クライマー株式会社の開発チームには、「一度エンジニアを離れたあと、もう一度この世界に戻ってきた」という少しユニークなキャリアを歩んできたメンバーがいます。 今回お話を聞いた手島さんも、その一人です。
新卒からずっとエンジニアとして歩んできたものの、一度は実家の家業を手伝うためにまったく別業種へ。そこから約2年のブランクを経て、「もう一度エンジニアとしてチャレンジしたい」とクライマーにジョインしました。 急激に進化したAI、変化した開発スタイル、そして久しぶりの現場──不安や戸惑いもありながら、今ではECサイトの保守・改善を担当するエンジニアとして、着実にステップアップを重ねています。
このインタビューでは、現在の業務内容やブランク期間に感じていた思い、クライマーに入社した決め手、そして「同じようにブランクを持つエンジニアへのメッセージ」まで、率直に語ってもらいました。 エンジニアとしての再スタートを考えている方や、少しキャリアに悩んでいる方に、きっとヒントになる言葉があるはずです。
2年のブランクを経て、エンジニアとして再スタート
── まずは簡単に、今どんな業務を担当されているか教えてください。
現在は、PHPで動いているEC-CUBEベースのECサイトの保守業務を担当しています。クライアントからいただいたタスクについて、要件の整理から設計・実装・修正までを一貫して行うポジションです。
担当しているWebシステムをより良くしていくために、日々改善を重ねているようなイメージですね。
── 「保守」と聞くとふわっとしてしまうのですが…具体的にはどんなことをしているのでしょう?
僕の理解している範囲でいうと、「すでにリリースされているシステムの改修」が近い表現かなと思います。お客さまから「こういう機能を追加したい」「ここを直したい」といった要望をいただいたときに、それをエンジニア側で対応していく仕事ですね。
契約上の工数の範囲のなかで、管理画面の項目を増やしたり、裏側の登録機能を追加したり…といった形で、継続的に手を入れていくイメージです。
達成感をもう一度味わいたくて、エンジニアに戻った理由
── エンジニアとして2年間のブランクがあって、そこからクライマーに入社されたと伺いました。なぜもう一度エンジニアをやろうと思ったんですか?
過去にエンジニアとして働いていたとき、プロジェクトが完了した瞬間の達成感がすごく印象に残っていたんです。
「ちゃんと形になるものをチームで作り上げていく感覚」が好きで、その喜びをもう一度味わいたいなと思ったのが大きな理由ですね。
一度別の業種に行ったものの、「やっぱり自分は開発が好きだな」と改めて気づいて、再びエンジニアとして働く道を選びました。
専門学校からWebプログラマーへ、そして実家の家業へ
── これまでのご経歴を、最初から教えてもらえますか?
新卒では、プログラミング系の専門学校に3年間通っていました。2年制が多い中で、2年・3年・4年から選べる学校で、自分は3年コースを選んだかたちです。その後、新卒で東京のSES企業に入り、1年間エンジニアとして常駐案件などに携わりました。
その後は福岡に戻って、2社ほどWeb系の会社で、合計5年ほどWebプログラマーとして働いていました。言語としては今と大きくは変わらず、内容や携わるプロジェクトが違うイメージですね。基本的にはずっとエンジニアの道を歩んできました。
── 一度、全く違う業種に転じた時期もあったとか?
はい。実は実家の家業を手伝っていた時期があります。ボーリング調査ってご存じですか?地面に穴を掘って、地質を調べるための調査ですね。僕がやっていたのは、実際に機械を動かすのではなく、その現場の監督のような仕事です。
かなり機械音も大きくて、現場感の強い仕事でした。正直、半分は「実家から飛び出したい」という気持ちもあって(笑)、そこからまたエンジニアに戻ってきた形です。出身は福岡県の飯塚で、社内にも同郷のメンバーがいたりして、そんなところで話が盛り上がることもあります。
入社前とのギャップと、AIによる開発スタイルの変化
── 入社前と入社後で、大きなギャップはありましたか?
正直、びっくりするような大きなギャップはなかったです。入社前に会社のYouTubeチャンネルを見ていたので、雰囲気や人柄はある程度イメージできていました。
「これ自分もやらされるのかな…?」と思う場面も少しありましたが(笑)、それ以上に会社の空気感が伝わってきて「ここならやっていけそうだな」と感じられました。
業務面でいうと、想像していたよりもタスクの幅は広いなと感じました。マルチタスクになる場面も多いですが、ギリギリちょうど良い負荷感で、むしろいろいろな経験を積めている感覚があります。
── ブランク中と比べて、「ここが大変だった」と感じた点はありますか?
一番大きかったのは、AIの急激な進化ですね。エンジニアを一度離れたタイミングでは、まだChatGPTもなかったんです。2年のブランクの間に、GPTが登場して、戻ってきたら開発のスタイルが大きく変わっていました。
以前は、エラーコードをGoogleで検索して、QiitaやStack Overflowのような記事を探しながら地道に解決していくスタイルが主流でした。
今はChatGPTなどのAIに相談しながら進めるのが当たり前になっていて、コードを書いてくれるAIも出てきています。もちろんAIはときどき間違った回答もするので、質問の仕方や情報の見極めがすごく大事ですが、「うまく使えばかなり心強いツールだな」と日々実感しています。
ブランクを支えてくれた、社内の雰囲気と日常のサポート
── 社員や会社からのサポートで、印象に残っていることはありますか?
