こんにちは!城間勝行です。
ふと窓の外を見上げると庭の隅に植えられた小さなトマトの苗が太陽の光を浴びて生き生きと葉を伸ばしていました。 誰かが毎日大量の水をやったわけでもなくただそこに自然な光と適度な潤いがあるだけで植物は驚くほどのエネルギーを蓄えて成長していきます。 システム開発という仕事も実はこの庭仕事と非常によく似ているなと感じることがあります。 新卒で大手企業の巨大な基幹システムを支えるチームに飛び込んだころ私は完璧に管理された温室のような環境の中で巨大な仕組みを維持することに夢中になっていました。 何重にも張り巡らせられたルールや何千人ものユーザーがスムーズに動くための緻密な設計図はそれはそれで美しく秩序に満ちた世界でした。 しかし数年の歳月が流れて今のスタートアップ企業で少人数の仲間と働くようになってから私の景色は一変しました。 あらかじめ用意された温室ではなくどこか荒削りな野原にポツンと放り出されたような感覚の中で私たちはゼロから新しいプロダクトの種をまき続けています。 明日何が起きるか分からないスピード感あふれる環境では過去の教科書通りにいかないことばかりです。 そんな予測不能な荒野で頼りになるのはきれいな設計図よりも目の前の泥臭い試行錯誤と仲間との対話でした。 まるでトマトの苗が自分の力で根を張り光を求めていくように動くものを作り実際に使ってもらいその反応をダイレクトに受け取りながら形を修正していく。 この不格好でダイナミックなプロセスこそがものづくりの本来の醍醐味なのだと気付かされました。 バックエンドのロジックを組み上げたりフロントエンドの画面を微調整したりクラウドのインフラを整えたりする日々の作業は一見すると地味でただの機械的なルーティンに見えるかもしれません。 しかしそのコードの一行一行には使う人の驚きや喜びや明日を少しでも良くしたいという願いが静かに込められています。 コードとはただの文字列ではなく誰かの日常にそっと寄り添うための小さな光の種のようなものです。 技術は日々驚異的なスピードで進化し昨日までの正解が明日には過去のものになってしまうことも珍しくありません。 それでも新しい言語やフレームワークに触れるたびに子どものころに新しい秘密基地の構造を見つけたときのような胸が高鳴る感覚がよみがえってきます。 完璧な答えを探して立ち止まるよりも不格好でも自分の手で土を耕し一歩を踏み出すことのほうが何倍も価値があると知っているからこそ私は今日もパソコンの画面に向き合います。 冷たい光を放つモニターの向こう側にいる生身の誰かの笑顔をちょっとだけ想像しながら。 明日もまたこの小さな庭で新しい芽吹きに出会うために私は私のペースで静かにコードを紡ぎ出していきます。