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リモートでの社内コミュニケーション不足を「ラジオ」で解決? | 「ヤッホー!」から始まるYAMABIKO RADIOはじめました


こんにちは、YAMAPアプリを開発しているエンジニアのたぶちです。

ちょっと大事な話がありますので、ソーシャルディスタンスを保ちつつ近くにお集まりください。

・・・はい、ありがとうございます。

えー突然ではございますが、弊社ヤマップでは2021年3月から・・・

(良い声で)社内ラジオを開始しましたことをご報告いたします。

温かい拍手ありがとうございます。どうぞお座りください。

というわけで今回はヤマップが社内ラジオを始めた経緯と実際に3ヶ月ほどやってみた結果をお伝えします。合わせて「試しにやってみたい」と思っていただけた企業の方向けに弊社での社内ラジオ運営のポイントもお伝えしますので、しばしお付き合いいただけますと幸いです。

突然のリモートワークで発生した課題

社内ラジオを導入した経緯からお話します。ずばり新型コロナウイルスの影響です。

対面のコミュニケーションを大事にしていたヤマップでしたが、新型コロナが流行し始めた2020年4月頃からリモートワークを余儀なくされました。それにより徐々に「社内コミュニケーション不足」が発生します。

多くの企業でも同様の課題に心当たりがあるかと思いますが、例をあげると、

・顔を合わせないので雑談がなくなり、肩の力を抜いた気軽な話ができない。
・新入社員さんが入社しても、人となりが全然分からない、交流するきっかけがない。
・退職するメンバーに最後に旅立ちを後押しするような機会がない。
・以前の明るい社内の雰囲気がほんの少し暗くなった(ように感じた)。

などです。

「イェーイッ!会社に行かずにおうちで仕事ができるぅーッ!フッフー!」

と内心ほんのちょっと、ほんの少しだけそんな思いが脳裏をよぎったあの時のお気楽な自分に「歯ぁ食いしばれ」と拳を振り上げたい。今はそんな思いです。

コロナの収束が見えない中で上記の課題が顕在化しはじめ、「どうにかできないかな」と悶々と考えた末に「・・・あ、きた!降りた!降りてきた!!」と思いついたのが社内ラジオでした。

明るく楽しい社内ラジオを業務中にお送りすることで、

・仕事をしながらもリラックスした雑談モードになれる時間ができるかも。
・新入社員さんをゲストに迎えれば、どんな人かをみんなに伝えられるかも。
・退職するメンバーとも最後に楽しい思い出話ができるかも。
・ラジオをきっかけに新たな交流が生まれるかも。
・そうして社内の雰囲気が今より明るくなるかも!

とご覧の通りポジティブな仮説しか思いつきません。
少なくとも今より良くなりそうな予感。これはやるしかない。

さっそく社内にアイデアを共有したところ、スタッフのみなさんも社内コミュニケーション不足の課題を感じていたのでしょう、ポジティブな反応を多くもらいました。


そんなポジティブなリアクションに後押しされる形で2021年3月、登山にちなんで「YAMABIKO RADIO(ヤマビコ ラジオ)」と名付けられた社内ラジオがめでたく誕生しました。


(デザイナーさんがロゴも作ってくれました!)

実際効果はあったの?

アイデアは良さそうですが、気になるのは実際に効果はあるのか、ですよね。そこは直接聞いてみるのが一番、ということで15回ほどラジオを実施したあと、聞き手のみなさんにアンケートをとってみました。その結果をお伝えします。

まず「社内ラジオのいいところをおしえてください」という設問の回答を要約したものがこちらです。

・ほど良いゆるさがあり気楽に聞ける。耳だけ参加でも楽しめる。
・リモート下でなかなか交流できないゲストの知らなかった一面や普段聞けないようなことを知ることができる。聴く前よりその人のことをより好きになれる。
・普段会えないメンバーの声を聞けるってなんか安心する。
・新入社員の人となりが分かり有難い。無いと困る。
・見事な企業文化だと思っています。うち会社は社内ラジオもあるよ!って自慢しています 笑
・リスナーたちもチャットでコミュニケーション出来る
・リモートワークのオアシス

「気楽に聞ける」、「普段関わりがないメンバーの一面を知れる」など当初意図した通りの反応をいただけています。嬉しいことに企業文化として認めていただいてたり、オアシスだと感じている方もいるようです。

続いて「ぶっちゃけラジオ続けてほしいですか?」という設問の回答がこちらです。

やや「言わせた感」があるのは否めませんが、継続希望が驚異の100%という結果になりました。

これらの結果を踏まえて、いかがでしょうか?

