さがキャンキッズクラブ(在学中)
相模原の子供たちを芸術表現ワークショップのために大学のキャンパスに集う体験型学習会、その名も「サガキャンキッズクラブ」。5人1組(計30人)のグループになって、映像制作、ドラマやダンスを作る。専攻は学習コミュニティデザインで、ワークショップを「他者理解と合意形成のエクササイズ」(2012.苅宿)と位置づけ、コミュニケーション能力を身につけてもらう。「知識獲得による学習」ではなく、遊びのなかでの「経験的学習」によって、他者とともに共感し合うための学習の場となっている。グループになって正解のないミッション(作品制作発表)に向かって体を動かし、アーティストと触れ合い、互いに話し合い、試行錯誤してもらう。正解のない問いを互いに見つけ合い、関わった者みなが納得のいく「納得解」、そして自分の新しい可能性や仲間の個性を発見してもらうという目的で行っていた。スタッフの配置(15人程度)やアーティストとの打ち合わせ、タイムテーブルの作製などプロジェクト全てのマネジメント業務を手掛けていた。会期中(前期、後期)の参加児童及び見学した保護者の満足度は100%となった。 またここでのワークショップにはファシリテーターと呼ばれる「お兄さん・お姉さん」がグループごとに1〜2人付いているのが特徴。子供達のグループ活動を円滑化したり、意見を引き出したりと、子供達の満足度をあげるため、コミュニティでの潤滑油のような役割を果たす。卒業論文では児童とこのファシリテーターとの関係性に着目。他者との関わりや自己表現が苦手で、グループ内で意見を発せずにいた児童も、このファシリテーターを介して、グループでの居場所をみつけ、アイデアを活発に発信するようになるという変化がみられる。子供へのどういった関わり方がが有効なのか、会話分析や動画撮影を基にデータ検証した結果、学部優秀賞を受賞した。なお、120時間の実習と座学を経て、「青山学院大学学校教育法履修証明プログラム修了ワークショップサポーター」を取得。