案件を3回変えたエンジニア、逆に3年間変えずに続けているエンジニア。
同じ会社でも、選ぶ道はまったく違いました。
今回はその分かれ道の手前にある、案件を紹介する前の見極めについて、エンジニアと現場のマッチングを担当しているコーディネーターのMに話を聞きました。
Mは、エンジニアとの面談から現場選定、契約後のフォローまでを一貫して担当しています。
スキルシートだけでは分からないこと
「スキルシートを見れば、経験年数や使える技術は分かります。ただ、それだけで現場との相性が測れるかというと、正直そうではありません」
Mがエンジニアと初めて面談する際、必ず聞くようにしている質問があるという。
「一人でコツコツ進めたいのか、チームで会話しながら進めたいのか。指示を待つ方が安心するのか、自分で判断して動きたいのか。技術の話より先に、そちらを聞くことが多いです」
理由を尋ねると、こう返ってきた。
「技術のミスマッチは、勉強すれば埋められる部分があります。でも働き方や価値観のミスマッチは、本人の努力だけではどうにもならないことが多いんです。だから、そちらを先に確認しています」
現場側にも、同じ質問をぶつける
面談で確認するのはエンジニア側だけではない。現場のお客様に対しても、同じ角度からヒアリングを行っているという。
「お客様には、求めるスキルだけでなく、チームの雰囲気や、どんな性格の方だとうまくいきそうかを伺います。中には、そこまで聞かれるとは思わなかったと驚かれる方もいらっしゃいます」
双方の希望をすり合わせた上で、初めて紹介する現場を決める。この順番を崩さないことが、Mにとって譲れない部分だという。
「先に案件を決めてから人を当てはめるのではなく、人を見てから合いそうな現場を探す。時間はかかりますが、この順番を変えると、後で必ずどこかにひずみが出ます」
紹介した後も、答え合わせは続く
面談を経て紹介した後も、Mの仕事は終わらない。稼働が始まってからの様子を、営業と連携しながら継続的に確認しているという。
「面談での印象と、実際に現場に入ってからの様子が、必ずしも一致するとは限りません。紹介して終わりにせず、稼働後の変化も見続けるようにしています」
以前紹介した、案件を3回変えたエンジニアについても触れてもらった。
「あの方の場合、最初の面談では気づけなかった部分がありました。3回目でようやく合う現場に辿り着けたのは、本人が自分の希望を言葉にできるようになったこと、そしてこちらもその都度ヒアリングの精度を上げられたことの両方が重なった結果だと思っています」
一方で、3年間同じ現場で働き続けている方については、次のように話す。
「最初の面談の時点で、比較的相性の良い組み合わせができていたケースです。ただ、それで安心して見守るのをやめるのではなく、契約更新のたびに本人の状態を確認し続けたことで、長く続く関係になったのだと思います」
見極めることは、正解を当てることではない
「相性を完璧に見極められる方法があるとは思っていません。むしろ、一度で正解を出そうとせず、紹介した後も本人と現場の様子を見ながら調整し続ける姿勢の方が大事だと考えています」
エンジニアと現場、双方の言葉に耳を傾け続けること。地味に見えるかもしれませんが、それが結果的に、長く働ける現場や、納得して次の案件に進める選択につながっているのだと、今回の取材で改めて感じました。
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取材にご協力いただいたMさん、ありがとうございました。