海外システムを日本に導入する仕事で見えた、新しいエンジニアの姿
海外で使われているシステムを、日本のビジネスに合わせて導入する。
一見すると、システム要件を確認し、日本向けに実装する仕事に見えるかもしれません。
しかし、実際にはそれだけではありません。
イギリスのシステムを日本に導入したプロジェクトで、私はそのことを強く実感しました。
https://aontechblog.blogspot.com/2026/08/blog-post.html
仕様書だけでは、システムは動かせない
ロンドンから持ち込まれたシステム。
まずは仕様書を読む。
要件を理解する。
機能を確認する。
そして日本へ実装する。
ところが、実際に要件を読み込んでみると、日本のビジネスにはそのまま適用できない部分がありました。
なぜなら、システムの背景にあるビジネスルールそのものが、日本とイギリスでは違うからです。
そこで必要になるのが、
UK Business → Japanese Business → Japanese System
という変換です。
単なる翻訳ではありません。
業務を理解し、制度を理解し、システムを理解したうえで、日本の現場で使える形に変えていく。
「橋渡し役」という仕事
プロジェクトには、ロンドンから日本に滞在して支援するメンバーがいました。
日本側にも、英語ができ、システムを理解している人がいました。
彼らの仕事を見ていると、一般的な「システム担当者」という言葉では少し足りないと感じます。
イギリスの業務を理解する。
日本の業務を理解する。
システムの構造を理解する。
そして、両者の違いを整理し、関係者に伝える。
つまり、
言語 × 業務 × システム × 文化
をつなぐ仕事です。
フルスタックの、その先へ
IT業界には「フルスタック」という言葉があります。
フロントエンドからバックエンドまで、システム全体を理解できる人です。
でも、私が見た人たちは、さらにその先にいました。
システムだけではなく、イギリスと日本、それぞれのビジネスを理解している。
さらに、言語や文化の違いも理解している。
そして、その違いを乗り越えてプロジェクトを前に進める。
これは、単なるフルスタックではありません。
**異なる世界をつなぐ「グローバル・フルスタック」**とも呼べるような存在でした。
大変だけど、面白い
正直、この仕事はかなり忙しそうでした。
でも、同時にとても面白そうでした。
「こんな働き方があるんだ」
当時の私は、そんな憧れを抱きました。
一つの国のシステムを、別の国のビジネスに合わせる。
技術だけでは解決できない問題を、業務と人とコミュニケーションで解決する。
そして、国境を越えてチームをつなぐ。
これこそ、グローバルなITプロジェクトの醍醐味なのかもしれません。
これからのエンジニアに求められるもの
これからのIT人材には、技術スキルだけではなく、
・異なる業務を理解する力
・異なる文化を理解する力
・異なる言語をつなぐ力
・ビジネスとテクノロジーをつなぐ力
が、ますます重要になると思います。
「自分はエンジニアだから、システムだけ分かればいい」
そんな時代ではなくなっているのかもしれません。
世界と日本。
経営と現場。
ビジネスとテクノロジー。
人とAI。
その間にある「境界」を越えていく。
そんな人材が、これからのITプロジェクトを動かしていくのではないでしょうか。
技術を身につける。
そして、その技術で世界と世界をつなぐ。
そんな仕事に、私は今でも魅力を感じています。