こんにちは。Precision Financial 人事部です。
Precision Financialで働くメンバーを紹介する「社員紹介」シリーズ。
今回ご紹介するのは、理学療法士からファイナンシャルプランナーへキャリアチェンジし、現在は医療と金融、双方の経験を生かして活動している樋口貴士さんです。
理学療法士とFP。
一見すると、まったく異なる仕事に見えるかもしれません。
しかし樋口さんに話を聞くと、仕事に対する根本的な想いは変わっていないといいます。
「目の前の人が、その人らしい人生を選べるように支えたい」
患者さんの身体と生活に向き合っていた理学療法士時代から、お金や制度の面からお客様の人生を支える現在まで。
今回は、樋口さんが医療現場で感じた課題、国家資格職から金融業界へ飛び込んだ理由、そしてこれから実現したいことについて聞きました。
目次
生活まで見る。理学療法士として働いた医療現場
前職では理学療法士として、医療・介護の現場でリハビリに携わっていた樋口さん。
高齢者を中心に、骨折や脳卒中などさまざまな患者さんを担当してきました。
理学療法士の仕事は、単に身体機能を回復させることだけではありません。
退院後にどんな生活を送りたいのか。
仕事に戻れるのか。
自宅でどのように暮らしていくのか。
患者さん本人はもちろん、ご家族も含めた生活全体を考えながら、その方に合ったリハビリを行っていきます。
そんな中、樋口さんのキャリアに大きな影響を与えたのが、30代で脳卒中を発症した患者さんとの出会いでした。
病気をきっかけに、本人だけではなく、ご家族を含めた生活が大きく変わっていく。
その姿を目の当たりにしたことで、
「予期せぬ出来事は誰にでも起こり得る。そして、治療とお金は切り離して考えられない」
と強く感じるようになったといいます。
医療だけでは解決できない、「お金」という問題
病気になったときに生じる問題は、身体のことだけではありません。
・治療費がかかる。
・仕事を休むことで、収入が減る。
・通院のための交通費が必要になる。
・家族の働き方や生活も変わっていく。
どれだけ医療が進歩して治療の選択肢が増えても、経済的な理由から、その選択をためらってしまう人がいる。
理学療法士として患者さんに寄り添う中で、樋口さんはそんな現実を感じていました。「身体を良くするための支援はできても、その先にあるお金の問題には十分に関われない」
医療とお金の相談が別々になっていることへの違和感。
それが、樋口さんがお金について学び始める一つの原点になりました。
自分自身の将来への不安から、お金を学び始めた
もう一つのきっかけは、樋口さん自身の将来に対する不安でした。
理学療法士として働きながら、
「このまま働き続けて、将来はどうなるんだろう」
と考えるようになり、資産運用について学び始めます。
その中で参加したマネーセミナーをきっかけに、金融の世界を知るようになりました。
そして出会ったのが、当社の社長の川原です。
金融や保険は、単に商品を販売するためのものではない。
正しい知識を持ち、その人の人生に合わせて活用することで、将来の選択肢を守ることができる。
そんな考え方に触れ、FPという仕事への認識も少しずつ変わっていきました。
国家資格職から営業職へ。不安がなかったわけではない
とはいえ、理学療法士は国家資格のある専門職。
そこから未経験の金融業界、それも営業職へ転職することには、当然葛藤もありました。
周囲から心配されることもありましたし、樋口さん自身も当初は、
「営業=商品を売り込む仕事」
というイメージを持っていたそうです。
しかし、FPの仕事を知るにつれて、その印象は変わっていきます。
まず、お客様がどんな人生を送りたいのかを聞く。
・今、何に困っているのか。
・これから何を実現したいのか。
・どんな不安を抱えているのか。
それを整理したうえで、保険や資産形成、公的制度などさまざまな選択肢から、その人に合った方法を一緒に考えていく。
そのプロセスは、樋口さんが理学療法士として行ってきた仕事と、とてもよく似ていました。
患者さんが「お客様」に変わっても、本質は変わらない
理学療法士も、いきなりリハビリを始めるわけではありません。
身体の状態や生活環境、本人の希望を聞き、目標を立て、その方に合った方法を考えていきます。
FPも同じでした。
お客様の現状を知り、将来の希望を聞き、そのために必要な選択肢を一緒に考えていく。
患者さんが「お客様」に変わっても、人生に寄り添うという仕事の本質は変わらない。