ある程度「社内コミュニケーション不足」の解決策として社内ラジオには一定の効果があると言えそうです。

では、ここからは実際の運営についてご紹介します。

ここまで読んで「ちょっと試してみようかな」と興味を持っていただけた企業のみなさんの背中を押すような参考情報になれば幸いです。

ラジオ運営は大変なの?

前置きになりますが体制や使用ツールなどの運営面については現在進行系で試行錯誤中です。あくまで15回ほど実施した放送の中で、ある程度できてきた型として参考にしていただけたらと思います。

さて、まず気になるのは「ぶっちゃけ運営って大変なのか?」という点かと思いますが、回答としては「そんなに大変じゃない」です。

詳しくお伝えする前にすごく短く要約すると「2,3人運営メンバーがいて、社内にZOOMが浸透していれば週イチで社内ラジオは導入可能」です。
OKよく分かったぜという方はこのセクションは読み飛ばしても大丈夫です。

まず放送日は毎週月曜日です。週イチですね。月曜のお昼どきに30分間実施します。平日のはじまりで憂鬱な気分になりがちな月曜日に少しでも楽しい時間を作れたら良いなという理由で月曜日にしています。体感ですが、通常業務への影響を最小限にする、という意味では週イチは頻度としてちょうど良いと感じます。

運営メンバーは現在3人です。ラジオ本番ではメインMC1名+サポートMC1名+社内広報やチャットの盛り上げ役1名(とゲストさん)という体制をとっています。盛り上げ役はいるとベターですがいなくても大丈夫です。

ラジオの放送に使用するツールはみなさんご存知のZOOMです。チャットツールの Discord や oVice などを試してみましたが、結果的にはZOOMを採用しました。選定理由としては「聞き逃し配信用の録音が簡単にできる」のと「すでに社内に浸透している」ためです。

特に「すでに社内に浸透しているツールを使う」というのは参加ハードルを下げる上で非常に重要だと感じました。おもしろいかどうかも分からないラジオを聞くために使ったこともないツールを導入する、この心理的ハードル(=めんどくささ)は思っている以上に厄介です。ラジオに特化した音声配信ツールのほうができることは広がるのかも知れませんが、私達はそれよりもノンストレスで聞ける状態にすることを優先しました。

ちなみにZOOMでラジオ用のスケジュールを作成する際の設定はこんな感じです。

ラジオなので全員のビデオをオフにするのは当然として、おすすめは「詳細オプション」の「エントリー時に参加者をミュート」と「自動レコーディング」をオンにすることです。

これにより、リスナーさんが自分のマイクがONになっていることに気づかず「今日の昼ごはんはパスタにしよ。ぐるぐるに巻いたろ」といった独り言がラジオでON AIRされる悲劇の心配はなくなりますし、MCとしても爆笑をさらった神回が実は録音されていないことに終わったあと気づくなんて心配もなくなります。不幸を減らすのもMCのつとめですね。ちなみに爆笑をさらったことはまだないです。予定もないです。

次に本番前に事前に行う毎週のルーティンワークについてです。ヤマップでは最近新入社員さんを多く迎えていますので、新入社員さんをゲストに呼んで人となりを知る回をベースにしています。その事前準備としては、

・ゲストさんへの出演を依頼する
・社内に告知する(前日と直前にSlackでお知らせ)
・本番どんな話をするかリストアップする
・直前に軽く打ち合わせをする

の4つだけです。

どんな話をするかは毎回悩みますが、入社時に新入社員さんが投稿する「自己紹介記事」から組み立てます。組み立てた内容を元に本番直前にゲストさんを交えて軽く打ち合わせをしてみてネタの感触を確かめて本番に望みます。

本番の流れはだいたいテンプレ化してきていまして、新入社員紹介回の場合は、

・ジングルを流す。
・「ヤッホー!」というお決まりの挨拶でMCが軽めのトーク。
・ゲストさん登場前にゲストさんの思い出の音楽を流す。
・ゲストさん登場!メインの会話をする(根掘り葉掘りお伺いする)。
・最後に一言メッセージをもらってフィナーレ。

といった流れです。

ここで忘れてはいけない重要な要素が「ジングル」です。ラジオがはじまるときの短いオープニングミュージックですね。これがあると「ラジオっぽさ」がぐんと増すのでかなりおすすめです。

幸い弊社には土岐という音楽を作るのを趣味としているプロダクトマネージャーがおります。「ゴルジェ」というジャンルの岩っぽい音楽を hanali という名義で発信しているらしく、たまに海外からリリースしたりしていて何かと謎です。

この土岐が、まるで「ガム食べる?」くらいの感じで「ジングルできたよ」と高品質ジングル音源を作成してくれましたのでご清聴ください。(リンクを開くと音が鳴ります)

https://soundcloud.com/hanali/yamap-yamabiko-radio-jingle

・・・やばくないですか?(語彙力)

