独創的なモノづくりで、ヒット商品を生み出してきたシャープ。左右どちらにも開くドアの冷蔵庫や、“水で焼く技術”で世の中を驚かせた「ヘルシオ」、“自動調理器”のパイオニアとして親しまれている「ホットクック」など、シャープらしい商品が多くの方に愛されています。これらキッチン家電の企画から販売までを担っているのが、Smart Appliances & Solutions事業本部の「国内キッチン事業部」。事業部長として事業を率いる永田さんに、その取り組みやビジョンなどを聞きました。
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大手百貨店からシャープに転職。数々の商品戦略を仕掛けてきたリーダー。
2000年に大学を卒業し、最初に就職したのは百貨店でした。紳士服売り場を経て人事部門に移り、7年が過ぎる頃に転職を決意。その時に興味を持ったのが、百貨店とは畑違いの「シャープ」です。移り変わる時代のニーズをとらえて作るものを自在に変え、多くの人に求められるものを世に出していく。そのしなやかさが、私には眩しく映ったんです。
入社後はまず、労務政策を担う部署に配属されました。社員の働く環境や人員配置などの組織体制を整える部門です。7年間ここで経験を積んだ後、シャープのモノづくりを担う「事業部門」(現Smart Appliances&Solutions事業本部)へ異動。元々この事業部に携わりたくて転職をしたので、嬉しかったですね。ここで私は経営管理業務を任されることになりました。
最初の4年間は事業部の経営戦略に関わり、その後、冷蔵庫&洗濯機を手掛ける事業部で「海外商品企画部長」に就任。2022年に組織体制が変わり、今の『国内キッチン事業部』が発足してからは、副事業部長 兼 商品企画部長として組織づくりに携わり、そして2026年4月、事業部長に就任。国内向けの冷蔵庫&調理家電という領域を、事業全体を通して率いる立場になりました。
これまで、"セカンド冷凍庫"というトレンドに合わせた話題性のある商品を投入するなど、商品戦略にはかなり力を入れてきましたね。最近では、国が進める“夏場の暑熱対策”に応えるカタチで企画を練った「アイススラリー冷蔵庫」が注目を集めており、建設業や製造業といったBtoB市場で徐々に普及しつつあります。
“家電をつくって販売する”→“家電で暮らしを変える”への転換!
私たちのミッションは、単にキッチン家電をつくることではなく、家電によって"人の暮らしそのもの"を、ほんのちょっと変えることです。もちろん事業である以上、利益や売上にはこだわります。ですが突き詰めれば、そのゴールはお客様の満足です。たとえば、物価高や気候の温暖化などにより「食材が貴重なものになる」中で、食材を正しく保存でき、長い期間"美味しい状態"で食べることができる冷蔵庫があれば、日々の生活は少し変わりますよね。それは「日本の食文化を守る」という、大きな価値にもつながります。冷蔵庫も調理家電も、"食"には欠かせないものですから、シャープならではの視点と技術で貢献できることは多々あるはずです。それを実現できる集団を、この事業部でつくっていきたいと思っています。
先ほど「ほんのちょっと変えたい」とお話しした通り、私たちの挑んでいることは決して“派手”ではありません。お客様の「もうちょっと、こうならいいのにな」という小さなニーズをキャッチして、一つひとつ解決していくという“地道な作業”の繰り返し。でもそれこそが、シャープの強みだと思うのです。
40年近く愛され続けている、冷蔵庫の「どっちもドア」もそのひとつですね。日本の狭小な間取りの中で、“左右どちらにも開くドア”は画期的なものでした。また、今の主流となっている観音開きの冷蔵庫も、センターピラーと呼ばれる真ん中にある柱を無くしたのはシャープ独自の構造です。調理器具でいえば、他社に先駆けて開発した自動調理器「ホットクック」は、共働き家庭が増える中で多くのお客様に支持され、売上を伸ばしています。
いずれも商品企画のはじまりは、『放っておいても調理してくれる鍋があったらな』とか『どちらからも開けられたら』というお客様の声からです。その一つひとつはちょっとしたことでも、実はかなり核心を突いていると思いませんか?ここを見逃さないところが、シャープの優位性。この強みを活かして、ちょっと意表をつくようなモノやサービスを生み出していきたいですね。
“他社が真似してくれるような商品”は、貪欲なチャレンジ精神から生まれる。