そう気づいたことで、理学療法士からFPへの転職は、それまでの経験を捨てるキャリアチェンジではなくなりました。
むしろ、医療現場で培ってきた経験を生かしながら、これまで手が届かなかった「お金」の部分まで支えられる仕事だったのです。
医療と金融。その間をつなぐ人が必要
現在、病気になったとき、
・医療については医療従事者へ。
・お金についてはFPや金融機関へ。
それぞれ相談することが一般的です。
しかし、実際の生活では、この二つを切り離すことはできません。
・治療費はどれくらい必要なのか。
・仕事を休んだ場合、収入はどうなるのか。
・利用できる公的制度はあるのか。
・今入っている保険で足りるのか。
病気になったとしても、子どもの教育費や老後資金など、人生に必要なお金がなくなるわけではありません。
だからこそ樋口さんは、医療と金融の両方を理解し、生活全体を見ながら相談できる専門家が必要だと考えています。
がん患者さんの「お金の不安」を減らしたい
現在、樋口さんが特に力を入れているのが、「がんとお金」の問題です。
2025年には「日本対がんファイナンシャルプランナーズ協会」の立ち上げに携わり、出身地である大分県へ拠点を移しました。
がん治療は長期にわたることもあり、治療費だけでなく、収入減少や生活費など、さまざまな経済的な問題が発生します。
また、遠方の医療機関で治療を受ける場合には交通費なども必要になります。
お金の不安が理由で、本当は受けたい治療や、自分が納得できる選択を諦めてしまう。
樋口さんが減らしたいのは、そんな場面です。
病気そのものを完全に予測することはできません。
それでも、事前に正しい知識を持ち、お金について準備しておくことはできます。
「もしものときにも、できるだけ納得できる選択ができる状態をつくっておく」
それが、FPとして提供できる一つの価値だと考えています。
「告知されてから」ではなく、その前から備える
がんと診断されてから初めて、お金について調べ始める方も少なくありません。
しかし、病気になってからでは選べないものや、準備が間に合わないこともあります。
だからこそ大切なのは、何も起きていない段階から自分の保障内容や公的制度について知り、必要な備えを考えておくこと。
樋口さんたちが大切にしているのは、「告知よりも先に、安心を設計する」という考え方です。
がん保険だけを見るのではなく、公的制度や現在の資産、今後必要になる教育資金や老後資金なども含めて、生活全体から考えていく。
医療現場を知っているからこそできるFPとしての支援を、少しずつ広げています。
大分から、医療を理解したFPをもっと増やしていきたい
樋口さんが目指しているのは、自分一人が相談を受け続けることだけではありません。
もう一つの目標が、医療について理解したFP・保険募集人を増やすことです。
現在、協会では金融知識だけではなく、がんに関する医学的知識や社会保障制度、就労支援なども学ぶ「Cancer FP(がんファイナンシャル・プランナー)」の育成にも取り組んでいます。
・医療従事者がお金を学ぶ。
・金融の専門家が医療を学ぶ。
そうした人材が各地域に増えていけば、病気になったときに「誰に相談すればいいのかわからない」という方をもっと減らすことができます。
将来的には自治体や地域包括支援センターなどとも連携し、地域の中で気軽にお金について相談できる環境をつくっていきたいと考えています。
まずは地元・大分から。
そして、同じような相談ができる専門家を全国へ。
それが樋口さんの描いているこれからです。
変わったのは職業。本質は「人生に寄り添う仕事」
理学療法士からFPへ。
国家資格職から金融営業へ。
経歴だけを見ると、大きな方向転換に見えます。
しかし樋口さんにとって、これまでのキャリアと現在の仕事は一本につながっています。
患者さんの身体だけではなく、その先の生活まで考えてきた経験。
ご本人やご家族の話を聞き、一緒に目標を考えてきた経験。
そして、病気によって人生が大きく変わっていく現場を見てきた経験。
そのすべてが、今のFPとしての仕事に生かされています。
身体の面から支えていた理学療法士時代。
お金や制度の面から支える現在。
手段は変わっても、目指しているものは変わりません。
「お金を理由に、人生の選択肢を狭めてほしくない」
医療と金融の間をつなぎ、一人でも多くの人が自分らしい選択をできるようにする。
大分から、その仕組みを広げていく樋口さんの挑戦は、まだ始まったばかりです。