南山大学/Nanzan University / 外国語学部ドイツ学科ドイツ社会専攻
卒業論文「東ドイツのデジタルゲームが持つ特異性 ー米国・日本・西ドイツ・ソ連との比較において
(日本語要旨のみ抜粋) 本研究は、 東ドイツとその他諸地域のデジタルゲームを比較し、その特異性を明らかにすることを目的とする。 序論では、上記の目的を述べた上で、西側諸国から米国と日本、東側諸国からソ連をデジタルゲーム史上の重要地域として比較対象に選定する。 また、東西比較のため西ドイツも比較対象に選定する。 第 1 章では、 デジタルゲーム以前のコンピュータ開発に触れた上で米国、日本、西ドイツのデジタルゲーム史について述べる。 米国ではデジタルゲームが誕生、アーケードゲームのほか順調に家庭用ゲームハードが発展するも、1980 年代後半には競合相手のホビーパソコンや日本の家庭用ゲームハードに敗れることになる。 日本では米国で誕生した《PONG》のコピーからアーケードゲームが始まり、 家庭用ゲームは高機能化・高額化により数年間の衰退期を迎えるも、安価な《カセットビジョン》がその状況を切り開いた。 第 2 章では、デジタルゲームが発展した時代のソ連の状況に触れた上で、ソ連で発明されたテトリスがデジタルゲーム史上で大きな存在であり、また時代の流れから日本や米国との共同作業によって世界に羽ばたいたことを述べる。 第 3 章では、デジタルゲームが発展した時代のソ連の状況に触れた上で、東ドイツのコンピュータ利用の状況、東ドイツで作られたデジタルゲームに触れる。 東ドイツでは 1970 年代、コンピュータが大型コンビナートの家庭向けに配給されたほか、学校にコンピュータ室が設置された。 1980 年には家庭用ゲーム《BSS 001》が 500 マルクで発売されたものの高額故にあまり売れず、成功例については 1986 年発売のアーケードゲーム《Poly-Play》を待つことになる。 第 4 章では、第 1~2 章で述べた4か国との比較を通して、東ドイツのデジタルゲームの特異性を明らかにすることを試みる。 日本及び米国との比較においては、日米が 1970~80 年代においてアーケードゲームから家庭用ゲームへと流行が移り発展していったのに対し、東ドイツでは家庭用ゲームからアーケードゲームの順番で世間に登場したこと、そしてカセット交換式の家庭用ゲームが登場しなかったことが明らかとなった。 ソ連との比較では、ソ連でテトリスという世界的に有名なゲームが誕生したのに対し主要なゲームハードは誕生しなかったが、対照的に東ドイツでは主だったゲームが誕生しなかった代わりに家庭用ゲームとアーケードゲームの双方においてハードを開発した事実が明らかとなる。 西ドイツとの比較では、 西ドイツで輸入品の家庭用ゲーム機が販売される中、 東ドイツが国家独自のゲームコンソールを作っていた事実が浮かび上がる。