はじめまして。菅野優と申します。
現在、株式会社Rekkaで執行役員として、バックオフィス支援、営業支援、新規事業開発、採用支援などに携わりながら、ChatGPTやClaudeなどの生成AIを活用した業務改善にも取り組んでいます。
生成AIが急速に普及し、
「会社でもChatGPTを使ってみたい」
「AIを使って業務を効率化したい」
という相談をいただくことも増えてきました。
ただ、実際に企業の業務を見ていると、一つ感じることがあります。
それは、
「ChatGPTを使えること」と「業務を改善できること」は、まったく別物だということです。
今回は、私が普段どのように生成AIを業務に取り入れているのか、そしてAIを一時的な便利ツールではなく「現場で使える仕組み」にするために大切にしていることを書いてみます。
「とりあえずChatGPTを使う」では、なかなか定着しない
生成AIを導入するとき、
「まずChatGPTを社員に使ってもらおう」
というところから始める企業も多いと思います。
もちろん、それ自体は悪いことではありません。
メールを書いてもらう。
文章を要約してもらう。
アイデアを出してもらう。
資料の構成を考えてもらう。
これだけでも十分便利です。
ただ、個人がそれぞれ好きな方法でAIを使っているだけでは、会社全体の業務改善にはなかなかつながりません。
ある人は毎日AIを使っている。
別の人はまったく使っていない。
人によってプロンプトも違う。
出てくる成果物の品質も違う。
そして、その人が辞めるとAIの使い方も一緒になくなってしまう。
これでは、AIを導入しても新しい「属人化」が生まれてしまいます。
だから私は、AIツールそのものよりも、**「どの業務に、どのようにAIを組み込むのか」**を考えることが重要だと思っています。
まず「AIで何ができるか」ではなく、「今どんな仕事をしているか」を見る
業務改善を考えるとき、私は最初からAIの話をすることはあまりありません。
まず、
「毎月どんな仕事をしていますか?」
「この仕事には何分かかっていますか?」
「誰が担当していますか?」
「どこで手作業が発生していますか?」
「同じような作業を繰り返していませんか?」
といったことを整理していきます。
すると、
「毎回ゼロからメールを作っている」
「会議後に手作業で議事録をまとめている」
「同じような資料を毎回作っている」
「大量の文章を人が読んで整理している」
「担当者によって仕事のやり方が違う」
など、改善できそうなポイントが見えてきます。
ここまで来て初めて、
「この部分はAIに任せられそうですね」
と考えます。
AIありきではなく、業務ありきで考える。
これを非常に大切にしています。
実際に生成AIを活用している業務
現在、私自身もさまざまな実務で生成AIを活用しています。
例えば、経理・バックオフィス領域。
請求・経費処理などに必要な情報の整理、業務手順の整理、マニュアル作成などでAIを活用し、freeeなどのクラウドサービスと組み合わせながら業務フローを設計しています。
営業領域では、商談内容の整理、提案文、フォロー文、ヒアリング項目、営業トーク、提案資料のたたき台などをAIで作成しています。
採用・教育領域では、求人内容の整理、研修課題、オンボーディング資料、マニュアルなどの作成にもAIを活用しています。
SNS・コンテンツ領域では、競合分析、企画案、構成案、タイトル、投稿文、動画の改善案などにも利用しています。
そして、最近特に便利だと感じているのが、文字起こしデータから業務を構造化する使い方です。
打ち合わせやロープレなどの文字起こしをAIに読み込ませ、
「業務フロー」
「重要な質問」
「NG例」
「チェックリスト」
「マニュアル」
などに整理する。
人間が一から資料を作るよりも、最初のたたき台を作る時間を大きく減らすことができます。
AIに全部任せることが、AI活用ではない
一方で、AIの出力をそのまま使うことはほとんどありません。
AIは間違えることもあります。
文脈を十分理解できていないこともあります。
専門的な内容では、人間による確認が必要なケースもあります。
だからこそ、
AIが担当する工程と、人が判断する工程を分けること
が重要です。
例えば、
AIが情報を整理する。
↓
人が内容を確認する。
↓
AIが文章や資料のたたき台を作る。
↓
人が最終判断・修正する。
このように、AIを「人の代わり」として考えるのではなく、
人の仕事を速く、質の高いものにするパートナー
として組み込むようにしています。
AI導入で大切にしている6つのステップ
私が企業のAI活用を考える際には、大きく6つのステップで整理しています。
① 現在の業務をヒアリングする
まず、どんな業務があるのかを把握します。
② 業務を可視化する
担当者・時間・頻度・作業内容などを整理します。
③ AI化・自動化・外注化できる工程を切り分ける
すべてをAIにするのではなく、人・AI・システムそれぞれに適した役割を考えます。
④ プロンプト・業務フローを設計する
「毎回ChatGPTに質問する」のではなく、誰でも再現できる形をつくります。
⑤ 実際の業務でテストする
机上で終わらせず、実際の仕事で使って問題点を確認します。
⑥ マニュアル化して改善を続ける
担当者が変わっても使える状態にし、運用しながら改善していきます。
ここまでできて初めて、AIが会社の「仕組み」になると考えています。
生成AIでつくりたいのは「余白」
AIを使って、単純に仕事量を増やしたいわけではありません。
私がAIや業務改善によってつくりたいのは、
「人の時間の余白」
です。
例えば、毎日30分かかっている仕事が10分になれば、20分の時間が生まれます。
その時間で、お客様と話すことができる。
新しいサービスを考えることができる。
社員を育てることができる。
営業することができる。
あるいは、早く仕事を終えることもできます。
AIによって生まれた時間を何に使うかは、人が選べばいい。
だからこそ私は、**「AIを導入すること」ではなく「選択できる時間を増やすこと」**を大切にしています。
AIを使える人ではなく、「AIを使って仕事を変えられる人」へ
生成AIは、これからさらに当たり前になっていくと思います。
ChatGPTを使えること自体は、特別なスキルではなくなっていくかもしれません。
だからこそ重要になるのは、
「AIをどこに使えば、この会社の仕事が良くなるのか」
を考えられることだと思っています。
業務を整理する。
課題を見つける。
AI・SaaS・人の役割を考える。
仕組みにする。
そして、現場で使われるところまで伴走する。
私自身もまだまだ試行錯誤していますが、新しいAIやツールを積極的に試しながら、企業や経営者の時間を生み出せる業務改善をこれからも追求していきたいと思っています。