「急成長スタートアップのシステムの裏側を紹介」 ABEJA Innovation Meetup #8

先日の1/26(木)、ABEJA Innovation Meetup運営チームが主催する「ABEJA Innovation Meetup #8」が開催されました。

#8のテーマは『トップエンジニアが解説!急成長スタートアップのシステムの裏側とAWS等最新技術活用事例』。システム全体像やインフラアーキテクトを各界のトップエンジニアたちに解説いただきました。

ABEJA Innovation Meetupとは

これからの時代は、数学や物理をはじめとする基礎理論を習得し、最先端テクノロジーを理解することで、世の中の大きな課題解決のために、テクノロジーをビジネスとして活用できる人財(テクノプレナー)が、次世代をけん引していくことでしょう。

ABEJA Innovation Meetupとは、この大きな産業構造変革のうねりの中で、テクノプレナーとして新しい時代を築こうとする人々が集うコミュニティです。 知見を共有し合うことでお互いに高めあったり、新しくビジネスを生んだり、研究開発の糧にしていただけることを目指しています。定期的に、IoT・BigData・AIに関連する、最先端テクノロジーを題材にした、カジュアルなイベント(LT大会、交流会、勉強会など)を行っています。

#8 イベント概要

LT1:「分散AI基盤のつくりかた」株式会社ABEJA 河崎氏

LT2:「サーバレスアーキテクチャのアンチパターンと活用方法」株式会社アイレット 村主氏

LT3:「AWSのラッパー系サービス事例から見るアプリケーションライフサイクルの考察」株式会社クラスメソッド 大瀧氏

懇親会

LT1:「分散AI基盤のつくりかた」

株式会社ABEJA IoTAnalyticsチーム プロダクトオーナー 河崎氏

全国で数千台が稼働するカメラデバイスを、運用するうえで解決した「計算リソース管理」「効率化された分散方法」など紹介しました。

ABEJA Platform for Retailの概要はこちら

カメラデバイスを運用する上での難しさ

サービスが拡大すると、設置するカメラデバイスと共にデータのインプット量が比例して増えていき、データ解析に要する計算リソースをどうやって効率的に分配するかが問題になっていく(河崎氏)

Dockerを駆使する

問題点を解決するには、運用コストのかからないElasticな実行インフラが必要になる。そこで導入したのがDocker。コンテナ化することによって、煩雑な管理から開放された。

最近では、コンテナのスケジューラが実用レベルまで上がってきている。そして、アプリに関しても、コンテナでラッピングしているので増えてもが問題ない(河崎氏)

ポイントとなった点

・コンセプトスケッチレベルではあるが、今後AI基盤を実装していくにあたり課題になるであろう点にいち早く取り組んだこと

・elasticであるためにコンテナを用いて極力ステートレスを指向している点

・AI基盤のコンセプトアーキテクチャに対するいち早い発信である点

所感

データ量の増大やそれを解析するアプリケーションの増加に対応するために、分散AI基盤として考えなければならない課題とそれに対するABEJAのアプローチに関する講演でした。
それらの課題に対して、Dockerを採用し、柔軟なアプリケーション管理と実行インフラのスケーリングで解決を指向していく点が具体的で面白かったです。

今後、AI基盤を実装していくにあたり、課題になるであろうポイントに対するいち早い取り組みである点は見どころでした。
特に、ある種のサーバレスで"攻めた"アーキテクチャである点は非常におもしろいものでした。


発表資料はこちら▼


LT2:「サーバレスアーキテクチャのアンチパターンと活用方法」

アイレット株式会社 cloudpackグループリーダー 村主氏

サーバレスアーキテクチャの「知らなければ確かに設計してしまいそう」というアンチパターンを事例ベースで紹介していただきました。


アンチパターン紹介

・SDKを使わずにデータを投げる

→可能な限りSDKを使いましょう。エラー処理等も実装されているため、煩雑な実装が必要なくなる。

・「とりあえずlambda firstで」

→処理量が多い場合はEC2よりも高くなる場合もある。サーバレスが必ずしも安いとは限らないため、コストの試算は必要。

・APIGatewayで重い処理を実行

→APIGatewayは30secでタイムアウトしてしまう。重い処理は避け、非同期Lambdaで実装する。

・1Lambdaで複数処理してしまう

→ 複数の処理を実行してしまうと、リトライの実装が面倒になるのでFunctionは短く保ったほうが管理し易い。そして監視は絶対に行いましょう。

・LambdaのバックエンドにRDSを使用

・Lambdaのバックエンドにdynamoを使用

・直接kinesisに繋げてしまう

 etc...

