Toko Sumiya
東北地方でのインタビュー・フィールドワーク
東日本大震災の被災地でのボランティアに参加し復興支援に興味を持ったことを機に、「ボランティアの意義」をテーマとしたインタビュー調査を宮城県南三陸町で行いました。 東日本大震災が起こった際に日本にいなかったこともあり、私の「被災者」、「被災地」のイメージは思い込みだらけでした。しかし、実際に地元の漁師の方や新聞社の方、商店街で働いている方にインタビューをした結果、驚くような意見が非常に多く、衝撃的でした。 中でも最も印象的だったのは、「やっぱり我々は海が大好きだから今もまだここに住み続けている」という言葉。私の勝手なイメージでは、震災後も被災地に住み続けている人はただただ可哀想な存在で、しょうがないからまだ住んでいるのだろうと考えていたのが、実際にそこで日々生活している人に聞いてみたら全く異なる答えが返ってきたのです。 この経験を機に、私は自らの中の潜む偏見や固定観念が思っている以上に多いかもしれないということに気づかされ、だからこそ実際に自分の足で訪れ、自分の目で見て発見していく必要性を実感しました。現地に訪れ、そこにいる人々と話すことによって、人を自らの偏見を通じてではなく人として見れるように努力を重ねていきたいと思うようになったきっかけです。 この実地調査に対する関心が専攻として文化人類学を選ぶ理由になり、かつ、ジャーナリズムに興味を持つ理由でもあります。