こんにちは!StarBoard CEOの矢部です。
今回は、私たちが大切にしている
行動指針(バリュー)=「コンパス(13の約束)」
についてお話しします。
なぜこの約束をつくったのか、そこにどのような想いを込めているのかを、できるだけ正直にお伝えしたいと思います。
「どのような価値観の会社なのかを知ったうえで応募したい」
「正解のない環境で、自ら道をつくることに挑戦したい」
という方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
StarBoardという船に乗るということ
StarBoardという社名は、船舶用語で船の右舷(右側)を意味する言葉に由来しています。舵を取りつける技術がなかった時代、オール(舵板)が右側に取りつけられていたことからその名がつきました。
そこから「自ら漕ぎ出す」「進路を切り拓く」という意味が込められており、人材や企業の新しい挑戦を支える会社でありたいという想いを重ねています。
社員にとってStarBoardという船に乗ることは、単に働く場所を得るだけでなく、自ら進路を切り拓き、自らの可能性と価値観を広げていく挑戦の旅に出ることを意味しています。
私は前職で17年間、海運会社に勤め、世界中へ物を運ぶ仕事に携わってきました。
学生時代の一人旅と、社会人になってからの出張を合わせると、これまでに訪れた国は55〜60カ国ほどになります。
初めて訪れる国で、初めて出会う人と関わるたびに、自分の中にあった常識や固定観念は揺さぶられてきました。訪れる前は不安を抱いていた国で、温かい人々やおいしい料理、美しい景色に触れ、それまでの先入観が一瞬で崩れたこともあります。
良い意味でも悪い意味でも、価値観が変わっていく。
私はその瞬間に、何よりも心地よさを感じてきました。
そして、その体験を周りの人や、これから日本に来る外国人材の皆さんにも感じてほしいと考えています。
日本で働くことは、楽しいことばかりではありません。
仕事が大変だったり、戸惑うことがあったりもします。それも含めて、その人の価値観が変わるきっかけになる。そうした機会をつくることが、私がこの事業に取り組む理由の根底にあります。
この想いを、ミッション「国境を越えて、人の可能性をひらく。」ビジョン「世界の価値観を動かす会社になる。」として言葉にしました。
国籍や言葉、育ってきた文化が違っても、その違いが壁になるのではなく、新しい価値観を生み出す力になる社会をつくりたいと考えています。
そして、そのミッション・ビジョンに向かうための行動指針が、今回お話しする「コンパス」です。
正解のない海へ漕ぎ出すとき、進むべき方向を示してくれる羅針盤。
私たちのコンパスは、まさにその役割を担うものです。
第二創業期に、立ち返る指針を言葉にしました
StarBoardは、コロナ禍の直前に創業しました。
約3年間は事業が思うように進まない時期が続きましたが、コロナが明けてからは事業が伸び始め、組織も新たなメンバーを迎えています。
今のStarBoardは、いわば第二創業期ともいえるフェーズにあります。
これまでを振り返ると、私はスタートアップはスピードが勝負だと考え、トップダウンで次々と方針を打ち出してきました。
スピードは今も大切にしています。ただ、方針が頻繁に変わる中で、メンバーが会社の向かう先を見失いやすくなっていたのではないかと、反省を込めて感じています。
会社として目指す先、そして迷ったときに立ち返る指針がなければ、いつまでも私がいなければ回らない組織のままになってしまいます。
組織が新たなスタートを切るこのタイミングだからこそ、その指針を言葉にしておきたい。そう考えたことが、コンパスをつくる出発点になりました。
コンパスは、守らなければならないルールブックやマニュアルではありません。
私と社員との約束であり、お客様との約束であり、仲間との約束であり、そして自分自身との約束でもあります。
「こうあるべき」と縛るものではなく、迷ったときに立ち返るための指針として受け取っていただけたらと思っています。
13の約束は、「自分軸」「仲間軸」「未来軸」の3つに整理しています。
会社というものは、創業者の「これをやりたい」という想いから始まりますが、創業者に限らず、働く一人ひとりの「やりたい」が全ての起点になると考えています。
その軸がしっかり定まると、共感してくれる仲間が集まり、やがて同じ方向を向いて未来をつくっていける。この順番こそが組織づくりの流れだと考え、3つの軸で構成しました。
今回は、13の約束の中から、特に私の想いが強いものを抜粋してお話しします。
【コンパス(13の約束)一覧】
■ 自分軸
1. 事実は自分の足で取りに行く
2. 約束が、信頼をつくる
3. 数字は、未来への責任である
4. 人を、可能性で見る
5. 考え抜いて挑戦する
6. まず、自分が変わる
