「もっと主体性を持ってほしい。」
「チームをまとめてほしい。」
「やる気を引き出すのが管理者の仕事だ。」
マネジメントという言葉を聞くと、多くの人は「人を動かすこと」だと思っています。
しかし私は、少し違う考えを持っています。
マネジメントとは、人を動かすことではありません。
人が動きやすい環境をつくることです。
人は管理できない
人には、それぞれ考え方があります。
得意なことも違えば、
苦手なことも違う。
経験も違えば、
価値観も違います。
だから管理者が、
「こう動いてほしい。」
と思った通りに人を動かすことはできません。
無理に動かそうとすれば、
指示は増え、
確認は増え、
監視も増えていきます。
そして担当者は、
「自分で考える」よりも、
「怒られないこと」を優先するようになります。
それでは、組織は成長しません。
マネジメントするのは、仕事の流れです
では、何をマネジメントするのでしょうか。
私は、仕事の流れだと考えています。
誰が担当するのか。
いつまでに終わらせるのか。
判断する人は誰なのか。
困ったときは誰へ相談するのか。
情報はどこへ集めるのか。
引き継ぎはどうするのか。
こうした流れが整理されている組織では、
担当者は迷いません。
「次に何をすればいいか。」
が分かるからです。
逆に、
流れが決まっていない組織では、
能力が高い人ほど疲れていきます。
相談が集中し、
判断も集中し、
いつの間にか「あの人しか分からない仕事」が増えていきます。
これは人の問題ではありません。
マネジメントの問題です。
管理者が変えるべきなのは、人ではない
担当者が動かない。
報告が遅い。
連携が悪い。
そんな場面で、
「この人は意識が低い。」
と考えてしまうことがあります。
でも、本当にそうでしょうか。
役割は明確でしたか。
判断基準は共有されていましたか。
相談先は決まっていましたか。
優先順位は伝わっていましたか。
もし、その環境が整っていなければ、
担当者だけの責任とは言えません。
マネジメントとは、
人を変えようとすることではなく、
人が動きやすい環境へ変えることなのです。
イベント運営でも同じです
イベント当日、
スタッフの動きが悪いと感じたとします。
そこで、
「もっと動いてください。」
と言うことは簡単です。
しかし私は、その前に確認します。
今日の役割は共有されているか。
誰が判断するのか決まっているか。
無線の使い方は伝わっているか。
困ったときの相談先は明確か。
優先順位は全員が理解しているか。
これらが曖昧なままでは、
スタッフは動きたくても動けません。
動かないのではなく、
どう動けばいいか分からないだけなのです。
マネジメントとは、
人を急かすことではありません。
安心して動ける土台をつくることです。
人は仕組みに反応する
人は性格だけで行動しているわけではありません。
環境にも大きく影響されます。
役割が明確なら動きやすい。
相談先が分かれば判断しやすい。
情報が共有されていれば安心できる。
だから私は、
人を変えようとする前に、
仕組みを見直したいと思います。
人を責めるより、
仕事の流れを整える。
そのほうが、再現性のある組織になります。
マネジメントとは、働きやすさを設計すること
私は、マネジメントとは
「人を動かす技術」
ではないと思っています。
人が迷わず、
安心して、
自分の役割を果たせるように、
仕事の流れを整えること。
必要な情報が届き、
必要な人が判断し、
必要なタイミングで仕事が進む。
そんな環境を設計することが、
マネジメントだと考えています。
管理者が頑張る組織は、一時的には回るかもしれません。
しかし、マネジメントされた組織は、
担当者が変わっても、
管理者が休んでも、
仕事は流れ続けます。
マネジメントとは、人を動かすことではありません。
人が自然と動ける環境をつくること。
私は、それが管理者に求められる本当の役割だと考えています。