京都大学 / 農学研究科森林科学専攻
Development of Lightweight and Stable Guitar Necks using CFRP-Reinforced Noto Hiba
近年、ギター製造分野では、持続可能な木材利用や演奏性向上への関心が高まっており、従来使用されてきた熱帯木材に代わる新しい材料や構造設計が求められています。特にギターネックは、演奏時に常に弦張力を受け続ける重要な構造部材であり、曲げ変形やねじれ変形、湿度変化による寸法変化などが演奏性や耐久性に大きな影響を与えます。そのため、軽量性と高い構造安定性を両立したネック構造の開発は、現在の楽器製造における重要な課題 の一つとなっています。 本研究では、日本産木材である能登ヒバに着目しました。能登ヒバは比較的軽量で加工性に優れていますが、ギターネック材として使用する場合には剛性や長期安定性に課題があります。そこで本研究では、CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics:炭素繊維強化プラスチック)による補強を組み合わせることで、軽量性を維持しながら曲げ剛性およびねじり剛性を向上させた新しいギターネック構造の開発を目的としています。 現在のギターネック研究では、主に弦張力による曲げ変形(bending)を対象とした研究が多く行われています。しかし、実際のギターでは低音弦側と高音弦側で弦張力が異なるため、ネックには曲げ変形だけでなく、ねじり変形(twisting)も同時に発生しています。特に長期使用時のねじれ変形は演奏性や弦高バランスに大きな影響を与える可能性があるため、本研究では従来の曲げ特性評価に加え、ねじり変形挙動についても重点的に分析を行うことを目的としています。 また、単なる強度向上だけではなく、FFT解析を用いて振動特性を評価することで、CFRP補強形状がギターネックの音響特性や振動応答へ与える影響についても検討することを目的としています。