(本記事は、26/10/04にnoteに公開した記事の転載になります)
こんにちは、じゅんです。
Hokkaido MotionControl Network (#DoMCN)というHoloLens・VR技術好きの技術者コミュニティの勉強会を運営していて、開発者の知見の交流を促進しています。また、元・物性研究者として、研究機関に所属する若手研究者でxRに興味を持つ人を見つけてはHoloLensを被せに行き、開発者コミュニティへの橋渡しを行う事を続けています。これらを適切に表現する職名が無いので、勝手にScientist/Developer Relations と名乗っていました。2024年はCommunity Relationsと言いながら活動し、2025年2月くらいにInterCommunity Communications for Tech/Science (#InCommComm)という職名を思いつきました。コミュニティ間越境を伴う交流を最大化するための活動をしています。InCommCommは、特定のコミュニティを運営するだけではなく、複数のコミュニティの間を移動しながら、人・技術・情報の接点をつくり、それら接点を中心にあの手この手で複数の情報ハブの人や枠組みを作って維持する活動です。
9/16-18の期間、中央労働災害防止協会主催の緑十字展2026 in 札幌(#緑十字展)というイベントが開催されました。運営・参加者の皆さんお疲れ様でした。参加レポートを例年通り備忘録的に残しておこうと思います。
今回は、XRイベントではない産業展示会の中から、現場で使われているXRと開発者コミュニティとの接点作りの可能性を探しに行きました。結果としてはそれぞれたくさんありましたので、それぞれのブースで話題を提供できたとともに、次の体験会場を知るヒントも得られました。
緑十字展
https://gce.sup-sol.net/access/
中央労働災害防止協会さんが毎年開催している労災予防のソリューションの展示会のようです。全国を回って開催しており、今回はたまたま北海道の丘珠空港近くのつどーむで行われました。
大会HPによると、前回の大阪会場の時は28000人弱が訪れていたようで、今年の集計結果では12000人ほどの来場者があったようです。土木建築系、ITからスポーツブランドまで幅広く出展がありました。安全に工事をするためのあらゆるグッズが集まっていましたので、ホームセンターが好きな人は多分みんな楽しめます。仕事猫も来ていました(会えなかったけど)。
この分野は初めてでしたが、西川コミュニケーションズ松永さんと先月のXR Kaigi Hub in Nagoya(#XRKaigi)でお話した時に『ちかぢか札幌行きますよ』というお話からこのイベントを知りました。自分の実家から近い会場でしたので、金曜日の最終日に行ってみる予定でしたが、突然気が変わって木曜のバイオリンレッスンを受けた足でそのまま東豊線に乗って遊びに行き、計2日間の参加になりました。見てきた展示のツイートを以下並べておきます。
入り口すぐのところに無断撮影禁止となっていましたので、各ブースで許可を頂いて撮影・掲載しています。
https://x.com/jun_mh4g/status/2100463213712429533
https://x.com/jisha_sypn/status/2100401537877168596
展示体験前半(9/17)
・仙台銘板
森との境目などに設置して害獣たちを追い払うとされているモンスターウルフをここで初めて見ました。ビカビカ光ってたしかに効きそうです。
ソーラー充電で昼夜動くタイプの見守りカメラ(畑用)も説明してもらいました。こちらは画角内に入ってきた熊を自動検知したらLINEでユーザーにお知らせと映像を送って警戒を促すタイプのようです。不意の遭遇を防ぐという意味でも効果があります。
https://x.com/jun_mh4g/status/2100563604798132479
・西川コミュニケーションズ
空間キャプチャ&デジタルツイン生成ツールのXGRIDS各種製品が陳列されていた他、VRトレーニングツール、MRビリビリ体験など様々なデモが体験できました。
松永さんとしばらくお話しさせていただき、中央労働災害防止協会イベントの情報だったり、他のVRデモ展示のブースを教えて頂いたりしました。私からも札幌の地元のデジタルソリューション展示会をいくつか共有しました。次の札幌遠征の機会として検討して頂ければラッキーですね。
https://x.com/jun_mh4g/status/2100565257165131808
会場内をウロウロしていたら突然横からうまい棒を渡され、立ち止まってみるとVRのデモをやっていました。手前のコンテンツは360°動画を用いた研修教材制作プラットフォームのサンプルで、奥のコンテンツはorishia Glassという国産スマートヘッドセットの体験デモをやっていました。