ポイントとなった点

・事例を踏まえているからこそのリアルさがあり、知らなければ設計してしまいそうであった点

所感

過去の経験に基づいたAWSサーバレスアーキテクチャのアンチパターンに関する講演でした。
事例を踏まえているからこそのリアルさがあり、知らなければ確かに設計してしまいそうなのでとても参考になる情報でした。

特に、コスト面でも性能面でもEC2がLambdaを上回る可能性があることは,サーバレスが流行っている昨今の状況下では教訓であろうと思います。

新しいアーキテクチャに対して、正しい使い方を学び、柔軟に対応することがエンジニアとして必須であることを強く意識しました。


発表資料はこちら▼



https://speakerdeck.com/shogomuranushi/sabaresuakitekutiyafalseantipatantohuo-yong-fang-fa-20170126


LT3:「AWSのラッパー系サービス事例から見るアプリケーションライフサイクルの考察」

クラスメソッド株式会社 AWS事業部 シニアソリューションアーキテクト 大瀧氏

AWSに精通した大瀧氏がAWSの内情を想像しながら、サービスモデル・ビジネスモデルを語っていただきました。


「AWSのラッパー系サービス」という存在

「AWSのラッパー系サービス」とは、中身はEC2だが、それのフロントになるものの総称を意味する造語。ほとんどの場合、無料でサービスを使用できることから、EC2を使ってもらうための施策だと思われる。もしかしたら、サービス終了してしまう可能性も・・・

・Elastic Beanstalk

・OpsWorks

・CodeDeploy

Systems Manage

・EC2 Container Service

 etc...

ここ最近、LambdaやECSに対するラッパーサービスがあらわれてきたのも注目する点(大瀧氏)


アプリケーションライフサイクル

最近のAWSはアプリケーションサイクルを意識するニュアンスのサービス設計が多い(大瀧氏)

実行時間別アプリケーションサイクル例

・0〜1秒 → Lambdaを検討

・1秒〜数分 → EC2 Spotを検討

・∞ → EC2 Ondemant/AWI Gatewayなど


ビジネス/サービス開発視点の考察

Amazonにはビジネスモデルのヒントがいっぱいで、AWSの値付けには"中の人"の懐事情やメッセージが詰まっている。

ユーザが増えていくことで価格が下がってきているが、利用者を増やすための戦略であるとも推測できる。

サービスとビジネスのエコサイクルとして「Amazon Dash Button」「Amazon Prime」が挙げられる(大瀧氏)

ポイントとなった点

・AWSに精通した人間によるAWSの内情に関する、データに基づいた考察である点

・Amazonというビジネスモデルが今後のITサービスの売り方を示唆していると捉えている点

・AWSのテクニカルな面ではなく、ビジネスに近しい面に関する講演である点

所感

AWSに精通した大瀧氏によるAWSの内情・ビジネスに関する考察に触れられる講演でした。
AWSのテクニカルな面に関する講演が多い中、内情やビジネス構造に関する講演であった点は興味深かったです。
特に、AWSのサービスリリースから、"中の人"の懐事情やメッセージを考察している点がおもしろかったです。
Amazonのビジネスを参考にITサービスの売り方を考察していきたいと思います。


発表資料はこちら▼


懇親会も大盛況でした!

今回の懇親会も多くの皆さまにご参加いただきました。

お酒や軽食を交えながら
企業の範疇を超えた、様々な意見交換であったり、事例、トラブルシューティングなどの情報交換を行いました。

最新のテクノロジーを使っていく方々が同じ場に集い、情報を交換することで「技術を大きく成長させるコミュニティー」になることを目指します。

次回もぜひ懇親会までご参加ください!


次回Meetupの最新情報はこちらから


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