「人間の心理や行動特性を探求することで、真に役に立つ製品、サービス、またそれらを支える仕組みを創出し、豊かな社会の実現に貢献する」を理念に掲げるビービット。
UX &ビジネスストラテジーに所属するコンサルタントは、ビービットが強みとするUXケイパビリティに基づくソリューションとお客様の事業課題との橋渡しを行い、統合的な解を提供する事で、UX起点でのビジネス変革を実現しています。
今回は、UX &ビジネスストラテジーにてコンサルタントとして活躍する木倉 悠太朗さんをご紹介します。
木倉 悠太朗(きくら ゆうたろう)/ UX & ビジネスストラテジー/ コンサルタント
大学卒業後、ITスタートアップにて営業職として従事。SaaSプロダクトの法人営業を経験する中で、「売って終わり」ではなくサービスを通じて顧客の業務改善を支援したいという思いが強まり、ビービットへ転職。2022年の入社後はUXグロース部にてデジタルプロダクトの体験改善に取り組み、UXデザイン部を経て、現在はUX & ビジネスストラテジーに所属。コンサルティングサービスを提供する全部門を経験した唯一のメンバーとして、ボトムアップとトップダウン双方の視点を持ちながらクライアントの事業変革を支援している。
── 現在はどのような仕事を担当していますか?
「UX&ビジネスストラテジー」という言葉の通り、UX的な考え方とビジネス的な考え方の両面に立ちながら、どうすれば事業として成果が出て、かつユーザにも喜んでもらえるのかを考える仕事をしています。
一般的にUXとビジネスは切り離して考えられがちですが、本来は一緒に考えるべきもの。それでもなかなか両立が難しいのが現実です。「どうやったら売上が立つか」というビジネス視点と「ユーザが本当に喜ぶ体験とは何か」というUX視点を同時に持ちながら、クライアントと一緒に答えを探していくのが私の役割です。
具体的には、大手保険グループのCX組織づくりを支援したり、自動車メーカーの新規サービスアイデアをUX視点で具現化したりと、案件の種類は様々です。クライアントにワークショップを提供することもあれば、サービス構想段階から議論を重ねていくこともあります。ただ共通しているのは、常に「ユーザを主語にして考える」ということ。その軸はどの案件でもぶれません。
── ビービットに入社した理由を教えていただけますか?
大学時代は正直あまり就活に力を入れておらず、とりあえず「社会人の基礎を学べる場所」としてSaaS企業の営業職を選びました。営業は数字を追う面白さはあったんですが、だんだんと「売って終わり」に物足りなさを感じるようになっていって。
転職を考え始めたのは、サービスを届けた後にお客さんの業務がどう変わったか、そこまで伴走できる仕事がしたいと思ったからです。それに近いのはコンサルかな、と思いながら候補を見ていたときに、ビービットを見つけました。
決め手になったのは、大学時代の経験でした。当時YouTubeでゲーム実況をやっていて、「どうすれば再生数が伸びるか」「どんなサムネイルが刺さるか」「いつ投稿するべきか」など、ユーザの行動をずっと分析していたんです。面接でUXの説明を受けたとき、「あ、これって自分がずっとやってきたことと同じだ」と気づいて。ビービットが出版した「アフターデジタル」もこのタイミングで買って読んで、自分が「はまれる」領域だと直感しました。
── 入社してからのキャリアについて教えてください。
2022年の入社後、最初の2年間はUXグロース部に所属しました。デジタルを中心とした顧客接点を継続的に改善していく仕事で、ユーザの行動データを分析して施策を提案し、一つひとつ数字を動かしていく、ボトムアップな改善活動です。
その後UXデザイン部を経て、現在のUX &ビジネスストラテジー(UBS)に異動しました。UBSへの異動のきっかけは、たまたまアサインされた案件でした。大手保険グループの案件で、複数の事業会社を横断してカスタマージャーニー*1を描くワークショップを担当したのですが、これが今まで経験してきた仕事とはアプローチが全く違っていて、面白くて。「UBSって面白い場所かもしれない」と思ったのが、異動オファーを受けた理由でした。
今はUXグロース・UXデザイン・UBSの3部門を経験した唯一のメンバーになっています。それぞれの現場で見てきたことが少しずつつながってきている感覚があって、それ自体がとても面白いです。
