ClipLineが提供するプロダクト「ABILI」のカスタマーサクセス(CS)では、導入支援や状況管理だけに留まらず、現場のオペレーションを理解し、お客様の目線で課題に向き合い、ご支援することを重視しています。
その取り組みの一環として実施しているのが、CSメンバー自身が実際の現場にシフトインすることです。
今回はCSの高田さんが、株式会社 麺食 様が運営する「喜多方ラーメン坂内」にシフトインし、実際の接客・オペレーションを体験して見えた気づきをレポートします。
シフトインした店舗。ロードサイドの新店です
店舗チェック後の継続的な改善フローを模索
株式会社麺食様では、店舗の運営管理(QSCAチェック※など)の高度化と効率化を目的として動画マネジメントシステム「ABILI Clip」をご導入いただいています。
※QSCAチェック
Quality=品質、Service=サービス、Cleanliness=清潔、 Atmosphere=雰囲気、の頭文字。店舗経営における重要な要素。
従来、エリアマネージャー(AM)やスーパーバイザー(SV)による店舗への臨店(巡回訪問)は2か月置きに実施されていました。現場の状況確認やスタッフ面談を行う貴重な機会である一方、訪問頻度には限界があり、訪問前後のフォローアップもメールベースとなるため、進捗管理の網羅性やタイムリーな改善に抜け漏れが生じやすいという課題を抱えていらっしゃいました。
そこでABILI Clipを活用し、店舗側で撮影した画像や動画を、離れた場所にいるマネージャーや本部担当者が確認・フィードバックできる仕組みを構築しました。これにより、現地へ赴かずとも清掃状態や食材管理の運用状況を把握する「リモート臨店」が可能になりました。管理をデジタル化したことで工数が大きく削減され、現場からも高評価をいただいています。
しかし、現場で実際にどのように運用されているかを知らなければ、見落としてしまう潜在的な課題が存在します。会議室の中で機能を踏まえた理論を語ることはできても、現場でしか気づけない不都合や改善の種があるのではないかと高田さんは考えていました。
開店前:マネージャーの目線で知る潜在的課題
訪問したのは新店舗で、店舗管理体制の確立自体が重要なテーマとなっていました。高田さんは営業時間前の静かな店内で、AMの冨田様とともにタブレットを手に取り、店内外の巡回チェックの同行からスタートしました。
すると、チェック業務を体験する中で機能改善のヒントが見つかったと言います。
「タブレットを持って移動しながらチェックを行っている際、誤って画面上のボタンに触れてしまい、それまで撮影した写真データがリセットされてしまったんです。移動中も誤操作を防ぎつつスムーズに記録できるよう、保存ボタンが画面に追従して表示されると良いと思いました。また、チェック項目ごとのスコアリング機能や、現場の気づきを補足できるコメント欄の充実も有効だと感じます」(高田)
開店後:新人スタッフとしてホールへ。オペレーション体験から見えた教育の工夫
営業前の管理チェックを終えた後は、制服を着用して実際の営業シフトへと入りました。現在、新人教育は店長や先輩スタッフによるOJTが中心であり、紙マニュアルの読み込みや口頭でのレクチャーが行われています。高田さんもこの手順に沿い、冨田様から直接レクチャーを受けてホールに立ちました。
ここで高田さんは、オペレーションの手順だけでなく「ブランドの理念や背景をどう伝えるか」という点に着目しました。
「『喜多方ラーメン坂内』では、お客様をご案内する際にスタッフが席まで先導する丁寧な接客を徹底されています。これはラーメン店としては珍しい取り組みですが、お客様へのホスピタリティを大切にする社長の強いこだわりが反映されたものです。
今回はその背景を聞けたため深く納得できましたが、全国の全トレーナーが多忙な現場で毎回同じように背景や熱量まで伝え切るのにはハードルがあり、時間に追われるOJTでは『とにかくこうして』と手順のみの伝達になりがちです。
ブランドの根底にある大事な考え方は、社長のメッセージ動画としてABILI Clipに組み込むことで、全国の新人スタッフへ直接、熱量や理念を届けられるようになります」(高田)
レクチャー後、店舗がオープン。高田さんは最初、笑顔でのご挨拶や通路での待機で緊張感を保っていましたが、徐々に接客に慣れ、お客様のご案内やラーメンの配膳までこなせるようになりました。
そして、実際にお客様と向き合う中で、新人が直面する物理的・心理的な課題も浮き彫りになりました。
「料理を配膳する際、卓番を確認するためにデシャップ(料理の配膳口)付近に留まってしまい、他スタッフの動線を妨げてしまうことがありました。事前暗記や紙での確認も一般的ですが、店舗ごとの卓番図をPDF化してシステム内に登録しておけば、新人が端末でいつでも確認でき、現場での気まずさや動線阻害を解消できます」(高田)
さらに、食事後の片付け(バッシング)業務においても、動画コンテンツの新たな活用法を見出しました。
「バッシングのスピードなど、店の回転率に直結する業務は優先して動画化すべきだと感じました。対面で教える際は動作をゆっくり見せる必要があるため、本来求めるべき『手際やスピード感』をリアルに伝えるのが難しい。見本となる理想の速度感を動画でイメージしてもらうと教育効果は高まります」(高田)
また、研修時のツールの使い勝手についても、新人のリアルな視点から改善点が提示されました。
「新人さんは業務の合間に動画やPDFを閲覧することになりますが、一時中断して別の作業へ移る際の『スクリーンアウト(画面ロック)』が地味なタイムロスを生んでいました。また、タブレットとメモ用紙・ペンを同時に持ち歩いて店内を移動するのは難易度が高く、PDFに直接メモを書き込める機能があると、より学習効率が上がると思います」(高田)
マネジメントにしても研修にしても、ただタブレットやコンテンツを準備して渡すだけでは満足な結果にはつながらないと改めて実感できる機会になりました。
現場体験がもたらした提案解像度の向上と改善アクション
企画当初、高田さん自身も「1時間のシフトインで何か成果が得られるか」について、明確な確信があったわけではありませんでした。しかし、シフトインを終えてみてこう振り返ります。
「気づきを得ただけで自動的に何かが変わるわけではありませんが、一人の当事者として現場を体感できたことは大きな一歩でした。ダッシュボードに表示される数値や画面の向こう側には、常に現場ではたらく人たちがいます。CSの本質とは、そうした現場の人々の目線に立ち続けることなのだと改めて実感しました。短時間の体験ではありましたが、現場理解の解像度は確実に一段上がったと実感しています」(高田)
実際、このシフトイン体験を経てからの定例ミーティングでは、従来の枠組みを超えた深みのある提案が可能になりました。
・臨店運用フローの策定
マネージャー向けに「臨店の具体的運用フロー」を新たに策定。直営店・FC店双方の担当AMやSVへ展開し、巡回・チェック運用のモデルケースを推進できるようになりました。
・標準化だけでなく安全管理まで働きかけるコンテンツ提案
単なる業務手順の標準化にとどまらず、ブランドの理念やこだわりを伝える「トップメッセージ動画」の配信を提案。さらに、高温の商品を扱うラーメン店特有の「ヒヤリハット」や、リスクの高い「NG行為」を動画化して周知する安全管理施策など、現場の安全と品質向上を両立させる具体的な活用法を提示できるようになりました。
短時間の現場体験が、データや卓上の議論だけでは到達できない顧客理解を生み出し、結果として店舗の業務効率化とサービス品質向上を加速させるきっかけとなりました。
ClipLineはこれからも顧客の現場を誰よりも深く知るパートナーとして、現場運営の変革と成長に寄り添い続けます。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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