Microsoftが公開した「Learning by Design」という教育分野のホワイトペーパーを読みました。
最初は教育向けの内容だと思っていたのですが、教育だけでなくビジネスや組織運営にも通じる考え方だと感じました。
論文の中で一貫して語られているのは、
「AIは答えを与える存在ではなく、学習者の成長を支援する存在であるべきだ」
という考え方です。
現在、多くの生成AIは質問に対して素早く答えを返してくれます。
レポートを書き、企画書を作り、プレゼン資料のたたき台も作れる。
便利ですが、もしAIがすべての答えを出してくれるなら、人の成長も阻害するという側面もあると思います。
良い先生と良い上司の共通点
学校現場でも企業でも、優れた指導者には共通点があります。
それは、「答えを教える人」ではなく 「考えさせる人」であることです。
子どもから「答えは何ですか。」と聞かれたとき、すぐに答えを伝えることもできます。
しかし、本当に学びが起きるのは問い返したときです。
これは企業のマネジメントも同じだと思います。
「どうしたらいいでしょうか」と相談されたとき、
すぐに指示を出せば仕事は早く終わるかもしれません。
一方で、「君はどう考えている?」 「選択肢は何がある?」 「その判断の理由は?」
と問い返せば、時間はかかるかもしれませんが、自ら考える力が育っていきます。
AIは人間の代替になるのか
ならない部分もあると思います。(なる部分や雇用のミスマッチはありうるのでは。。。)
AIが普及するほど、人間に求められる役割はより明確に。
知識を伝えること。正解を教えること。説明すること。
こうした役割の一部はAIが担えるようになる。
しかし、問いを立てること。相手の可能性を信じること。挑戦を後押しすること。成長を支援すること。これは依然として人間の重要な価値です。
だからこそ、AIは先生や上司の代わりになるのではなく、
優れた先生や上司のあり方を拡張する存在になるのではないでしょうか。
「AIによって、人はどのように成長できるのか」
これは教育だけでなく、企業の人材育成や組織開発にも共通するテーマだと考えます。
効率化の先にあるものは何か。
答えを出すことではなく、考える力を育むことではないか。
私は、これからのAI活用の本質1つにそこがあると思います。
引用:Learning by design Learning science foundation of the Study and Learn Agent
URL:https://cdn-dynmedia-1.microsoft.com/is/content/microsoftcorp/microsoft/bade/documents/products-and-services/en-us/education/4105800-Microsoft-Learning-by-Design-white-paper.pdf
引用:日本総研「生成AIと日本の雇用」
https://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/report/jrireview/pdf/16641.pdf
📷写真は、長野県北安曇(あづみ)郡小谷(おたり)村の栂池高原の湿地帯です