では、そんな商品をどんな環境でつくっているのか。ひとことで言えば、チャレンジあるのみです。尖ったモノづくりをするのは簡単じゃないので、自分の仕事に「ここまで」という枠がありません。良く言うと、なんだってできる。逆に言えば、やらざるを得ないという感じでしょうか(笑)。壁に当たることの方が圧倒的に多い中で、どんどん周りを巻き込みながらトライ&エラーを繰り返し、成功の糸口をつかんでいくという感じです。
モノづくりの幅も広いですよ。一般家庭向け(BtoC)の商品づくりが基本ですが、企業向け(BtoB)商品の開発にも積極的に取り組んでいます。実は、近年で2例ほど大きな成果を上げた商品があり、全社的にも「成功事例」として取り上げられました。
そのひとつが、冒頭でも例を挙げた「アイススラリー冷蔵庫」。これは、市販のペットボトル飲料を、体を内側から冷やす“飲める氷”=アイススラリーに変えられる業務用冷蔵庫で、特に工場・建設現場・スポーツ施設などの暑熱対策を目的に開発したものです。ピンとこない方も多いと思いますが、それもそのはず。これまで世の中にほぼ無かったモノですから。取り掛かったときは社内でも「本当に売れるのか」と疑問視されたほどです。
3年の月日を掛けて事業を立ち上げ、冷蔵庫そのものの企画と同時に、「法人のお客様にレンタルでご使用いただく」というビジネスモデルの構築にも挑みました。真剣に向き合ったことが成果につながり、それが世の中の役に立っていく。この仕事の醍醐味を象徴するようなプロジェクトでしたね。もうひとつは、大手コンビニと共同開発した「店内調理用の専用オーブン」。こちらは、また別の機会にお話ししたいと思います。
高い専門スキルを持つ人よりも、課題を「自分ごと」にできる人を迎えたい。
国内キッチン事業部では、これまでの経験を活かしてステップアップを目指す“キャリア人材”を広く求めています。冷蔵庫にしても調理機器にしても専門性が必要な分野ですが、求めているのは実は高度なスキルではないんです。それよりも私は、「経験の中でどんな困難にぶつかり、それをどうクリアしてきたのか」というお話を聞きたい。壁を自分で乗り越える“マインドや行動力”を高く評価したいと思っています。
平たく言えば、前向きな方ですね。新しいことに挑むことは、自分の仕事を増やすことでもありますから、そこで二の足を踏む方もいらっしゃるでしょう。そうではなく、逆にチャレンジを楽しむくらいの前向きさがほしいのです。
もう1つ、物事を「自分ごと」として考える姿勢も大切です。上からの指示を待つのではなく、「本当に必要なことは何なのか」を自分で考えて、逆に上司に提案してくれるような方と一緒に仕事がしたいですね。当事者意識が高い人ほど、浮かんでくるアイデアのレベルも高いと感じています。自分ひとりでクリアできないことは、周りの仲間を巻き込んで前に進めていく。そんな方が理想です。
スペシャリストorゼネラリスト、描けるキャリアは自分次第。
転職してどんなキャリアを描きたいのかは、人それぞれ違っていて当たり前です。専門性を突き詰めたい方もいれば、視野を広げていろんなことを経験したい方もいるでしょう。ここでは、どちらの道も選べます。まず、1つの分野で長年にわたり活躍されている方は、技術系を中心に一定数おられます。ただし専門性があれば安泰というわけではなく、生成AIの活用など時代の変化に応じて自分自身をアップデートし続けられる方であれば、チャンスはいくらでも巡ってくるでしょう。
一方でキャリアの幅を広げたいという方は、自己申告制度や社内公募制度など“やりたいこと”を申告できる機会があります。もちろん希望がそのまま通るとは言えませんが、異なる領域に挑むことは充分に可能です。優秀な人材を手放したくはありませんが、前向きな挑戦は私も応援したいと思っています。また、事業部内でも、新しいプロジェクトが次々と立ち上がりますので、そこに参画することで非連続な成長を得られるチャンスも多くあります。
チャレンジする面白さも、成長する機会も、間違いなくここにある。
ここではまだお話しできませんが、新たなヒット商品・サービスを生み出すために様々なプロジェクトが動いています。「なんとか成功させたい!」という熱い思いで、次の手、次の次の手と商品戦略を打ちながら進めているところです。新しいことに挑む面白さも、成長の機会も間違いなくありますから、ぜひ私たちにジョインしていただきたいですね。自分たちの手で生み出した新たな価値を、胸を張れるようなものを、世の中に広めていきましょう。チャレンジ精神に期待しています!
※記事内の部門名、役職名、内容はインタビュー当時ならびに掲載当時のものです。
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