orishia Glassの方は、元々フィールドクロスさんという会社が開発していたInfoLinker3というデバイスのようです。視界の隅に物理的に固定するタイプのカメラ付きディスプレイで遠隔支援アプリを繋ぎながら運用します。バッテリーパックが首掛けになって大容量なので長時間扱える設計になっていました。個人的にはこの形が一番実運用に向いていると考えています。
関西で活動していたとの事で #大阪駆動開発 コミュニティの関係者で共通の知人がおり、なんとなく盛り上がりました。
https://x.com/jun_mh4g/status/2100581455718162616
https://x.com/jun_mh4g/status/2100582771987263965
https://x.com/jun_mh4g/status/2100587196764086380
・三徳コーポレーション
初日の展示時間の終わり際に、NICOブースで教えてもらった出展企業を思い出して訪問してみました。「Youtuberの方ですか?」「違います」のやり取りから始まって、VR災害体験シミュレーションの体験動画を撮ってもらいました。目指せ100万再生(現在インプレ1676)。
空気圧で動作する台の上に乗ってVRの体験をしていると、落下のタイミングで台もガタンってなります。落下幅は数センチですが、外界は視えてないので結構な怖さがあります。島根の事業所の方がITネタのエンジニアさんで、#XRShimane をご存じとの事でした。
https://x.com/jun_mh4g/status/2100589333996798359
初日は最後に屋根を撮って終了です。
https://x.com/jun_mh4g/status/2100591862629466210
展示体験後半(9/18)
・明電システムソリューション
初日は左手伝いに歩いていて一周回り切れなかったので、次の日は右手伝いに回りました。明電システムソリューションと明電舎の2つのブースが隣り合わせに設置され、それぞれ異なるVRコンテンツのデモが行われていました。
明電システムソリューションの方では、VR安全体感教育というシリーズを展開しているようです。3軸のグラグラ提示マシーンとVR空間内のアクシデントを連動させて、よりリアルに危機を体感できる仕組みになっていました。私ははしごを登っていたらはしごが建物から外れて落下しました。怖い思いをして、事故の危機意識を高める効果がありそうです。
https://x.com/jun_mh4g/status/2100990718055756202
・明電舎
隣のブースでは、「安全教育評価システム」というデモを体験しました。事故りそうなシチュエーションの導入から始まり、指示に何となく従って作業を進めていくと事故ります。
振り返りが恐らくメインで、事故に至るまでの見落としや見るべき箇所などの確認が行われます。理解度テストを受けて行動の採点を受けて終了になりました。上司ボイスを信用せずに自分の判断で安全を確保するのがコツです。だいたい上司が無茶要求をするのがわるいですw
https://x.com/jun_mh4g/status/2100994382984060941
・つくし工房
こちらは緑十字会開催前からAR展示がある事をXでアナウンスしていましたので体験しに行くと決めてたブースです。ところが会場でおしゃべりしていたら終了間際になってしまいました。
VRコンテンツではトンネル掘削現場の崩落事故の体験をしました。さまざまな視点から事故の振り返りをするようになっていました。IDEALENS K4を初めて体験しました。
Quest3で体験するMRコンテンツでは、4人が同時に体験できる足場転落シナリオになっていました。ビデオシースルーモードで工事の足場を視界に重畳して、関連の労災シナリオにそれぞれ巻き込まれる擬似マルチプレイのコンテンツでした。自分が落ちるのも、NPCを落とすのもあります。落とす体験は初めてかもしれないです(やってみると悲しい)。
https://x.com/jun_mh4g/status/2101000302136807648
・積木製作
2019年のXR Kaigiの時に一度ビリビリさせてもらったのですが、今回もビリビリが置いてありました。今回体験したのは、ビル工事中の足場から物を下階に渡そうとして自分が転落するストーリーでした。
終了間際だったので長くお話はできませんでしたが、北海道土木・建築未来技術展などの情報を共有しました。
https://x.com/jun_mh4g/status/2101006191992488097
・大同メタル工業(展示終了により未体験)
撤収作業が続いているフロアをウロウロしていて初めて見つけたので、体験もできませんでした。残念。
