高卒・24歳だった時の私が、グロービス経営大学院(MBA)に「真っ白なキャンバス」で飛び込んで得た、人生を変える話
私は、グロービス経営大学院(オンライン校24期)への進学を決めました。 当時、24歳。 最終学歴は高卒。 現場経験はあるけれど、経営だの戦略だのといった「カタイ」言葉とは無縁の世界で生きてきた人間です。
いわば、社会のことも大して知らない「卵」のような状態。 周囲を見渡せば、大手企業のマネージャー、起業家、専門職のエキスパート……。そんな「大人たち」の中に、24歳の若造が飛び込む。正直、「場違い」だと思われるかもしれないという不安がなかったと言えば嘘になります。
「なぜ、そんなに早く?」「もっと現場で揉まれてからでも遅くないんじゃない?」 様々な意見や見解がある中で、それでも私がグロービスの門を叩き、2年経った今だからこそ言えること。
それは、「何にも染まっていないからこそ、得られた景色がある」ということです。
今回は、当時の私と同じように、早い段階でビジネススクールという選択肢を前に足踏みをしている人、あるいは「自分にはまだ早い」と蓋をしている人に向けて、私の体験記を綴ろうと思います。これが、誰かの背中を少しでも後押しする「きっかけ」になれば嬉しいです。
「行動が全て」の時代に、なぜあえて「学び」を選んだのか?
昨今は、「個の時代」と言われます。 大学生で起業する人もいれば、SNSを駆使して若くして影響力を持つ人もいる。「学校で座学をしている暇があったら、すぐに行動して起業した方が早くない?」 実際に行動を起こしている同世代の起業家やインフルエンサーの方々からそう言われることは、重々承知しています。そして、その意見は真理の一側面をついているとも思います。
しかし、私が選んだのは「学び」の道でした。 なぜか?
それは、私が「ビジネスの共通言語」を持たない、人だったからです。
現場での仕事は大好きでしたし、それなりにこなしてきました。けれど、ふとした瞬間に壁にぶつかるのです。「なぜ会社はこの方針なんだろう?」「なぜ上司はここでGoサインを出さないんだろう?」。 役職についているレイヤーの異なる人たちの考え方や、ビジネスの定石、フレームワークといった「思考の型」を、私は全く持っていなかった。
「行動」は大事です。でも、羅針盤を持たずに大海原に漕ぎ出す怖さを、当時の私は本能的に感じていたのかもしれません。だからこそ、私は「武器」を手に入れるために、グロービスという道場に入門することを決めました。
「真っ白なキャンバス」という最強の武器
入学して最初の衝撃は、自分の「無知」さでした。 マーケティング、アカウンティング、クリティカル・シンキング……。飛び交う言葉の半分も理解できないようなスタート。
しかし、逆説的ですが、「何も知らない」ことは、私の最大の武器になりました。
ある程度キャリアを重ねたビジネスパーソンは、良くも悪くも「自分の型」や「業界の常識」を持っています。新しい理論を学ぶ時に、「でもウチの業界では通用しないな」とか「あの上司のやり方とは違うな」といったフィルターが無意識にかかってしまうことがあります。
対して、私は、完全なる「真っ白なキャンバス」状態。 講師が語る理論、ケーススタディで示される成功法則。それらすべてを、疑う余地なく、スポンジのように吸収することができました。
「なるほど、世の中はこう動いているのか!」 その純粋な驚きと納得感を持って、ダイレクトに脳に書き込んでいく。変な手癖がついていない分、思考のフォーム(型)を綺麗にインストールできたのです。
もちろん、最初は思考の瞬発力が弱く、議論についていくのがやっとでした。それでも、「教わったことをそのままやってみる」という素直さが、結果として成長スピードを早めてくれたと感じています。 「空っぽ」であることは、弱点ではなく、無限の伸び代だったのです。
「上司の思考回路」をインストールする
20代前半でグロービスに入って、実務で最も役立ったこと。 それは、「上司や経営者の『視界』を疑似体験できたこと」です。
日頃の業務で、上司から「今はこれを優先して」とか「その企画はまだ早い」と言われた時、以前の私なら「なんでだよ、現場はこんなに困ってるのに!」と反発していたかもしれません。