「これ!」と一つに絞るのは難しいんですが、日々いろいろな面でサポートをいただいていると感じています。
聞きづらい雰囲気はまったくなくて、自分からちゃんと質問しに行けば、皆さんきちんと向き合って答えてくれます。性格的に相手の忙しさを気にしてタイミングを伺ってしまうところはあるんですが(笑)、それでも相談しやすい環境だなと思います。
最近は、同じ案件を担当している柿添さんと話すことが多いですね。1つの案件を数名で担当することもあれば、1人で任されているメンバーもいたりして、その中でうまく連携しながら進めています。
「ブランクがあっても、安心して飛び込んでほしい」
── 同じように、ブランクがあるエンジニアの方へメッセージをお願いします。
AIの登場などもあって、開発環境はここ数年で大きく変化しています。ブランクがあると、その変化を目の当たりにしたときに戸惑ったり、「本当に自分にやっていけるのかな」と不安に感じることも多いと思います。
ただ、僕自身も多くの社員に支えられながら、再びエンジニアとして仕事ができているので、「ブランクがあるから無理だ」と思い込む必要はないのかなと感じています。
一度エンジニアをされていた方であれば、もともと適応力や学習する力は十分あるはずなので、あまり不安になりすぎず、安心して戻ってきてほしいですね。
入社の決め手は「技術レベル」と「雰囲気」
── クライマーへの入社の決め手は、どんなところにありましたか?
大きく分けると2つあって、1つ目は会社のスキルレベルです。
カジュアル面談やエンジニア面談の中で、実際にどんな技術を使っているのか、具体的な話を伺うことができて、「技術力の高いエンジニアが多い会社だな」と感じました。
また、公式サイトやブログでPHPカンファレンスへの参加記事なども公開されていて、技術力の向上に前向きな会社なんだろうな、と。
「ここなら自分も成長できそうだ」と思えたのが大きかったです。
2つ目は、会社の雰囲気ですね。
先ほども少し触れましたが、YouTubeチャンネルで社員同士がウイスキーを飲みながら話している動画や、雑談形式の動画を見て、「この会社は人間関係が良さそうだな」と感じました。技術力だけでなく、「この人たちと一緒に働きたいか」という観点でも、入社の後押しになりましたね。
資格支援制度とフレックス制度が、挑戦を後押ししてくれる
── 会社の制度や環境面で、「これは魅力的だな」と感じているものはありますか?
自分の中で大きいのは2つあって、1つ目は資格支援制度です。
資格を取得した際の受験費用を会社が負担してくれるだけでなく、資格手当もあります。AWSの資格のように有効期限があるものもありますが、制度があることで「ちゃんと勉強してみよう」と前向きな気持ちになれます。
今は、AWSのアソシエイトレベルの資格取得に向けて勉強中です。業務と並行しながらなのでなかなか大変ですが、インフラへの理解を深める良いきっかけになっています。
2つ目はフレックスタイム制ですね。
コアタイムが9時〜11時で、その間に出社していれば遅刻という概念がないのは、個人的にすごくありがたいです。自分はだいたい10時〜10時半くらいに出社することが多いです。入社時から「ちゃんと使っていい制度ですよ」と説明してもらえたので、遠慮せず活用できていますし、社員全体としても年代問わずフレックスをうまく使っている印象があります。
── 逆に、「ここはもう少しこうなったら…」という改善要望はありますか?
細かいところでいうと、ウォーターサーバーがあると嬉しいですね。
今はお茶はあるんですが、単純に「冷たい水を飲みたい」と思うことも多くて。
長時間座って仕事をするので、椅子のアップグレードを望む声が他のメンバーからも出ていますし、そのあたりは今後にちょっと期待しています(笑)。
今後挑戦したい領域と、得意なこと
── 今後、どのような開発や業務に取り組んでいきたいですか?
特定の「この案件をやりたい」というよりは、まずはPHPフレームワークを使った開発の理解をもっと深めていきたいです。機能の基本的な使い方は分かっているものの、まだ深い部分までは理解しきれていないので、そこをきちんと押さえていきたいですね。
また、最近はAWS環境の構築に携わる機会も増えてきました。
インフラに対してはこれまで少し苦手意識があったので、その意識を克服していきたいと思っています。
── 逆に、「ここは比較的得意だな」と感じている部分は?
PHP全般の実装は、ある程度得意だと思っています。
特に、PHPの処理結果をテンプレートに組み込んで、HTMLとして動的に表示させるような部分ですね。「どの情報を、どのように画面に出していくか」を考えながら実装していく作業は、自分の得意領域かなと感じています。
── 将来的に作ってみたいサービスのイメージはありますか?
もしC-limberで今後チャレンジできるのであれば、エンドユーザーに近いサービスに携わってみたいです。以前、別の会社で占いサイトのメディア運営・保守に関わっていたことがあって、そのときは自分の施策によってPV数が伸びるのをリアルタイムで確認できていました。
自分の手がけた機能や改善が、数値としてダイレクトに返ってくるようなサービスは、やっていてとても楽しいですね。
「会社の戦力として貢献できるエンジニアに」
── 最後に、今後の目標を教えてください。
正直、「○○の資格を必ず取る」といった明確な一つのゴールがあるわけではないんですが、技術力をしっかり身につけて、経験を積み重ねて、会社の戦力として貢献できるエンジニアになることを目標にしています。
気づけばクライマーに入社して1年ちょっとが経ちましたが、本当にあっという間でした。
これからも周りのメンバーに支えてもらいながら、自分の技術的な引き出しを増やしていきたいですし、ブランクがあっても再チャレンジできるということを、自分自身の働き方で示していけたらいいなと思っています。
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