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台湾の人材市場と優秀な人材を採用する方法【現地ビジネス10年】【日本人社長】

                           ※この記事は2017年3月に掲載されたものです

台湾での人材採用方法

リクルーティングメディア、ヘッドハンティングなど他国市場と同様の手法がありますが、大半の会社は104人材バンクというリクルーティングサイトをメインに採用しています。掲載料も期間保証で1ヶ月から選ぶことができ、多少のオプション料金などはあるにしろ、1ヶ月掲載料は約1万円ほどのため他国のリクルーティングコストと比べると非常に安価と言えます。104人材バンクが圧倒的シェアを持っていて「104、始めた」というのが就職、転職活動を始めたという意味を持つほどですが、1111人材バンクというメディアが続きます。その他に特化型として、スタートアップ向けのYourator、エンジニア向けのINSIDEというテックメディアの中のJob Boardなどが挙げられます。

各手法について

弊社での経験によるものではありますが、104人材バンクは最大手だけあって、応募はいっぱい来ますが、玉石混交で採用側のリソースがかかることがデメリットです。中でもスカウトメールのような機能を重宝していて、時間をかければいい人が見つかります。その他のサイトのほとんどは利用したことがないのですが、Youratorというスタートアップ向けのサービスからインビテーションをもらって無料で使えることもあり利用を開始したところ、スタートアップを探している能動的な求職者に出会えることもあり注目しています。

現在の人材市場について

台湾の経済状況が良いとは言えない状況のため、慢性的な買い手市場になっており、より好みしなければ人は見つかります。前職で台湾駐在をしていたこともあり、すごく苦労をした経験はなく、自社知名度が低かったフェーズは僕が足で稼ぐことで対応でき、あらゆる人脈や機会(レストランなどでも対応が良い人には声をかける)を使って採用していました。現在は消費者向けにもわかりやすい事業を行っており、ブランディングを強化しているため、非常に優秀な人材を採用できるようになりました。

日本との違いは?

1番大きい違いはやはり日本のような新卒一括採用がないところではないでしょうか。最近は大学内でも複数企業の説明会なども増えては来ていますが、採用のための企業説明会開催のような文化があまりありません。通年採用は双方にとってメリットもあるとは思うのですが、個人的に説明会を踏まえた後に一括採用のフローに乗せて進行する方法が効率的で教育的にも良いのではないかと思い、今年から基本的には4半期に一度の採用に変えました。これまで各国で働いた経験から日本のビジネスマン、ウーマンは非常に能力が高いと感じているのですが、新卒一括採用からの教育が一役買っているのではないかと感じており、弊社で日本の手法のいいとこ取りをしたいと思っています。

メディア環境でいうと、日本でもリクナビを代表するリクルーティングメディアが大量応募、大量面接を推奨しているため、大手のメディアを通じたリクルーティングはほぼ同じような状況になっているかと思います。この動画を見ると僕が就職活動をしたころからあまり変わってなさそうです。

台湾でのベストな人材採用方法とは?

まだ検討中です。(笑)台湾ではじめて2年になりますが、多くのいい人材が育ってきて、グループの中の台湾事業はみんなに任せれるようになってきました。おかげで僕は人事系の仕事にリソースを割くことができ、昨年から会社ホームページのリニューアル、MVPや社内通貨、リファレンス採用などの制度をいろいろ進めることができました。これからは攻めのリクルーティングを始める準備をしており、採用の4半期に一度にするのもその1つです。例外は出てくるかもしれませんが、4半期に一度でしっかりと必要な人材を獲得できるようにブランディングを進めますし、大学と連携したインターン制度なども始める予定でこれから良い方法がわかってくると思います。現在の営業トップに正式な人事部門の立ち上げをお願いしていて、売り手市場のリクルーティング手法も体験してもらうために、10月にアメリカで行われるHR technology conferenceに参加してもらう予定です。アメリカのカンファレンスはチケット費だけでも少なくない額ではあるのですが、現在の規模でも未来の人材のためであれば惜しくない投資と位置付けています。

どうしたら優秀な人材を採用できますか?

いくつかありますが、他国に比べて求職者より雇用側の立場が強くなっている印象があり、あまり従業員に対して気を使っている企業経営者が少ない気がしており、そのため求職者の企業に対しての信頼がないことがあります。日系企業ということで信頼を得ている部分もありますが、会社の情報をオープンにすることが重要だと考え、弊社の制度をまとめたりキャリアプランの提示をするようにしています。ある日本の会社の社長さんの言葉ですが、情報をオープンにしていけば人事の「遠心力」も働き、適切な人材が残っていくはずです。どれだけ経験を積んでも面接を通しての採用だけではミスマッチが起きてしますので、本当にマッチして活躍していける人材を残していけるかも重要なことです。

最後に繰り返しになりますが、慢性的な経済不況で買い手市場にある台湾には不遇な待遇になってしまっている優秀な人材が非常に多くいます。多くのやる気のある人材に活躍の場を提供したいという思いが強く、日本的な経営や日本人と台湾人のコラボレーションは非常に相性が良いと思っています。会社としては常に活躍の場を提供できるように、会社を新しいステージに進めていけるようにプレッシャーを感じながら経営しています。

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