2024年12月〜2025年1月の2ヶ月間、宿場JAPANでは一つの大きなチャレンジがありました。男性社員初の育児休業取得です。
その第一号となったのは、宿場JAPANで7年間にわたってゲストハウス運営を担ってきた長谷川マネージャー(以後:ペキンさん)。2人目のお子さんが生まれるタイミングで、約2ヶ月間の育休を取得されました。
宿業界では、前例が少ない男性の育休取得。その背景や葛藤、そして「育休を取って見えた景色」について、ペキンさんと代表玉井(渡邊)崇志(以後:タカさん)にお話を伺いました。
“仕事を一旦手放す不安”と“子どもの成長を間近で見れる喜び”──ペキンさんの育休体験
育休を取得したペキンさん、今回の育休についてお話を聞かせてください。
2024年末から2025年の初めにかけての約2ヶ月間、第二子の誕生に合わせて育児休業をいただきました。
タカさんから育休についての提案をされた時は、どんな気持ちでしたか。
育休の実感があまりないというか、今まで働いていた7年間の日常がストップするイメージができませんでした。
第一子が生まれる時は、コロナ真っ只中で自宅にいる時間も多く、育休を取らずともいいバランスで働けていました。同時期に、他のスタッフもお子さんが産まれたので、お互いに調整しながら業務をしていましたね。
ペキンさんが育休を取ると聞いた奥さんの反応は?
奥さんは「育休を取ってくれるなら嬉しい」という感じでした。
第二子となると、長女のケアもしながらお世話をしないといけないので…。
奥さんが産休育休に入ることで、長女の保育園の預かり時間も短くなってしまうので、長女の生活のケアも必要でした。
育休が始まった時はどんな気持ちでしたか。
育休に入る直前は、正直なところ実感がなかったですね。“休む”って言われても、自分の中ではまだスイッチが切れてなかったんです。
休んで見えた“日常”の重み
第二子が誕生してからは、どのような1日を過ごしていましたか。
育休が始まってからの毎日は、まさにノンストップでした。(笑)
朝5時前に起きて、赤ちゃんの授乳やオムツ替え、家事、そして長女のごはん用意や登園準備をして保育園に送ります。家に帰って、次の授乳、洗濯、奥さんと自分の昼食の準備…。自分の時間なんてほとんどありませんでした。
ですが、その分“子どもの成長を間近で見られること”の価値を、すごく感じました。
また、奥さんへの感謝の気持ちもより深まりました。
育休中、孤独感を感じる人も多いようですが、ペキンさんは大丈夫でしたか。
家族とだけ話す日が続くと、ちょっと孤独も感じましたね。でも、その時間があったからこそ、夫婦で今後のことをちゃんと話す時間が取れたし、自分の人生についても改めて考えることができました。
そういう意味では、仕事を一度止めるからこそ得られる視点ってあるんだなって思います。
また、地域の行事に顔を出す機会もあり、その際に社内のメンバーとも合うこともあり、仕事をライフワーク的にやっていることに気づくこともできました。
“仲間がいてくれたから安心して休めた”──育休中に仕事のことが気になった?
ゲストハウスのマネージャーとして緊急対応もしていたペキンさん。育休中に仕事の連絡が気になることはありましたか。
育休中は、仲間がしっかりと現場を回してくれたので、安心して休めました。
とはいえ「現場が気になる気持ち」がゼロだったわけではありません。
「ゲストハウスでトラブル!」みたいな連絡を見たときは「今から駆けつけ行こうか?」ってなりました。でも、グッとこらえて「見なかったことにしよう」と。(笑)
そんなふうに言えるのも、支えてくれた仲間がいたからこそと感じます。
本当にありがたかったし、やっぱり“このメンバーだから任せられる”って思えたのは大きいです。
復帰は現実への急降下?──育休後のハナシ
「復帰は“現実への急降下”だったけど、やっぱり仲間に会えてよかった」
育休からの復帰は、ゆっくりと…とはいかなかったようですね。
はい。(笑)
『ちょっとずつ戻る』つもりだったんですけど、復帰直後にLOCAL CONNECTという大きなイベントがあり、いきなりフルスロットルとなりました。「本当に2ヶ月休んでたのかな?」って思うくらい。(笑)
でも、何年も働いてきたので体が自然に動く。自転車のように、ちょっと乗れば思い出せる感覚がありましたね。
そして何よりみんなに会えたのが嬉しかったです。
仕事復帰後、育児と仕事のバランスはどうですか。
家では引き続き子育てに奮闘中です。朝5時半には赤ちゃんに起こされる毎日が続いています。
奥さんも職場復帰しました。これからは、送り迎えのどちらかはできるようにしたいですし、奥さんが「これをやりたい!」と言ったときには、ちゃんとサポートしたいです。二人の父として、奥さんと協力して育児をしていきます。
育休は自分自身を見つめ直す時間でもある。──育休を振り返って
宿場JAPANで今後育休を取る人に伝えたいメッセージはありますか。
今回、育休を取って思ったのは「これは家族のための時間だけではない」ということです。育休中は、自分自身と向き合う時間でもありました。
仕事のこと、これからのキャリア、家族の未来…。普段の忙しさの中ではなかなか考えられないことにも、ちゃんと向き合えたんです。
奥さんともじっくりと意見交換できる時間にもなりました。
だからこそ、これから育休を考えている人がいたら「休めるなら、長く休んだほうがいい」と伝えたいです。
「ライフステージを理由に手放すのではなく、乗り越える会社にしたい」──代表タカさんの想い
宿場JAPAN初の“育休取得”を推奨した背景をお聞きしたいです。
正直、育休を出すのは厳しい時期でした。年末年始の繁忙期と被っていましたし、人数的にも余裕があるわけではありません。でも“ここで一歩踏み出すこと”が、会社の未来にとって意味があると思ったんです。
東京都の支援制度があったことも、背中を押す要因のひとつでした。
一定の条件を満たすと、臨時でスタッフを雇う分の補助が出るんです。だから、金銭的な不安がゼロとは言えないけど“なんとかなる”と思えました。
今回の育休は、社内外に向けてある種のメッセージも込められていたとか…?
はい。今回の育休取得は、社内外に向けてあるメッセージを込めて「会社としてやりきろう」と決断しました。
宿泊業界やまちづくりの仕事って、やりがいがあって魅力的。でも、その一方で、ライフステージの変化──結婚、出産、子育て──で離れていく人が多いのも事実なんです。今回の育休が“ライフステージを理由に諦めなくてもいい”ことの一つの証明になればと思っています。
これから先「こんなふうに育休を取れた」「こんな準備で現場が回った」という実例になればいいなと。宿場JAPANだけじゃなく、宿やまちづくりに関わる仲間たちにも届いたら嬉しいです。
宿場JAPANは「どのライフステージでも、働き続けられる職場」を目指しています。
ペキンさんの育休取得は、宿場JAPANにとっても初めての試みでした。
宿場JAPANは“ライフステージが変わっても働き続けたい”と思える場所にしていきたいと考えます。ベンチャーの宿泊業やまちづくり業界で、男性の育児休業はまだ多いとは言えません。だからこそ、私たちが先駆けになれたらと思っています。
子育てが落ち着いて戻ってくる人もいれば、今まさに家庭を築いている人もいる。どんな状況の人も、人生を通して関わり続けられる、そんな会社を目指しています。
宿場JAPANでは、一緒に働く仲間を募集しています。
「ライフステージが変わっても関わり続けられる仕事がしたい」
「まちの人と一緒に生きていく働き方に興味がある」
そんな方は、ぜひ採用情報をご覧ください。