クロスビットのVision、『はたらく』先の“最高”とは、誰が、どこで、どのように創り上げていくのか。 その答えを探すため、『「はたらく」の最高を、ここから。」 - 異才たちのキャリア未来図』では、株式会社クロスビット(以下、クロスビット)を動かす「異才」たちに光を当てます。
第3回は、VP of Engineeringを務める山田 大樹。大手Web企業からスタートアップまで、多様な環境でエンジニアリング組織を率いてきた「異才」です。アジャイルやコーチングにも精通する彼がクロスビットに見た「合理性」と、エンジニアリング組織と共に描く「キャリア未来図」とは——。
目次
合理性を求め続けたキャリア
100年先を見る「二つの合理性」
「労働は苦役なんかじゃない」
エンジニア組織が持つ「実直な価値観」
「作り込み」から「探求」へ
魅力、そして未来の仲間へ
合理性を求め続けたキャリア
—— 山田さんは非常に多様なキャリアを歩まれています。クロスビットに至るまでの経緯と、入社の決め手を教えてください。
僕は第二新卒でWeb業界に入りました。新卒は地元の自動車開発会社でしたが、リーマンショックで仕事がなくなり上京したんです。当時は本当に求人がありませんでした。「経験者募集」のところに未経験で応募し、受託事業のサーバーサイドエンジニアとしてキャリアをスタートさせました。そこから約9年、「起きている時間は仕事してるか勉強してるか」という20代でしたね。
ただ、その会社でチームリーダーや部長なども経験させてもらいましたが、次第に「自分はベンチャーの中の蛙なんじゃないか」「外でどれぐらいやれるんだろう」と試したくなりました。そこで株式会社カカクコムに転職し、「食べログ」のエンジニアリングマネージャー(EM)を経験しました。
—— 大企業を経験し、そこからなぜ再びスタートアップへ?
食べログでは、部長職もやりつつ新規事業の開発責任者も任せていただきました。優秀な方が多かったですし、大きなサービスを作るのも楽しかったですが、それ以上に新しく事業や組織を創っていくことがすごく楽しいと感じ、スタートアップで働きたいと思うようになったんです。
そこで、受託時代に協業した方がずっと誘ってくださっていたスタートアップ企業に転職しました。創業者のカラーが非常に強く反映された独特で面白い会社で、本当にたくさんの苦楽がありましたが、最終的にはエンジニアもPdMも含めた開発組織全体のマネージャを任せていただきました。
100年先を見る「二つの合理性」
—— そこからクロスビットへ移られた決め手は何だったのでしょうか。
前職のスタートアップで後任のマネージャーが育ってきたタイミングもあり、外の環境を考え始めました。
前職では、文化や戦略に強い方針があったこともあり、「今自分が解こうとしてるこの課題、他社でも出会うか?」と、この環境固有の課題が多いのではないかとモヤモヤしていました。40代を前にもう一度思い切り挑戦したいと思ったとき、より再現性があるような課題に向き合い経験を積みたいと思いました。
その点、結果的に決め手のひとつになりましたが、クロスビットは代表の小久保がすごくフラットでロジカルでした。選考過程でその思考や組織の文化、事業戦略における合理性を十分感じられましたし、入社後も「それって山田さんがやらなくていいんだったら、やらないでください。時間がもったいないので」と言われるような環境で、入社後のギャップはほとんどありませんでした。
—— 入社後の「合理性」にギャップがなかったのは素晴らしいですね。
はい。加えて、CTOのAmolが当時はほぼ一人で取り組んでいたマネジメントを、僕に協力してほしい・任せたいと本気で判断してくださったのが伝わったのも決め手になりました。
事業・組織のフェーズ的に必要に迫られている前提はあったと思いますが、それでも外からマネージャを迎え入れるのは一定のリスクが伴う。スタートアップにしばしば見られる雑な採用を行なうでもなく、組織の成長のために合理的にリスクを取り、自分を迎え入れてくれたと思っています。
なので、都合が良いかもしれませんが、ここまで事業や組織を牽引してきた方々の尊重と支援と、自分がジョインしたことで変化を持ち込むことの両面を考え続けてきました。
「労働は苦役なんかじゃない」
—— 山田さんは「労働は苦役なんかじゃない」という言葉を大事にされています。これはどのようなきっかけで生まれたのですか?
