こんにちは。aciassの髙野です。
突然ですが、ちゃんぽんを注文するとき、ライスも一緒に頼みますか?
長崎ちゃんぽんを思い浮かべた方なら、一緒に食べてもいいかなって思ったかもしれません。
でも、沖縄で同じ質問をすると、少し不思議な顔をされるかもしれません。
というのも、沖縄のちゃんぽんには、最初からご飯が入っているからです。
長崎ちゃんぽんは、野菜や肉、魚介などが入ったスープ仕立ての麺料理。
一方、沖縄のちゃんぽんは、野菜やひき肉などを炒め、卵でとじた具をご飯の上にのせた、米料理です。
つまり、沖縄で「ちゃんぽんにライスをつけてください」と注文するのは、カツ丼と一緒にライスを注文するようなものです。
もちろん、店員さんが確認してくれるかもしれません。でも、そのまま注文が通ったら、目の前にはご飯とご飯が並ぶわけです。
同じ「ちゃんぽん」という名前なのに、出てくる料理がまったく違う。
なかなか面白い話ですよね。
そして、この話を聞いて、私はaciassでの仕事にも似たようなことがあるなと思いました。
同じ「ちゃんぽん」でも、まったく違う料理
「ちゃんぽん」と聞いて思い浮かべるのは長崎ちゃんぽん、という人が多いのではないでしょうか。
豚骨や鶏ガラなどをベースにしたスープに、たっぷりの野菜や肉、魚介、そして太めの麺が入った料理です。
一方、沖縄のちゃんぽんは、いわゆる丼ものです。
炒めた具材を卵でとじ、ご飯にのせて食べます。
どちらも「ちゃんぽん」ですが、麺料理とご飯料理なので、そもそも料理の種類が違います。
面白いのは、どちらかが間違った名前を使っているわけではないことです。
長崎では長崎のちゃんぽんがあり、沖縄には沖縄のちゃんぽんがある。
それぞれの地域で、ちゃんと料理として成立しています。
だから、長崎ちゃんぽんを知っている人が沖縄で「ちゃんぽん」を注文しても、店員さんからすれば、普通にちゃんぽんを出しただけです。
注文した側も、ちゃんぽんを頼んだつもりです。
お互いに同じ言葉を使っているのに、頭の中にあるものが違う。
ここが今回の話の面白いところだと思っています。
同じ言葉でも、思い浮かべるものが違う
この話を聞いて思い出したのが、IT業界での仕事です。
例えば、エンジニアの採用面談で「JavaScriptの開発経験があります」と聞いたとします。
言葉としては、何もおかしくありません。
ただ、その人が経験してきた「JavaScriptの開発」と、面接官が想像している「JavaScriptの開発」が同じとは限りません。
既存のWebサイトでjQueryを使って画面を修正してきた人もいれば、Reactを使ってアプリケーションを開発してきた人もいます。
Node.jsでバックエンドを開発してきた人もいるでしょう。
どれもJavaScriptの開発経験です。
でも、実際にやってきた仕事はかなり違います。
もし面接官が「JavaScript経験あり」という言葉だけを聞いて、Reactでの開発も問題なくできるだろうと判断したらどうでしょうか。
本人は嘘をついていません。
面接官も、わざと誤解したわけではありません。
ただ、同じ言葉を聞いて、違うものを想像していただけです。
ちゃんぽんを注文したら、思っていたものとは違う料理が出てきた。
それと少し似ている気がします。
「リモート希望」も、人によって違う
営業をしていると、こうした認識の違いはよくあります。
例えば「リモート希望」という言葉です。
ある人にとっては、フルリモートであることが絶対条件かもしれません。
別の人にとっては、週に2〜3日リモートで働ければ十分かもしれません。
あるいは、普段はリモートで働きたいけれど、月に数回の出社なら問題ないという人もいます。
全員が「リモート希望」と言っています。
でも、希望している働き方は同じではありません。
「上流工程に挑戦したい」という言葉もそうです。
要件定義から顧客と直接話したい人もいれば、まずは基本設計の経験を積みたい人もいます。
「新しい技術に挑戦したい」も、人によって意味が違います。
これまでの経験を生かしながら新しいフレームワークを使いたいのか、まったく別の技術領域に移りたいのか。
言葉だけを見れば同じでも、その先にある希望は違います。
ここを確認せずに案件を探してしまうと、営業としては希望に合う案件を提案したつもりでも、本人からすると「そういう意味じゃなかった」ということが起こります。
ちゃんぽんを頼んだら、ご飯が出てきたようなものです。
しかも、仕事の場合は料理と違って、「思っていたのと違った」で簡単に済ませられないこともあります。