■ 仲間軸
7. 成長する仲間を信じる
8. 違いから学び続ける
9. 相手ではなく、課題に向き合う
10. 仲間を頼る
■ 未来軸
11. 自分の頭で考える
12. 学び続ける
13. 世界を広げ続ける
自分軸 ― 何があっても、自分を起点に考える
3つの軸の中で、私が特に大切にしているのが自分軸です。
何があっても自分を起点に考え、自ら変わろうとする。
そうした方と一緒に仕事がしたいと考えています。
▍事実は自分の足で取りに行く
私が旅をしていた25年ほど前は、スマートフォンもありませんでした。持っていくのは地図と文庫本だけです。本を読めば、その土地のことはある程度分かります。
それでも私が心を動かされたのは、実際に足を運んで見た景色や、そこで出会った人々でした。
今はインターネットで、世界の裏側の様子もほぼリアルタイムで見られる時代です。
情報へのアクセスは格段に容易になりましたが、その一方で、現地の手触り感を知っている人は少なくなっていると感じます。
実際にその場所へ行った人の言葉には、ネットやAIで調べた情報だけでは生まれない熱量と説得力が宿ります。
これは、私が大切にしていることであり、自分の強みでもあると考えています。
だからこそ、現場にはできるだけメンバーと一緒に足を運ぶようにしています。
時間も費用もかかりますが、現地の空気に触れ、人と話し、その土地の食事を味わうこと自体が、かけがえのない経験になると信じています。
お客様とのやり取りも同じです。
オンラインで仕事ができる時代だからこそ、本当に大切な場面で直接お伺いすることが価値を生むと考えています。一方で、何があっても必ず訪問するという考え方は取りません。オンラインとオフラインを状況に応じて使い分けることも、常に意識しています。
▍人を可能性で見る
自分軸の中でも重要な位置に置いているのが、この約束です。
前職の大企業では、学歴や実績といった「結果」で人を判断するのが当たり前で、私もそこに違和感を持っていませんでした。創業後も当初は、業界経験者であることを重視して採用を考えていました。
しかし、さまざまなバックグラウンドを持つ人が、それぞれの持ち味を活かして活躍している組織に触れる中で、経験や経歴だけでは人の力は測れないと気づかされました。
可能性を見るために大切にしているのが、自己開示です。
相手の可能性を知るには、まず私自身をさらけ出す必要があると考え、採用の過程では、生い立ちや失敗談まで包み隠さずお伝えしています。
直近で入社したメンバーとは、約4ヶ月間にわたってほぼ週1回、食事を交えながら1回3〜4時間ほど対話を重ねました。もちろん全員に同じレベルの対話を求めるわけではありませんが、それだけ一人ひとりと丁寧に向き合い、相互理解を深めることを大切にしています。格好悪い部分を見せるのは抵抗もありましたが、そうすることで相手も自分の価値観を語ってくれるようになり、私自身も気持ちが楽になりました。
▍考え抜いて挑戦する
挑戦は素晴らしいことです。ただ、やみくもな挑戦は正しい挑戦ではないと考えています。スタートアップは使える資源が限られており、大きな挑戦で失敗すれば、会社の存続に関わることも十分にあり得ます。
現在StarBoardでは、スタートアップとしては大きな規模のシステム投資に取り組んでいます。これも考え抜いたうえで決めた挑戦です。
挑戦する前に、うまくいかなかった場合の撤退ラインや、方向転換(ピボット)の選択肢まで含めて仮説を立てておく。
そうした姿勢を持てる人こそ、自分の軸を持った人だと思っていますし、私自身にも言い聞かせていることです。
とはいえ、この約束をチームに十分伝えられているかというと、まだ課題があります。
仮説を立てる力は、実際にやってみることでしか身につかないからです。
これからは、私が立てた仮説を、市場の流れや他社の動き、自社の強みとあわせてメンバーに丁寧に共有し、一緒に実践していくことで根づかせていきたいと考えています。
仲間軸 ― 1人では、大きなことは成し遂げられない
実は、私が最もできていなかったのが、この仲間軸です。
私は昔から何でも自分でできると思い込むタイプでした。しかし、大きなことを成し遂げようとすれば、一人では決してできません。一緒に船に乗ってくれる仲間がいなければ実現できないという当たり前のことに、これまでの経験を通じて改めて気づかされました。
▍違いを楽しむ
以前の私は、自分にできることは相手にもできるはずだと思っていました。お願いした仕事が思うように進まないと、なぜできないのかと感じてしまうこともありました。
メンバーとじっくり対話を重ねる中で、私の仕事の頼み方は説明が足りず、相手に負担をかけていたことに気づかされました。相手ならできるだろうという期待から、つい説明を省いて仕事を任せていたのです。
