ChatGPTの裏側には、クラウドエンジニアがいる――
ChatGPTをはじめとする生成AIが、私たちの仕事と生活に一気に入り込んできました。
「AIが仕事を奪う」なんて話もありますが、いま世界的に深刻な人材不足が叫ばれているのは、AIやクラウドを“動かす側”のエンジニアです。
ChatGPTを運営するOpenAIも、Microsoft Azureだけでなく、Oracle Cloud Infrastructure(OCI)を組み合わせてAI向けの計算リソースを増強していくことを発表していましたが、(出典:Oracle Corporation "OpenAI Selects Oracle Cloud Infrastructure to Extend Microsoft Azure AI Platform" (2024/6/11) http://oracle.com/news/announcement/openai-selects-oracle-cloud-infrastructure-to-extend-microsoft-azure-ai-platform-2024-06-11/)その巨大なインフラを設計し、守り、進化させているのがクラウドエンジニア という仕事です。
今回インタビューに応じてくれたのはTech&Boost事業部が誇る
自称キラーコンテンツ😏✨こと、川渕翔太郎さんです!
そもそもクラウドエンジニアとは?
身につく力とは?ーー
ひと言で言えば、「お客さまのビジネスを支える、見えない土台(インフラ)を進化させていく仕事」です。その土台が現代ではクラウド上に設計し、作り、守り、進化させていく手法が主流になっています。
私たちがやっているのは、例えるなら「未来の街づくり」みたいなものです。
お客さまが「こんな便利な建物(システム)を建てたい!」と考えたとき、私たちはその建物を支える「土地(クラウド環境)の区画整理や、水道・電気・ガスなどのインフラ設計」を担当します。私が得意とするOCIは、この「土地」を提供する強力なツールの一つです。
クラウドエンジニアの仕事で身につく力で一番大きなものは、物事を整理し、道筋を立てる「論理的思考力(問題解決能力)」だと思います。
「こうしたい」を実現するために、インフラをどう設計するかが非常に重要になるので、エンジニアとしてのスキルも、会社全体を見る目線も両方を養うことができます。
なぜ今、Oracleなのか?
OpenAIも選んだ“AI時代のインフラ”
クラウドと聞くと、多くの方はこの3社を思い浮かべると思います。
・Amazon Web Services(AWS)
・Microsoft(Azure)
・Google(GCP)
実際、この3つは“3大クラウド”として有名です。
ただし、企業システムの世界では、もう一つ外せないプレイヤーがあります。
それが Oracle Cloud Infrastructure(OCI) です。
2024年、Oracle・Microsoft・OpenAIは、AzureのAIプラットフォームをOCIへ拡張するパートナーシップを発表しました。AIのど真ん中にいるOpenAIが、わざわざOracleと組む――この事実は、Oracleのクラウドが性能・コスト・セキュリティのバランスに優れたインフラとして世界的に注目を集めていることを示す一例と言えます。
日本への80億ドル超投資という“本気度”
さらにOracleは2024年4月の発表で、今後10年間で80億ドル(約1兆円超)を日本のクラウド・AIインフラに投資する計画を公表しました。この投資により、日本国内のデータセンター拡張や、日本企業向けのサポート・エンジニアリング体制が大幅に増強されていきます。
日本のエンタープライズ企業が重視するのは、
- 信頼性(止まらないこと)
- 安全性(日本国内で完結できること)
- スケール(急激な利用増にも耐えられること)
- スピード(AIやDXを一気に進められること)
これらに対して、Oracleは「日本の主権を守りながら、AI時代のインフラを支える」 という文脈で本気の投資を掲げています。つまり、今後10年で『日本企業がOracleクラウドを採用するケース』は増えていくと見込まれます。
将来性は分かったけど、やっぱり難しいのでは?ーー
(カメラを向けるとすぐにふざけてくれる川渕さん(^^)/)
結論から言うと、「簡単ではないけれど、乗り越えられる、やりがいのある難しさ」だと思います!どんな仕事も最初は壁にぶつかると思います。
クラウド領域の勉強をし始めたころはその壁にぶち当たりましたが、今では難しいよりも「新しい技術を学びたい!試したい」という気持ちが勝っています。
難しさのポイントとしては、学ぶ領域が広いという点だと思います。
ひとえにクラウドと言っても、ネットワーク、セキュリティ、運用などカテゴリが分かれているため、理解するポイントがたくさんあります。
でもそれは安定した会社やシステムの基盤を整えていくには、重要になります。
だからこそ、自分が会社を、システムを時に守り、時に強化し、時にブースト(最適化)させることができるのは最大の魅力だと思います!
どんなキャリアパスがあるの?ーー
いろんなキャリアの選択肢があると思いますが、僕は大きく3つで考えています。
-専門性を極める「スペシャリストへの道」
-チームとプロジェクトを率いる「マネジメントへの道」
-経験を活かし、全社最適を図る「コンサルタントへの道」
があると思います。
スペシャリストへの道では、
技術や役割に特化し、社内や業界で「この分野ならこの人!」と言われる存在を目指すキャリアです。クラウドアーキテクト(設計のプロ)やセキュリティエンジニア(守りのプロ)などが挙げられます。
マネジメントへの道では、
技術的な知識をベースに、チームやプロジェクト全体を管理・推進する役割を目指すキャリアです。プロジェクトマネージャー(PM)やテックリード(技術リーダー)として、チーム全体を牽引します。
コンサルタントへの道では、
企業の経営課題に対し、「クラウドを活用することで、こんな風に解決できますよ」と戦略的なアドバイスを行うキャリアです。エンジニアとしての技術スキルの他に経営目線も必要になり、一味違ったやりがいを味わえます。
実際に川渕さんはどんな案件に携わったの?ーー
一番思い入れのあるプロジェクトの話をさせてください!
それは社内のサーバー移管になります。
弊社では社内教育システムとして「FALCON」というサービスを開発しています。
そのFALCONを含む全社的なサーバーをAWSからOCIへ切り替えるというものでした。
ここで大変だったのは、AWSも一緒に勉強しないといけないことでした・・・
概念的なものは似ているので、ある程度理解できるのですが、
クラウド全体を把握しつつ、類似サービスと紐づけたりなどであっという間に時間が過ぎていく焦りもありました。
この業務の中で、一番全体像を俯瞰できたのは、下手くそながらも、
自分でアーキテクチャ図のAsIsTobeを作成した時でした。
その時に頭の整理がだいぶ進み、壁を乗り越えられた気がします。
その後、周りのサポートも受けながらなんとか自分主体で構築し終えたときの達成感は今でも忘れません。
やっぱり、何事も最初のトライや躓きは思い出になりますし、
自分の頑張れるきっかけになるんだな、「スポーツと一緒だな」と思いました笑
これからチャレンジする人に向けてのメッセージ
(後輩を撮影に巻き込んでとっても楽しそうな川渕さん(^^)/)
まずはとにかく「触れる」ことだと思います。
OCIは無料で試せるトライアルが提供されています。
なのでまずは触れて、理解していくのが一番成長できると思います。僕も最初はクラウド上にWordPress構築することをひたすら繰り返し、理解を深めました。
できないことができるようになる瞬間を楽しめる人、
そして、自分のスキル伸ばしつつ、システムや会社の成長に携わりたい人は
ぜひチャレンジしていただきたいです!