── UBSの業務で印象に残っているプロジェクトを教えてください。
二つあります。
一つ目は保険グループの案件です。グループ内の複数会社をまたいで、顧客視点でジャーニーを考えるワークをクライアント自身に実践してもらうというものでした。UXグロースでは自らがユーザ視点で課題を分析し、改善案を立案することで、現場レベルからボトムアップ的にUXの考え方をインストールするという方法でしたが、UBSではワークショップを開催することで、UXの考え方そのものをインストールし、トップダウン的に事業課題からユーザ体験を考えようとするアプローチで、それぞれのいいところに気づけた点で新鮮でした。
二つ目は、ある自動車メーカーの新規サービス検討の案件です。海外向けに、ドライブ中の体験をより豊かにするサービスを一緒に構想しました。調査よりも議論中心で、AIペルソナを活用したサービスアイデアの検証も行いました。サービスの利用対象となるユーザのペルソナを作り、「このサービスを導入しますか?」「いくらなら払いますか?」と壁打ちしながら、実現可能性の高い方向性に絞り込んでいく。そのプロセス自体がとても刺激的でした。
── 入社して感じているやりがいについて教えてください。
「社会のため」とか「クライアントのため」という言葉はよく聞きますが、私の原動力はもう少し個人的な感覚に近いんです。「なんかここ微妙だな」「こうしたらもっとよくなるのに」と思ったことを、自分なりに考えて、納得できるいい形に変えていくのが好きで。それが今の仕事でできているのが、シンプルに嬉しいんです。
学生の頃やっていたYouTubeのゲーム実況では、どうやったら動画を見てくれるだろう、どうやったら何回も視聴してくれて、最終的にはファンになってくれるかな?というのを、ほぼ毎日動画を投稿しながら試行錯誤していました。当時作った動画の中には、小中学生くらいの子たちの中で話題になるようなものも何本かあって、自分の知らない世界にいる誰かが、自分の作ったコンテンツで楽しく過ごせているという感覚が好きでした。
自分が知らないところで、誰かの体験が少し良くなっている。ビービットでの仕事も、本質的には同じだと思っています。自分が関わったサービスが誰かの手に届いて、その人の体験が変わる。個人ではなくクライアントを通じてそれができるのが、思っていた以上に自分のやりがいにつながっています。
── UBSの業務に携わることで、どのような気付きがありましたか?
一番大きかったのは、「あるべき姿と現実が違うときに、どう折り合いをつけるか」という視点を持てるようになったことです。
ビービットがこれまで積み上げてきたUXの方法論は自分の中でもすごく納得感があって、すごくいい方法論だと思っています。でも、クライアントによって組織の状況も、UX / CX活動の文脈も、できることの範囲も全く違う。ビービットの方法論をそのまま持ち込んでも動かないことがある。相手の状況に合わせて最適な形に作り替えながら、少しずつ浸透させていく。そこにUBSの仕事の難しさと面白さがあると思います。
また、ボトムアップとトップダウンの違いを肌で感じるようになりました。UXグロースでの改善活動は現場から積み上げていくアプローチで、UBSはトップから組織全体を変えていくアプローチ。どちらも必要で、どちらか一方では足りない。それを体で知っていることが、今の自分の強みになっていると感じています。
── 今後の展望は?
UXグロース・UXデザイン・UBSと全てのコンサルティングの部署を経験した唯一の人間というポジションを、うまく生かしたいと思っています。
トップダウンとボトムアップのいいとこどりをする方法はないか、というのが今の個人的なテーマです。UBSの案件の中でも継続的な改善の話が出てくることがありますし、逆にUXグロースの現場でも「組織としてどう変えるか」という視点が必要な場面がある。自分が動くというよりは、それぞれの現場に知見を還元しながら、横断的に全体を見ていける存在になりたいです。
特定の専門を深掘りするというよりは、広い視点で見渡しながら価値を出せる人間でありたいと思っています。
注釈
*1カスタマージャーニー(ジャーニー)…ユーザが商品やサービスを知り、購入し、ファンになるまでの『すべての体験のプロセス』のこと