部下を育てる立場として思うこと|窪澤圭
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お久しぶりです、教育系の営業職をしている、窪澤圭です。
今回は、部下を持つということ、部下への研修ということについて振り返っていきたいと思います。
私が営業職としてキャリアを積んでいく中で、いちばん大きな転機の一つは部下を持つ立場になったことでした。それまでは自分の成果を追いかけることに集中していれば良かったのですが、チームを任されるようになると「部下が成長しなければ、組織全体の成果も伸びない」という現実に直面しました。特に新卒社員の育成は、最初の指導次第でその後の営業スタイルや働き方に大きな影響を与えます。今回は、自分が新卒の部下に対してどのような研修や指導を行ってきたのかを振り返りながら、営業研修のポイントを整理してみたいと思います。
まずは基礎から ― ビジネスマナーと心構え
営業職としてお客様と向き合う前に、まず徹底して教えるのは社会人としての基本です。名刺交換や電話対応、メールの書き方などは、細かい部分ですが印象を大きく左右します。新卒の子たちは意欲はあっても経験が浅いため、形式を覚えただけで安心してしまうことがあります。そこで私は「なぜそのマナーが必要なのか」を背景から説明するようにしています。単に作法を覚えるのではなく、相手への敬意を形にしたものだと理解してもらうことで、行動に説得力が生まれるのです。
また心構えの部分では、「営業は売り込む仕事ではなく、相手の課題を一緒に解決する役割」だと伝えるようにしています。これは私自身が新人時代に苦労しながら学んだことでもあります。数字を追うだけの営業は短期的な成果しか出ませんが、信頼関係を築ける営業は長期的に顧客とつながることができます。
商品知識より大切な「聞く力」
新卒研修で多くの子が最初に不安を感じるのは「商品を覚えられるだろうか」という点です。もちろん知識は欠かせませんが、私が強調するのは「聞く力」の重要性です。営業は自分が話す以上に、相手の言葉を拾い、背景を想像し、適切に質問することが求められます。
研修の場では、ロールプレイを通じて「相手の発言の裏にあるニーズを掘り下げる練習」をよく行います。たとえば「価格が高い」と言われたときに、単に値引きで対応するのではなく、「なぜ高いと感じるのか」「他に優先度の高い課題はあるのか」といった視点で掘り下げる。こうした練習を積むことで、表面的な要望に振り回されず、本当の課題にたどり着けるようになります。
実践を意識した研修 ― ロールプレイとフィードバック
営業研修で欠かせないのは、実際の現場を意識したシミュレーションです。私は新卒メンバーと一緒に、模擬商談を何度も繰り返しました。自分が顧客役になり、さまざまな要望や反応をぶつけることで、彼らの反応力を鍛えます。
重要なのは、終わった後のフィードバックです。私は単に「ここが良くなかった」と指摘するのではなく、「この場面では、こういう聞き方をするともっと相手に安心感を与えられる」といった具体的な改善策を伝えるよう心がけています。また、良い点を見つけて必ず言葉にすることで、自信を持って次に挑戦できるようにしています。
セミナー形式の研修で得られる学び
最近では、社内だけでなく外部セミナーを活用することも増えました。他社の営業担当や講師から直接学ぶことで、社内では得られない刺激を受けられるからです。特に新卒社員にとっては自分と同じ立場の人がどんな努力をしているのかを知る良い機会になります。私は部下をセミナーに送り出す際には、ただ聞くだけでなく、必ず一つは自分の実務に生かせるポイントを持ち帰るようにと伝えています。
部下を育てながら自分も育つ
こうして振り返ると、営業研修は「新人を育てる場」であると同時に、「自分自身を見直す場」でもあると感じます。部下に説明する中で、自分の営業スタイルを客観的に振り返ることができますし、彼らの疑問に答えるために自分の知識をアップデートする必要も出てきます。
研修を重ねるうちに、部下が少しずつ自分の言葉で顧客と向き合えるようになり、成果を出し始める姿を見ると、指導する立場として大きなやりがいを感じます。そして同時に、「自分もまだまだ成長し続けなければ」と背中を押されるのです。
おわりに
営業研修は、単なる教育プログラムではなく、組織の文化や価値観を次の世代に伝える重要な役割を持っています。新卒の子たちが社会人として成長し、営業として自立していくプロセスを支えることは簡単ではありません。しかし、その過程で得られる学びや気づきは、彼らだけでなく私自身の財産にもなっています。これからも部下と一緒に成長していく姿勢を忘れずに、研修に取り組んでいきたいと思います。