株式会社mgram / エンジニア
ABテストを用いた課金率の改善
性格診断の有料レポートの課金率をGoogleオプティマイズ等のツールを利用して改善しました。ABテストを行うにあたり特に考えたことは以下の通りです。 ①何のためにやるのか ②ユーザーに対してどのような効果を与えられるか ③効果的な検証ができるか 第一に目的が明瞭でない実装はやらない方が良いと考えています。理由は時間やお金などのリソースが無駄になるからです。たとえ、不明瞭な目的を達成できたとしても何故達成できたのか、次にやるべきことは何かなどの洗い出しが困難になる可能性が大いにあります。その実装をしなければ他の実装できたよね?と成長機会の損失につながることもあります。 反対に目的がはっきりしていれば、目的を達成するために何をすべきか、何のデータを取れば良いのかを論理的に組み立てて考えることができます。 次にユーザーに対してどのような効果を与えられるかを考えます。性格診断はtoC向けのサービスでありユーザーのリアクションは重要です。ユーザーに利益を与えつつどのようにして自社の目的を達成するか。これが非常に難しいと実装を通して感じました。 課金率の改善を行うにあたって、まずパッと思いつくのは課金導線を増やすこと。購入ボタンを増やしたり、バナーやモーダルで購入を促す。しかし、この場合はユーザー側に課金してくれと言わんばかりの圧で煩わしさを感じさせてしまう恐れがあります。 そこでどのような時にユーザーが課金してくれるのかの仮説を立てる必要があります。課金前のコンテンツに満足した、知り合いが有料レポートを買っていて興味が湧いた、価格が適正だった等考えられる理由は幾つもあります。 そうした仮説をもとに検証し、データを集めます。さらに集めたデータを元に仮説を立て検証していきます。データというのは課金数や購入ボタンクリック数などの直接的に課金率に関わるものだけでなく、ページ訪問者数や訪問時間、離脱率、デバイス、ユーザーの属性(年齢、性別等)を指します。 ユーザーに使いやすくて満足できるプロダクトを提供するのはプロダクトを作る側の使命だと考えています。 最後に効果的な検証ができるかを考えます。効果的な検証というのは計画、行動、評価、改善に一貫性があり目的を達成するにあたって不十分はないかということです。 では効果的な検証をするために何をするべきなのか。 計画は実装の概要と何をするか(what)、なぜするか(why)、どのようにするか(how)と工数、期待効果(例:課金率プラス10%など)を洗い出します。この時KPIツリーなどを用いることで精度の高い計画を練ることができます。 行動では計画を元にコードを書きます。この時、今後も効率的に検証できるような設計も考えます。UIの一部を何度も検証したいのならパーシャルに切り出したりして管理しやすくするなど。 評価はいわゆる振り返りです。行動を通して得られたデータを元に仮説が妥当であったか、目的は達成できたかをまとめます。 改善は評価でまとめた結果を元に新しい計画を生み出すフェーズです。改善というのは一回きりのものではなく継続的に取り組むものなので、今までの計画、行動、評価の見直しも含めて特にパワーを割くべきだと考えています。 本当は実装をする上で考慮すべき点はもっと多く、詳細なのですが書ききれないのでここまでとさせていただきます。現在、エンジニアとして業務に関わっていますが企画やUIデザインなども少しばかり経験させていただきました。ドメインへの理解や他業種との繋がりを大切にしていきたいと思っている為、自分が大学生という立場ながら実際に企画やUIデザインに触れることができたのは貴重な経験だと思います。