振り返ると「気づいたら言っていた」という認識です。もちろん時代もありますが、働くことをつらく思っている人やメンタルダウンする人を、20代からマネージャをしてきた中で結果的にたくさん見てきました。そういう人の力になれない悔しさをずっと感じていたんです。
もう一つは妻の存在です。コロナ前はリモートワークもなく、子供を迎えに行くために自腹でタクシーに乗って帰宅するような状況だったんです。「仕事するためにお金払ってるじゃん」と。こんなのおかしくないか?という疑問がずっとありました。
この現代において、社会がこれだけ成熟しているのに「働くことがこんなに大変なのって、なんかおかしくない?」と、何の根拠もなく……でも素朴に思い続けてきました。
また、別の観点ですが、長く読まれている書籍を色々と手に取ったとき、事業論でも組織論でも自己啓発でも、卓越した偉大な事業・組織において、「労働は苦役だ」「こき使え」 と言っているものってほとんど見たことがない。
それらに倣って組織をマネジメントして事業にコミットしていくにはどうすればいいかと考えたとき、結局は “人やチームと向き合い、その人のWillと事業をきちんと結びつけていく” ことが不可欠だと考えるようになりました。
これは精神論ではなくて、僕なんかより100倍頭の良い人たちが過去の研究や成功事例を通して証明してきた合理的なロジックだと思っています。
僕はコーチングを学ぶなど人に向き合うことが控えめに言って大好きですが、それは単に「人を守りたい」とか「嫌われたくない」ではなく、合理的なアプローチに沿っているつもりなんです。偉大な企業の労働は苦役なんかじゃないはずだと。
—— その一方で、社内では「仕事は憂鬱なもの」ともおっしゃっています。「苦役」とはどう違うのでしょうか。
僕の仕事観として、仕事は大小あれど「課題を解いて価値を生む」もので、そもそも大変でうまくいかないものだと思っています。そして、憂鬱さがあるからこそ価値が生まれ、自分の成長や仕事に対する矜持(きょうじ)が生まれるのではないかと。
この「憂鬱」と意に反して強いられる「苦役」は根本的に異なる解釈です。僕もEMやVPという役割を10年以上、未だに悩み苦しみながらやっています。でも、それは「苦役」だとは決して思っていません。
—— その信念は、クロスビットが向き合うホスピタリティ業界(飲食・アパレル・ホテル等)の課題とも強く結びつきますね。
そうですね。前職もアパレル向けのサービスでしたし、食べログでの経験も大きいです。ホワイトワーカー向けのサービスよりも、DXが遅れていたり、人材確保・定着に課題を抱えていたりする業界への価値提供に、僕はやりがいを感じています。
エンジニア組織が持つ「実直な価値観」
—— VPとして、現在のクロスビットのエンジニア組織をどう見ていますか?
入社した時、クロスビットのエンジニア組織には二つの強い価値観・特徴を感じました。
一つは、顧客の困り事を自分たちのプロダクトで解くことへの情熱です。例えば、「友達や家族も使うようなToCのサービスを作りたい」とおっしゃる方も少なくないと思いますが、クロスビットの人たちは自分たちが向き合っている顧客の困り事・課題を自分たちのプロダクトで解く・改善するということに、すごく一生懸命になれる人たちだなと。
もう一つが、自分たちのプロダクトやシステムを丁寧に品質高く作り込む意思と文化があり、実際にそれができていること。この規模のプロダクトであれば、技術負債が溜まっていたりインフラコストが高くなっていたり、システム課題がもっと大きいのではないかというポジティブなギャップがありました。
「作り込み」から「探求」へ
—— 素晴らしい文化ですね。
はい。ただ、僕はこの強みだけでは「足りない」、あるいは変革が必要な時期に来ているとも感じています。具体的には、不確実性が高い新しい価値探索への挑戦、そこへ向き合う姿勢を組織として強めていかなければならない、という危機感です。
背景には、大きく三つの環境変化があります。
第一に、スタートアップやSaaSの世界が既に飽和傾向にあることです。競争環境が成熟し差別化が非常に難しくなっています。じっくりと良いものを考えて作り込んでも、正直それだけで勝ち筋を作るのは難しい。つまり、アイデアを練り上げることや、システムを完璧に作り込むこと自体の価値が、相対的に下がっていると認識しています。