今度どこで展示するかお尋ねしてみると、福岡で出展という事だったので、その情報を持ちかえって #福岡XR部 のチャットに投下してお知らせしておきました。10/14-16 ものづくりフェア2026です。
https://x.com/jun_mh4g/status/2101008397743296639
https://www.nikkanseibu-eve.com/mono/
退場前の感想
https://x.com/jun_mh4g/status/2101010429304803745
レアなご縁のその後
初日に三徳コーポレーションさんは #XRShimane をご存じであるだけでなく、A-kunもご存じと聞いたので、雑につぶやいてみたところ、翌日の午前にA-kunも参加してブース訪問していたようです。
私はたどり着くのが遅くて2日目にお話するタイミングを失ってしまいましたが、地域に2名の知人がいる状況というのは経験上結構いいので、もしかするとご縁が育つかもしれませんね。
https://x.com/A919515/status/2100759488580190602
業務改善ソリューションを見つけたいので、非ITの各業界イベントに行く必要が増えてきた
XRのBtoBビジネスが成熟してきた事もあって、新しいソリューションがXなどの一般的な場に具体的に出てくる事が無くなってきているように感じています。プレスリリースなどでは複数企業での共同で○○を開発しました!など報告がなされていますが、特にそれきりで体験の場への導線はない、みたいなケースも多いです。
東京のXR Kaigi, 地方のXR Kaigi Hubなどにもこれらは出展されないという事が分かってきた事もあり、私個人の情報収集の場は専門的な展示会にシフトしてきています。
やりとりの中で最近増やしてきている質問の1つが、
「ここ以外にどこで展示予定ですか?」
です。みなさん結構教えてくれます。
道外でも全然OKで、近所に技術コミュニティが存在していればそっちにチャットで投下したりしています。
今回の緑十字展参加についても、名古屋のXR Kaigiで出展してた西川コミュニケーションズさんのブースでこの質問をして札幌開催を知った事により実現しました。
業界イベントの分布ってわりと業界人しか知り得ないので、彼らに教えてもらえばBtoBに用いられているXRデモを体験しにいく事が出来るという気づきを得ました。これからも訊いてみようと思っています。
私からはオレオレカレンダー(知ったイベント全部載せ)を共有する事でお返しになればいいかなと思っています。新しい出展先をここから見つけてくれる流れになれば業界間の相互交流も進むものと考えています。
https://note.com/jun_vr/n/n6d4b7a2a63c8
地元のIT活用展示会のXRの割合がどんどん減っている問題
北海道では秋にビジネスEXPO、初夏に北海道土木・建築未来技術展、冬にMulti-Tech Exhibition(旧XR Exhibition)があり、大体ここに来ると数件のXR展示を体験することが出来ましたので通っていました。
https://www.caft-exhibition.com/
https://www.hmcc.jp/xRExhibition/2026/
それぞれの展示会で出展されるXRソリューションやハードウェアのブースは年々減り続けていて、近年だと2,3ブースになっているのが現状です。ですので、今回の緑十字展の方が多くの新コンテンツを見つけられました(ということでこの記事を書いています)。北海道のXR Kaigi的なイベントに成長する事を願っていたXR Exhibitionも今年にMulti-Techとリブランディングをしているため、今後XRの割合が上がる事は考えにくい状況です。
一方で有志の方ではVketReal in Sapporoが2年目も無事に開催されて、toC向けのコンテンツに触れることが出来ました。
その流れから産業向けXRの企画が派生するかは今後を見守るしかないのかなと考えています。
半常設の展示交流の場所は確保してあるので、こういう場所を使ってくれる流れになればまだギリギリ生きのこるかもしれませんがどうしたものかと悩み中です(言い出しっぺの私が就活中ですしね)。
https://note.com/jun_vr/n/n1432a9ed4dca
まとめ
展示会に行く事で新たに知った緑十字展で、既存の地元展示会に行くより多くのXRコンテンツを体験できる事になった話をまとめました。前回の応用物理学会の参加の時と同様、ブース出展者との共通の知人が全国のどこかで見つかる事が少しメリットになってきました。
札幌のBtoBはトーンダウンしている真っ最中ですので、なんとか流入してきてくれないかなと工夫を考えています。
次回の緑十字展は新潟での開催という事なので、#XR新潟 のグループチャットにはお知らせしておきました。
以上です。
(2026/10/4 初稿 180min 5188字)