Artを通じてひらく、子どもたちの新しい学び
Artを通じてひらく、子どもたちの新しい学び
アートというと、絵が上手になること、作品を完成させることを思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、教育の現場でアートがもたらすものは、それだけではありません。
アートは、子どもたちの学びを静かに、そして力強くひらいていく“きっかけ”になります。
今日は、本校で取り組んでいる「Artを通じた学び」の一端をご紹介したいと思います。
■ アートは「自分の内側に気づくための窓」
子どもたちに「今の気持ちを線だけで描いてみよう」と声をかけると、
迷いなく紙に向かう子、少し考えてから描き始める子、
色を何度も塗り重ねる子──反応は本当にさまざまです。
その線や色には、
言葉ではまだ表しきれない“気持ちのかたち”が宿っています。
描き終えた後、
「どうしてこの色を選んだの?」
「この線にはどんな気持ちがあるの?」
と問いかけると、子どもたちはすっと自分の内面とつながって、
小さな言葉を返してくれます。
アートは、心の奥にある声に出会うための窓なのだと感じます。
■ 「表現する」ことで見えてくる新しい自分
アート活動には“正解”がありません。
だからこそ、子どもたちは自分自身と向き合い、
自分の感じたことをそのまま作品に残すことができます。
- 線が揺れているのは、ちょっと不安な気持ち
- 大きな丸は、嬉しい気持ちがふくらんだ瞬間
- 色が混ざり合うのは、言葉にできない複雑な気持ち
子どもたちは描くことで、
「あ、これが今の自分なんだ」
と気づくことがあります。
その気づきは、学びの土台となる“自己理解”を深める大切な時間です。
■ アートは「他者理解」の扉も開く
作品を見合う時間には、いつも小さな魔法が起こります。
「この絵、どうしてこんな色になったの?」
「ここが面白いと思ったよ」
「わたしの気持ちにも似てる」
アートは、言葉よりも前に気持ちを届けてくれます。
子どもたちは、相手の感じたこと・考えたことを自然と受けとめ、
互いの違いを尊重する姿勢を育てていきます。
アートが、他者との対話をひらく場にもなるのです。
■ “創る”経験が、学びの主体性を育てる
アート活動の中で、子どもたちは多くの選択をします。
- どの色を選ぶか
- どんな線を描くか
- どこを残して、どこを変えるか
この「自分で選ぶ」「自分で決める」という経験こそ、
学びの主体性を育てる大切なプロセスです。
完成作品はもちろん価値があります。
しかし、それ以上に価値があるのは、
完成までのプロセスを自分でつくっていく時間なのです。
■ 最後に──アートがもたらす“のびやかな学び”
アートは、特別な才能がある子だけのものではありません。
すべての子どもに開かれた、自由で、のびやかな学びの手段です。
- 心の声に気づく
- 自分を表現する
- 仲間とつながる
- 新しい自分に出会う
そのすべてが、子どもたちの未来を支える力になっていきます。
本校はこれからも、
アートを通じて子どもたちの可能性がのびやかに広がる環境づくりに努めてまいります。