このジングルの納品によりMC陣の「これのあとに下手な話はできない・・・!」と心理的プレッシャーが爆上がりしたことは想像に難くないと思います。そんな話し手側のプレッシャーは置いておいて、聞き手側にとってはジングルは気持ちの切り替えタイミングとしてしっかりと機能としていると感じます。

と、ここまでが運営面の内容になります。総じて社内ラジオ導入の運営的なハードルは決して高くないかなと思っていただけたのではないかなと思います。

2022年2月追記:
現在も基本的に上記の運用でラジオを継続しています。ジングルは数ヶ月に一度くらいのペースで新しいものに変えると新鮮味が蘇るのでおすすめです。

社内ラジオを成功させるためのコツ

では最後に社内ラジオを3ヶ月間運営してみて得た学びを生意気にも「成功のためのアドバイス」として一気にご紹介させてください。まだまだ試行錯誤を続けている段階なので成功と言っていいのか微妙なところではありますが、先人の知恵として参考になればと思います。

・参加者を巻き込むといい意味で内輪感がでる!
→ YAMABIKO RADIO というタイトルなので挨拶は「ヤッホー」にしていて、ももいろクローバーZのファンを「もののふ」と呼ぶように聞き手のみなさんを「山々」と呼ぶようにしました。(「田中さん」は「田中山」でもあるという謎のロジック)これにより「山々のみなさん、ヤッホー!」でラジオがはじまり、それに対し山々のみなさんがチャットで「ヤッホー」と返してくれるインタラクティブなコミュニケーションが生まれました。

・ゲストの思い出の曲を流すのおすすめ!
→ 音楽が流れるとラジオっぽさがぐんと増します。弊社ではゲストさんが登場する際の入場曲的な役割でも使用しています。あと選曲理由についても話ができます。いいことずくめ。

・どんどん色んな人を巻き込む!
→ 今まで聞いたことがなかった人も、ゲストとして出演したことをきっかけに毎回聞いてくれるようになります。固定メンバーではマンネリ化を招くのでどんどん新しい人に出演してもらいましょう!

・聞き手にアンケートを取る!
→ 定期的にアンケートをとって、満足している点や不満な点を聞きます。面白い企画のアイデアが出てくることもありますし、不満を改善すれば満足度があがります。

・回を重ねると急に参加者が減ることがある!(涙)
→ 「ここらが潮時か・・・」と心を折られてはいけません。そんなときはマンネリ打破としてスパイス的に全く違った趣向の企画でラジオを実施することで復活します。

・録音してアーカイブにする!
→ 改善の一環で行ったのですが、好評です。聞き逃し配信用に毎回録音して Google ドライブなどにアップするようにしましょう。ZOOMだと録音がめちゃ楽です。

・カレンダーに追加する!
→ 全社的に閲覧できるスケジュールカレンダーがあれば、そこにラジオの予定やZOOMのURLを登録するようにして参加のハードルを下げましょう。他の予定を入れづらくさせる効果も。

・MCの人は録音を聞き直す!
→ 当然素人ですから、MCの人は自分の回を聞き直して振り返りましょう。最初は自分の声の気持ち悪さに胃がキュッとなりますが、慣れます。聞き手として気になる言動(例:"えっと"が多いなど)はなるべく改善したいところ。

・改善を続ける!
→ 業務としては見るとラジオは参加の強制力がない以上、聞いてもらえるよう聞き続けてもらえるようどんどん快適にする努力を続ける必要があります。先ほど紹介した思い出の曲や聞き逃し配信も改善の中で生まれました。

・どうやって聞き手を増やしたら良いですか?
→ 永遠の課題です。こっちが聞きたいです。

以上になります。

最後に

というわけで今回は「社内コミュニケーション不足の改善に社内ラジオはオススメですよ」という話をさせていただきました。

弊社の運営方法が正解だとは思っていません。ただこの記事をきっかけに、色んな企業さんが社内ラジオを取り入れて、企業間でノウハウの共有ができると面白いですし、企業間連携が進めば、お互いのラジオにスペシャルゲストとして参加しあうみたいな会社の垣根を超えた取り組みができたりするのでは?そうなるともっともっと面白くなりそうだなと思い、今回この記事公開しました。

やってみたい・やってみたというご報告ウェルカムなのでお気軽にご連絡ください。

また、ヤマップでは絶賛採用を行っています。もしリモートでのコミュニケーションに懸念を感じつつも転職をお考えの方がいましたら、ヤマップはこんな取り組みをしてますよと知っていただけたら幸いです。

入社した際はラジオで気楽に話しましょう。

(※ この記事は 2021年7月 に note に投稿した記事を元に加筆・編集した記事です。)

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