤングタウン」という番組の初代パーソナリティをしていました。父親の番組を録音したテープが家にたくさんあったり、母がよく読み聞かせをしてくれたりと、幼少期から声を意識する機会が多かったことがあります。あと、亡くなった祖母の声の入っている古い留守番電話機が家の納戸にまだ残っていたり、声でその人を感じることを大事にしていた家庭で育ったことが影響しているかもしれません。


 声って「その人の存在を感じさせる最小単位」なのではないかと考えています。 うまく話すことができなくても、その人の声を感じることで、より気持ちが伝わると思うのは私だけではないはずです。「この人を感じたい」と願うとき、人は「声」に想いを馳せるのではないでしょうか。 「声」の伝達性という機能的な面だけじゃなく、感情や存在を届ける人間性の部分をもっと形にしてみたい、そんな新しい文化を作ってみたい。 そういった気持ちから、Voicyは始まりました。
 それと、私自身も人に「いい声だね」と言われることがあって、単純に褒められることが嬉しくて、声を褒められる喜びを他の人にも気付いてもらいたい、そして声で活躍する人がもっと増える社会を作りたいと思いました。


ーよく海外で売れたビジネスを日本に輸入するいわゆる『タイムマシーン経営』のベンチャー企業が多いですが、Voicyのサービスはどこかで既にあったり、参考にしてる事業はあるんですか?


緒方:それが無いので困ってるんです(笑)思いついて作ってみたものの、調べても類似サービスは無いし、投資家にも類似サービスが無い点を不安がられます。やっぱり成功してる見本がある方が安心するみたいです。誰もやってない分ホント大変なんですが、youtubeやラジオ、webメディアなど様々なビジネスを参考にひらめきを融合して事業を組み立てています。世界で誰もやってない事業作るって面白いですよ!



ーVoicyをどんな会社にしていきたいですか? また、Voicyの考える「声のイノベーション」について教えてください。


緒方:Voicyを通じて「声が彩る新しい文化」を創っていきたいと考えています。 その為にも、まだ世の中に出てない新しい声の楽しみ方を届けたいですね。 まだ詳しくはお伝えできませんが、声に関わる新しいサービスをどんどん世の中に提供していき、声の可能性を広げる文化を創っていきます。
これまで支援家として数多くのベンチャー企業を支援しながら、多種多様な事業を見てきたおかげで、いろんなパターンの成功・失敗事例、事業モデルを知っています。可能性のあるものを、片っ端から融合して挑戦してみます。一見すると価値の無いように見えるマーケットに対しても、視点を変えると見える世界があります。まずは自分たちが今見えている世界を具現化していきます。



ー最後にVoicyに興味を持つ方に向けてメッセージをどうぞ


緒方:Voicyは、まだ世の中にない文化を創造する会社です。人々の生活にハッピーな変化を与えたいと思っています。仲間も会社も、常に成長を楽しみ、挑戦を楽しむ、ちょっとおバカで真剣な、部活みたいな組織にしていきたいと考えています。みんなで新しい価値に挑戦し、自分達が最高に楽しめる会社を一緒に作れる方を待っています。

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