しかし、大学院で「ヒト・モノ・カネ」の動きや、経営戦略の全体像を学ぶにつれ、霧が晴れるように理解できるようになりました。 「あ、あの時先輩が言っていたのは、リソース配分の最適化の話だったのか」
先輩たちがどれだけ多くの変数を考慮し、見えないところでリスクヘッジをし、動いてくださっていたのか。その「思考の裏側」を知るきっかけになったことは、私にとって革命的でした。
上司の言語が理解できるようになると、仕事の進め方が変わります。 「これをやりたいです」という提案から、「今の会社のフェーズだと、ここが課題だと思うので、こういう施策はどうですか?」という提案へ。 自分の仕事を円滑に進めるためにも、先輩方との「共通言語」を持てたことは、何にも代えがたい財産です。
世代を超えた「戦友」ができる場所
グロービスには「セクション」と呼ばれるクラスごとの繋がりや、自主的な勉強会、部活動のようなコミュニティがあります。 ここでの出会いは、私の人生観を大きく広げてくれました。
1つの講座には30〜40人ほどの受講生がいます。年齢も、業界も、職種もバラバラ。 普段の生活なら、名刺交換をして「お世話になっております」で終わってしまうような企業の役員クラスの方や、全く異なる業界のエキスパートと、ここでは「クラスメイト」として対等に議論を交わします。
「その視点、面白いね!」 と本来だったら聞いてもらうこともないであろう、私の意見に真剣に耳を傾けてくれる。 逆に、私が仕事や私生活で悩んでいる時、「人生の先輩」として、全く違う角度からアドバイスをくれます。
高校の同級生とは少し違う。会社の同僚とも違う。 利害関係のない、けれど「学びたい」「成長したい」という同じ志を持った「戦友」たち。 この関係性は、今だからこそ築けたものだと強く感じています。
大人が本気で遊ぶ「課外活動」の熱狂
「20代は、多くのことに挑戦しなさい」 よく言われる言葉ですが、グロービスほど「本気の挑戦」と「失敗できる環境」がセットになっている場所はありません。
特に印象深いのは、授業外の活動です。 私は、グロービス生が企画・運営する大規模カンファレンス「あすか会議」などのイベントで、実行委員や幹事を担当する機会を得ました。
これが、ただの「学校の文化祭」レベルではないのです。 集まるメンバー全員が、第一線で活躍する社会人。だからこそ、一つのイベントを打つにしても、その基準は極めて高い。
「その集客目標に対するKPIは?」 「オペレーションのリスク管理はどうなってる?」 「告知のクリエイティブ、もっと刺さる文言があるんじゃない?」
仕事終わりや休日の時間を使って、本気で議論し、緻密なオペレーションを組み上げ、数百人規模のイベントを成功させる。 そこには、会社の業務とはまた違ったヒリヒリするような緊張感と、それを乗り越えた時の爆発的な達成感がありました。
授業で学んだリーダーシップやマーケティングを、即座にこの「課外活動」で実践する。 失敗しても、会社のように降格になったり減給されたりするわけじゃない。だからこそ、思い切ってバットを触れる。 この「最高の遊び場」で得た経験と仲間との絆は、私の人生を鮮やかに彩ってくれています。
【最後に】未来の入学者へ
グロービス経営大学院での学び。 それは、単にMBAという学位を取るためだけの場所でも、知識を頭に詰め込むだけの場所でもありませんでした。
学びという過程を通じて、自分の未熟さと向き合い、多くの仲間と議論し、時には悔し涙を流し、それでも前を向く。 そうやって、自分の「人格」を深く耕していく場所だったのだと、今になって思います。
24歳のあの日、私が勇気を出して飛び込んだからこそ、今の私があります。
もし、この記事を読んでいるあなたが、「興味はあるけど、自信がない」「まだ早いんじゃないか」と迷っているなら。 その「不安」は、あなたが現状に満足せず、もっと高いところへ行こうとしている証拠だと思います。
不安は持っていてもいい。でも、同時に「希望」を持って飛び込んでみてください。 そこには、あなたが想像しているよりもずっと温かく、刺激的で、優しい世界が待っています。
真っ白なキャンバスを持ったあなたにしか、描けない未来が必ずあります。 いつか、どこかの学び舎で、あるいはビジネスの現場で、お会いできることを楽しみにしています。