この経験を通じて、相手への期待値を適切にコントロールすること、そしてお願いするからには丁寧に伝えることの大切さを、改めて痛感しました。
StarBoardでは、国籍や言語、文化、宗教の異なるメンバーが日々ともに働いています。
多様な仲間と働いていると、つい白か黒かで判断する「モノクロ思考」に頼りたくなります。けれども、できるとできないの間には幅があります。
その幅を認める「グラデーション思考」を持ち、相手の価値観を尊重すること。
それが、多様な仲間と働くうえで欠かせない姿勢だと考えています。
▍失敗を責めない、仲間を頼る
起きた出来事には真摯に向き合っても、その人自身は責めない。
以前の私は、強い個人が集まることこそが強い組織だと考えていました。
しかし、どれほど力のある人でも、不安の中で働き続ければいつか疲弊してしまいます。組織として強くなるためには、一人ひとりが安心して仕事に向き合える環境が必要だと、今は考えています。
仲間を頼ることも同じです。自分でやった方が早いと感じる場面は、今でもたくさんあります。自分がやれば確実に結果を出せる仕事を仲間に任せるのは、正直なところ怖さもあります。それでも、自分一人でできることは、自分の器の範囲までです。
仲間を信じて任せることが、組織の可能性を広げることにつながると考えています。
これは、自分軸の「人を可能性で見る」という約束ともつながっています。
仲間軸の約束は、社員に求めるものである以上に、まず私自身への約束です。
意識していなければ、つい自分で抱え込んでしまうこともあります。だからこそ、コンパスはオフィスの壁に大きく掲示し、日々の業務の中で常にお互いが意識できるようにしています。
未来軸 ― カルチャーは、行動の積み重ねから生まれる
以前の私は、強いカルチャーがまず先にあり、そこに人が集まってくるものと考えていました。今は、その考えは間違っていたと思っています。カルチャーは「結果」です。
一人ひとりがコンパスに沿って行動し続けた結果として、StarBoardらしさが形づくられていくのだと考えています。
実際に現場でも、コンパスは形骸化させることなく日常的に活用しています。
たとえば、定期的な1on1や評価の場面で「最近どの約束を意識して行動できたか」「どの部分で躓いたか」を振り返ったり、業務の判断に迷ったときに「相手ではなく課題に向き合えているか?」と問い直す基準として使っています。
私が目指しているのは、「これはStarBoardらしいね」「これはStarBoardらしくないからやめよう」と、誰もが言葉にしなくても自然に判断できる状態です。そのらしさの中でも、決してぶれないと思っているものが2つあります。
「新しいことに挑戦すること」と「世界に興味を持ち続けること」です。
ここでいう世界とは、海外に限らず、自分の外側に広がるあらゆる世界のことです。
▍学び続ける、世界を広げ続ける
未来軸には「学び続ける」という約束も入れています。
私は、本当の学びは好奇心からしか生まれないと考えています。強制された学びはなかなか身につきませんが、興味のあることは、誰に言われなくても自分から学びにいくものです。
先日、音声から人の感情を読み解く技術を研究している大学院生と話す機会がありました。面談や対話の多い私たちの業務にその技術を組み合わせれば、ご本人の同意のもと、サポートの質を高めたり、調子の変化や兆しを早めに把握することに活かせるかもしれない。そんな構想で大いに話が弾み、とても良い時間になりました。
このように、自分の「好き」を起点に、やってみたいことを熱量をもって語れる方と、ぜひ一緒に働きたいと考えています。
私自身、創業時にメンターから、周りに止められてもつい自分がやってしまうことを仕事にするとよい、と助言を受けました。考えた末に行き着いたのが、海外とつながることでした。海外には、いつも新しい価値観との出会いがあるからです。
努力は夢中に勝てない。まさにその通りだと感じています。
「ないこと」を楽しめる方へ
StarBoardは今、すでにあるものを守るフェーズではなく、ないものを一緒につくり上げるフェーズにあります。「何がありますか」ではなく「何ができますか」を軸に考えられる方にとっては、これ以上ない挑戦のフィールドだと思っています。
ないのであれば、ぜひどんどん提案をしていただきたいと考えています。
一方で、整った環境や決まった仕事の進め方を求める方にとっては、戸惑う場面が多い環境かもしれません。
ないことを制約やピンチと捉えるか、チャンスと捉えるか。その違いは大きいと考えています。
ないなら一緒につくりましょう、と前向きに取り組める方と働けたら、私も楽しいですし、きっとその方にとっても面白い仕事になるはずです。
StarBoardのコンパスに少しでも共感していただけたなら、ぜひ一度カジュアル面談でお話ししてみませんか?
まずは気軽にお互いの価値観を語り合い、一緒に進む未来について考えていきましょう。