「希望年収はいくらですか?」この質問の答え方に終止符を打ちます。
転職面接で必ず聞かれる質問。
「希望年収はいくらですか?」
これを聞かれた瞬間、多くの人が脳内でパニックになります。
そして、だいたい次の2パターンのどちらかに陥ります。
1.「ビビり」パターン
「高く言い過ぎて落ちたらどうしよう...」と不安になり、モゴモゴと遠回しな理由をつけた挙句、自信なさげに答える人。
2.「謙遜」パターン
「自分なんかが高い給料をもらうのは申し訳ない」と勝手に思い込み、あえて低めの金額を言ってしまう人。
ハッキリ言います。
どちらも不正解です。
そして、その悩みは全部無駄です。
なぜなら、あなたが「500万」と言おうが「1,000万」と言おうが、提示される年収は「企業の給与テーブル(規定)」で決まるからです。
あなたの年齢や経験だったらうちは500万、って決まっています。
あなたの希望額に合わせて、会社の給与規定が変わることはありません。
では、どう答えるのが正解か。
「よくある間違い」と「唯一の正解」を教えます。
目次
よくある間違い:「現年収以上」と答える
正解:「求人票の範囲内」とだけ答える
なぜこれが「戦略的」なのか?
1.「無意味なノイズ」を消すため
2. 交渉は「あと」でするものだから
まとめ
よくある間違い:「現年収以上」と答える
多くの人がこう答えます。
キャリアアドバイザーですら、こうアドバイスすることがあります。
×「現在は〇〇万円なので、それと同等以上を希望します」
これは悪手です。
なぜなら、「現年収」は次の会社の年収根拠にならないからです。
今の年収は、あくまで「今の会社」での評価であり、「今の会社の業績や環境」だから出ている数字に過ぎません。
新しい環境で、あなたがどれだけの価値を発揮するかとは、本来何の関係もない「過去の数字」です。
それを根拠に「だから次もくれ」と言うのは、ビジネスとしてロジックが通っていません。
説得力がないどころか、「給与の仕組みを理解していない人」と思われるリスクすらあります。
正解:「求人票の範囲内」とだけ答える
一番損をせず、かつスマートな回答はこれです。
具体的な金額(数字)は、一切口にしないでください。
ただ一言、こう答えてください。
「御社の求人票に記載のある範囲内であれば、問題ございません。具体的な金額については、御社の規定に従い、評価にお任せいたします」
これだけです。これが最強です。
もし、それでも「だいたいでいいので...」と食い下がられたら?
その場合も、自分の希望額は言わずに「求人票」を盾にします。
「求人票には〇〇万〜〇〇万とありましたので、その範囲内であればと考えております。 (強いて言えば、現職が〇〇万円ですので、それを一つの目安として想定はしておりました)」
これで十分です。
この時に「現職がこれくらいだから"目安"として、〇〇万円くらいと"想定"していた」というのは、「今が〇〇万円だからそれ以上ください」と答えるのとはわけが違います。
なぜこれが「戦略的」なのか?
この回答が最強である理由は2つあります。
1.「無意味なノイズ」を消すため
先ほど言った通り、あなたがいくら希望しようが、出てくる提示額は規定通り(例えば500万なら500万)で変わりません。
それなら、根拠のない数字を言って「相場観がない人だな(高すぎる場合)」とか「自信がないのかな(低すぎる場合)」という余計な印象ノイズを相手に与える必要はありません。
「規定にお任せします」と言い切ることで、堂々としたビジネスライクな姿勢を見せることができます。
2. 交渉は「あと」でするものだから
もし、提示されたオファー金額に納得がいかなければ?
その時は、内定が出た後の「オファー面談」で調整・交渉すればいいのです。
内定が出る前の、まだ採用が決まっていない段階で、お金の駆け引きをする必要はありません。
まずは内定を取り、相手が「あなたが欲しい」という状態になってから、条件をすり合わせるのが正しい順序です。
まとめ
希望年収を聞かれたら、具体的な数字は言わない。
「求人票の範囲内で、お任せします」と答えて、ボールを相手に投げてください。
変に金額を宣言して墓穴を掘るよりも、「御社の評価を信頼します」とドシッと構えている方が、余裕のある優秀な人材に見えます。
そして結果的に、規定通りの適正なオファー(本来出るはずの金額)がスムーズに出てきます。
今日から、年収の質問で迷うのは終わりにしましょう。