確認するのは、相手を疑っているからではない
では、こうした認識の違いをなくすにはどうすればいいのでしょうか。
私は、結局のところ、もう少し具体的に聞くしかないと思っています。
「JavaScriptの経験があります」
と言われたら、どんなシステムで、どんな技術を使って、どの工程を担当してきたのかを聞く。
「リモート希望です」
と言われたら、どの程度の出社までなら可能なのか、なぜその働き方を希望しているのかを聞く。
「上流工程をやりたいです」
と言われたら、具体的にどんな仕事を想像しているのかを聞く。
もちろん、何でも細かく質問すればいいわけではありません。
相手によっては、何度も確認されると面倒に感じることもあるでしょう。
ただ、後から認識の違いが分かって困るくらいなら、最初に少しだけ具体的にしておいた方が、お互いにとって楽だと思っています。
そして、これは相手の言葉を疑っているわけではありません。
相手は相手なりに、正しい言葉を使っているはずです。
ただ、その言葉から自分が想像したものが、本当に相手の伝えたかったものなのか。
そこを確認したいだけです。
相手が何を言ったのかだけではなく、何を意味して言ったのか。
その違いは大きいと思っています。
aciassでも、分かったつもりにならない
aciassでは、エンジニア本人の希望を聞きながら、参画する案件を検討しています。
会社側だけで一方的に案件を決めることはしていません。
ただ、本人に希望を聞いたからといって、それだけで希望を理解できたとは思っていません。
例えば、「Reactを使いたい」と言われたとき。
Reactを使うこと自体が目的なのか。
モダンなフロントエンド開発の経験を積みたいのか。
将来的にフロントエンドを専門にしたいのか。
それによって、考えられる選択肢は変わります。
Reactを使わない案件でも、本人が目指すキャリアに近づける場合があるかもしれません。
逆に、Reactを使っていても、本人が経験したい仕事内容とは違う場合もあります。
だから、単純に希望する技術と案件の技術が一致したからといって、それで十分だとは考えていません。
もちろん、本人の希望をすべて叶えられるわけではありません。
案件の状況や本人の経験によって、できることと難しいことがあります。
そのためにも、まずは本人が何を求めているのかを理解する。
そして、aciassとして何ができるのかを伝える。
そこを大切にしたいと思っています。
分かっているつもりが、一番厄介なのかもしれない
仕事で認識の違いが起きるとき、必ずしも難しい専門用語が原因になるわけではありません。
むしろ、普段からよく使っている言葉の方が、確認せずに話が進んでしまうこともあります。
「対応しておきます」
「なるべく早くお願いします」
「一通り確認しました」
「問題ありません」
どれも普通の言葉です。
でも、「対応する」とは何をどこまでやることなのか。
「早く」とは今日中なのか、今週中なのか。
「一通り確認した」とは、どの範囲を確認したのか。
人によって、思い浮かべているものが違うかもしれません。
知らない言葉なら、その場で聞けます。
でも、知っている言葉だと、つい自分の知っている意味で理解してしまいます。
そこが厄介なのだと思います。
長崎ちゃんぽんしか知らない人が、沖縄で「ちゃんぽん」と書かれたメニューを見たら、特に疑問を持たずに麺料理を想像するでしょう。
だって、ちゃんぽんを知っているからです。
知らないことより、知っているつもりになっていることの方が、認識の違いに気づきにくい。
仕事でも、そんな場面は意外と多いのかもしれません。
最後に
沖縄でちゃんぽんを注文すると、ご飯の上に具材がのった料理が出てきます。
長崎ちゃんぽんを想像していた人からすると、かなり意外な光景でしょう。
でも、沖縄の人からすれば、それが普通のちゃんぽんです。
どちらも間違っていません。
ただ、同じ言葉から想像していたものが違っただけです。
仕事でも、こういうことは日々起きていると思います。
同じ言葉を使っているから、同じことを考えているとは限らない。
だからこそ、aciassでも、エンジニアの経験や希望、お客様からの相談など、言葉だけで分かったつもりにならず、その中身を理解することを大切にしていきたいと思っています。
ちなみに、沖縄の食堂でちゃんぽんを注文して、「ライスもつけてください」とお願いしたら、どうなるんでしょうね。
大盛りにしてくれるのか、別に白ご飯が出てくるのか。
ちょっと気になりますが、私は沖縄そばが食べたいです。
それでは、また。