『働く』論考を上梓しました
「はたらく」という一語の中に、性質のまったく異なる二つの活動が溶けている。 金銭が消えれば止まる活動——労働。金銭が消えても、持ち出してでも続く活動——仕事。二つに優劣はない。ほとんどの人の働きは、両者の混合物であり、混合にも罪はない。 問題はただ一つ。混合の成分が、本人に見えていないことである。 見えていない成分は、本人の知らないところで付け替えられる。対価で清算されるべき労働が「やりがい」の物語で値引かれ、対価と無関係に営まれるべき仕事が「いくらになるのか」という物差しで枯らされていく。誰の悪意も経由せずに。
