先日、案件を3回変えて自分に合う現場を見つけた方のお話を紹介しました。
今回はその対極として、一つの現場で3年間働き続けているKさんに話を伺いました。
「飽きないんですか」と、これまで何度も聞かれてきた
Kさんが今の現場に入ったのは3年前のことです。製造業向けの基幹システムを扱う案件で、当初の想定期間は半年ほどでした。
「延びるか縮むかは、正直誰にも読めないものです。ただ、ここまで続くとは自分でも思っていませんでした」
同じ技術、同じチーム、同じお客様先。傍から見れば変化に乏しく映るのかもしれません。しかしKさんは、長く関わり続けている中で見えてくるものの方が多いと話します。
任される範囲は、少しずつ変わり続けていた
3年という時間の中で、Kさんに求められる役割は少しずつ変化してきました。
「入った当初は、決められた仕様通りに実装するだけでした。それが半年、1年と経つうちに、設計段階から相談を受けるようになり、新しく入るメンバーの教育も任されるようになりました。現場は同じでも、自分の立ち位置は常に動いていた感覚があります」
その背景には、技術力に加えて、お客様との間に積み重なった信頼があります。
「同じ人間がずっといることの安心感を、お客様は感じてくださっているようです。仕様の経緯や過去の判断を一から説明しなくても通じる相手がいることは、それだけで価値になるのだと思います」
契約更新のたびに、あえて問われること
弊社の担当営業は、契約更新のタイミングで毎回同じ質問をKさんに投げかけているといいます。今の現場で本当にいいのか、他の案件に関心はないか、という問いです。
「最初は、なぜ毎回聞くのだろうと不思議でした」
営業側にその意図を尋ねると、返ってきたのは次の言葉でした。
「継続していることが、必ずしも本人にとって最善とは限りません。惰性で続いているだけの可能性もあるので、節目ごとに立ち止まって確認するようにしています」
Kさんはこの問いかけについて、こう振り返ります。
「毎回聞かれることで、自分自身でも改めて考える機会になっています。聞かれなければ、なんとなく続けているだけだったかもしれません」
長く続けることも、変えることも
「案件を変えることが良くないとは思っていません。ただ自分の場合、任される役割が広がり続けていて、今のところ物足りなさを感じる場面がないんです。もし飽きたと思う瞬間が来れば、その時は迷わず相談すると思います」
長く続けることにも、変えることにも、優劣はないのかもしれません。大切なのは、その時々で本人が納得のうえで選び直せる状態にあるかどうか。
今回の取材を通じて、そう感じました。
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取材にご協力いただいたKさん、ありがとうございました。