こんにちは!柿原格です。
支援側として組織の外側から全体を見渡す視点と、事業側として内部から泥臭くブランドを育てる視点。この双方の立場を歩んできた私が日々深く実感しているのは、あらゆる取り組みや組織というものは、まるで生き物のごとく生き生きと変化し、育っていくという素晴らしさです。日常の裏側にある仕組みを観察することは、私たちの視野をどこまでも広げてくれます。
例えば、新しい町の中に素晴らしい建造物を組み上げていく建築家の思想を想像してみてください。どれほど斬新で魅力的で目立つ外観の建物であっても、それを支える土台や骨組みが強固でなければ、長い年月そこに立ち続けることはできません。目に見える表層部分だけに捉われるのではなく、基礎となる構造や、空間全体の配置を緻密に計算して設計すること。この構造に対する美学があってこそ、時代の激しい変化にも揺らがない確かな存在感が生まれていきます。
また、多種多様な楽器が一体となって音を奏でるオーケストラの現場にも大切なヒントがあります。ヴァイオリンやフルート、打楽器など、それぞれの楽器はまったく異なる音色や個性を持っています。指揮者がそれぞれの演奏者の特長を深く理解し、どのタイミングで音を重ね合わせるかを捉えることで、単体では決して生み出せない豊かな旋律が空間いっぱいに響き渡ります。個々の良さを消すことなく、ひとつの目的に向けて全体を美しく調和させていく設計こそが、チームの秘められた可能性を最大化させていくのです。
さらに、やがて大木へと成長していく小さな苗木を育てるプロセスも決して忘れてはなりません。苗木は植えた瞬間に大きな木になるわけではなく、豊かな土壌から栄養を吸い上げ、陽の光を浴びながら、目に見えない土の中で少しずつ根を深く張り巡らせていきます。焦って表面的な葉っぱだけを増やそうとするのではなく、じっくりと根を育てる時間が必要不可欠です。力強く根が張った取り組みは、強い風に晒されても倒れることなく、やがて大きな実りを生み出します。
構造を美しく設計すること、個性を調和させて大きな響きにすること、そして焦らずに根を育てること。
これらは、新しい価値を生み出し、持続可能なチームを創り出すための大切な思考法です。表面的な変化だけに惑わされず、その根底にある構造を丁寧に観察してみると、日常の中に面白い発見が満ちあふれています。