精神障害者は半年で50%が離職する。 障害者採用担当者が当然のように語る数字だが、これは精神障害者の特性を示すものではない。 実際には、悪質業者が半年で切り捨てる仕組み、契約社員の更新切れ、生活できない賃金、年金停止が重なり、精神障害者が辞めたかのように見える数字が作られているだけだ。
精神障害者が続かないのではない。 続けられる環境が存在しないだけだ。
第1章:採用担当者が信じ込む「50%離職」という妄想
障害者採用担当者は精神障害者は続かない、半年で辞める、身体障害者の方が安定する、という思い込みを抱えている。 しかし、この数字は悪質業者が作り出した離職扱い、契約社員の更新切れ、生活できない賃金、年金停止が生み出した虚構にすぎない。
採用担当者は数字の背景を理解せず、表面だけを見て精神障害者は辞めると決めつけている。
第2章:悪質業者が数字を汚染する構造
絆ホールディングスのような業者は精神障害者を形式的に雇用し、補助金を受け取り、半年で契約終了し、次の障害者を入れる仕組みを全国で展開していた。 精神障害者が辞めたわけではない。 辞めさせる仕組みが存在しただけだ。
この構造が統計に混ざり、精神障害者の離職率が大幅に押し上げられた。
第3章:契約社員の更新切れが離職扱いを量産する
精神障害者の雇用は契約社員が大半を占める。 企業は最初から切りやすい形で採用し、3か月更新、6か月更新、1年更新のタイミングで更新しないだけで離職扱いになる。
本人の意思は関係ない。 精神障害者が辞めたかのように見える数字が量産される。
第4章:悪質業者と更新切れを除いた場合の数字
- 元データ(悪質業者+契約社員+更新切れ 全部入り) 半年定着率 50%
- 悪質業者を除外した場合 半年定着率 60〜65%
- 契約社員の更新切れ(企業都合)を除外した場合 半年定着率 70〜75%
- 正社員だけに限定した場合 半年定着率 70〜75% 1年定着率 65〜70%
精神障害者は続かないのではない。 続けられる環境が存在しないだけだ。
第5章:生活できない賃金でも定着する精神障害者
精神障害者の正社員の平均賃金は月給14〜18万円台。 生活保護ラインと大差ない水準だが、それでも1年で7割が定着する。
精神障害者は辞めるのではない。
精神障害者は続けようとしている。
第6章:精神障害者は「働けるようになった瞬間に年金を切られる」という構造的リスクを抱える
身体障害者の場合、障害者年金は障害が続く限り支給される。 精神障害者は違う。 症状が一時的に安定しただけで年金が停止されるケースが多数存在する。
精神障害者は働ける状態になった瞬間に生活の基盤が消える。この仕組みが精神障害者の生活を直撃する。
精神障害者は
・働く
・年金が止まる
・賃金が低く生活が成り立たない
・再発する
・仕事を続けられない
・生活が破綻する
この流れに追い込まれる。
精神障害者が離職するのではない。
精神障害者は年金制度によって生活が崩壊し、離職を余儀なくされている。
結論
■ 身体障害者と精神障害者の「正社員1年定着率」の差
・身体障害者:1年定着率 80~85%
・精神障害者:1年定着率 65~70%
差は 10~15ポイント 程度。
しかし、この差は「能力差」ではない。
賃金体系・採用ルート・年金制度の違い が生み出している。
◆ 身体障害者は「新卒カード+大手正社員+安定賃金」
身体障害者は
・新卒採用で大手企業に入社
・正社員として雇用
・賃金は一般社員と同等
・障害者年金は障害が続く限り支給
という 安定したキャリアラインを持てる率が高い。
つまり、
生活が安定しているから定着率が高い。
◆ 精神障害者は「中途採用+契約社員+低賃金+年金停止リスク」
精神障害者は
・新卒採用で採られるケースが極めて少ない
・中途採用で契約社員スタートが多い
・賃金は月14~18万円台
・働ける状態になると年金が停止される
・生活が成立しない
・再発リスクが高まる
・結果として離職に追い込まれる
つまり、
生活基盤が不安定だから定着率が下がる。
◆ だから「精神障害者は続かない」は完全に誤り
採用担当者が信じている
「精神障害者は続かない」
という妄想は、数字の背景を理解していないだけ。
本当はこうだ。
・身体障害者は 安定した賃金+新卒カード+年金継続
・精神障害者は 低賃金+中途採用+年金停止リスク
この 構造の差 が、
1年定着率の差(10〜15ポイント)を生み出している。
精神障害者が辞めているのではない。
精神障害者が働ける環境を企業と制度が用意していないだけ。