第二に、生成AIの急速な発達です。これにより、プロダクト開発のあり方、いわばゲームのルール自体が変わりつつあります。
そして第三に、クロスビットの事業フェーズです。おかげさまで「らくしふ」は一定のご支持をいただき成長してきましたが、どんなスタートアップも、次の、さらにその次の新しい価値を積み上げていかなければ持続的な成長はありません。クロスビットもまさにそんなフェーズを迎えています。
—— 具体的にはどのような変化が必要なんでしょうか。
私たちエンジニアやものづくりに携わる人間は、どうしても目の前にあるアイデアや要件、設計・コードといった「認知できるもの」の完成度を重要視してしまいます。
しかし、モノ自体の完成度を高める価値よりも、「そもそも競合よりも早く市場に届けるスピード」や、「本当にそれが顧客の役に立つのかを検証し続けるプロセス」が決定的に重要になりました。この「検証が遅いこと、できていないことのリスク」は、目の前のタスクや成果物の品質とは異なり、認知しづらいことが多い。
今の時代は、この認知しづらいリスクやビハインドが、事業の成否に直結します。だからこそ、新しい事業やサービス、機能を早く創出することに強い熱量を持てる人を組織に迎え入れたいのです。
「どんな人が一番欲しいですか」と聞かれると、言葉を選ぶ必要がありますが、モノの作り込みにこだわるクラフトマンシップ以上に、「素早く作り、時にはそれを壊してでも『本当に役立つものは何か』を探求し続けられる人」です。それが、今まさに変革のために求められる資質だと考えています。
もちろん、システムの安定性や信頼性、開発者体験を維持・向上させるといった、従来のエンジニアリングの役割、そうしたクラフトマンシップが持つ普遍的な価値も、引き続き非常に重要です。
私が考えているのは、AIが「作る」部分を効率化するほど、エンジニアリングとそれ以外の領域の境界が曖昧になっていくということです。今後は、例えばプロダクトマネージャーやカスタマーサクセスが担っていた役割の一部——顧客の課題をより深く理解し、何を解くべきかを定義する領域へ、エンジニアが越境していく。それが、これから私たちが起こしていくべき組織の変化のひとつだと考えています。
つまり、ソフトウェアエンジニアの仕事はあらゆる職種に越境する方向に変わっていく。その点で言えば、クロスビットでは非常に「モダンな」エンジニアとしての経験が積めるのではないかと思っています。
魅力、そして未来の仲間へ
—— 最後に、クロスビットで働く魅力と、これから仲間になる方に求める資質を教えてください。
魅力は三つあります。
一つは、向き合っている課題の社会貢献性が高い点です。例えば、15年後には労働力人口が約20%も減ると言われています。自分の子供たちが大人になる頃、「働く」ことが今よりもっと大変な、まさに「苦役」になってしまうのではないかという漠然とした心配があります。僕たちの仕事は、そうした未来の社会課題に対する直接的なアプローチであり、未来への貢献だと感じています。
二つ目は、会社全体が「職人」のように実直に顧客課題に向き合う文化がある点。私たちは流行り廃りや短期的な見栄えを追うのではなく、顧客が本当に困っていることは何かを深く掘り下げ、本質的な解決策を愚直に追求します。派手さはありませんが、純粋に価値提供に集中できる働きやすい環境だと感じています。
三つ目は、客観性・合理性が高いスタートアップである点です。もちろんフェーズとしてハードシングスは多いですが、それが理不尽さや非合理な精神論に起因するものではありません。代表の小久保をはじめ、組織全体がロジカルで、再現性のある課題に集中できる環境があります。だからこそ、困難な課題を乗り越えるプロセスで得られる「経験報酬」は多いと感じます。
求めるのは、「モノの作り込み」に留まらず、新しい価値を「探求」できる方。そして『はたらく』先の“最高”というVisionへの熱意を持ち、日々の努力を厭わない方と、一緒に未来を創っていきたいですね。
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クロスビットの中にいる異才たちの挑戦は、まだ始まったばかりです。この記事を読んで、少しでも心が動いたなら、ぜひ話を聞きに来てください。『はたらく』先の“最高”を、ここから創り上げていく仲間を、私たちは待っています。
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