📌インタビュー📌
今村不動産株式会社代表 今村則永
目次
会社経営10年を区切りにキャリア制度を刷新した理由は…
働き方は、ひとつじゃなくていい。
どんなキャリア・役職の人でも持っておいて欲しいのは、ただひとつ。
「私自身も、ワークライフバランスという言葉を捨てます」。
10月4日に行われた自民党総裁選で第29代総理大臣になった、高市氏の発言が良くも悪くも物議を醸しています。
国を率いるトップとしての決意の表れだと称賛の声がある一方で、過労死が問題視される現代社会にあってはバッシングの的にもなっています。
僕自身がこの発言に対してどう感じたかはさて置き、(とはいえマスメディア各社の偏向報道にはさすがに辟易としてしまいますが…)それだけ社会が「個人の働き方」に対して多様な価値観と意見を持つようになったんだと感じる出来事でした。
そんな現代社会において、会社としては労働者のキャリア設計や評価制度にどう取り組むべきか。
会社経営10年を区切りにキャリア制度を刷新した理由は…
「多様な働き方」と「考える力」を軸に、次のステージへ。
今村不動産では、これまで約10年にわたって続けてきたキャリア制度・評価制度を、この11期より大きく刷新しました。キャリア&評価制度自体は創業2期目から存在していましたし、時代や組織体制に合わせて少しずつマイナーチェンジを繰り返して来ていました。
ただ、今期のはじめに中之島フェスティバルタワーにオフィスを移転し、会社としても与信やブランドの面で新たなステージに入ったこと。さらに、この先2年で規模拡大を行い30名ほどの組織を目指していくこのタイミングで、キャリア&評価制度の刷新は必要不可欠だとも考えていました。(移転したオフィスの様子はインスタグラムでも公開しています!)
会社員として働く以上、給与や福利厚生といった条件面はもちろん重要な要素ですが、それ以上にその組織で働くことで自分が成長できる未来を描くことができなけなければ、やがてどこかで停滞が訪れます。会社としてそれを防ぐには、キャリアパスと評価がセットになった制度を整える必要があると以前から思っていたんです。
従来の日本の会社の評価制度は「昇進ありき」が基本でした。年功序列がその最たる例で、長く組織に勤めていると役職が上がって部下を持ち、求められる職務が変わるといったものです。最近では能力主義・成果主義を取り入れる企業も増えてきましたが、それも裏を返すと「成果が出せない人=昇進意欲がない人」は組織として不要だと評価され、結果的にチーム内の協力関係を希薄にし、離職を招きかねない側面もあります。
ワークライフバランスを重視する人間は、組織成長にとってお荷物なのか。仕事はできるが昇進志向がない人間に、その会社で働き続けるポジションはないのか。
冒頭でも触れましたが、最近は「多様な個人の働き方」が認められる世の中になっています。むしろ、働き方の多様性を尊重しなければ、これから確実に訪れる労働力不足の社会ではそもそも会社として成り立たない…なんて未来も、そう遠くないかもしれません。
働き方は、ひとつじゃなくていい。
次の10年を見据えて今村不動産として再制定したキャリア&評価制度で重視したポイントはふたつ。
・自分の希望する働き方を尊重できること
・自分の未来を自分で考えられる仕組み
でした。
「キャリアアップ」だけでなく「自分らしい働き方」を軸にしているのが特徴です。単に昇進だけを重視するのではなく、個々の希望する働き方を尊重し、自分自身の未来を自ら描ける仕組みを目指しました。
具体的には3つのキャリアロードマップ
・管理職昇進型(組織管理や経営を見据えてキャリアを積みたい人)
・専門分野特化型(専門性を高めつつも、管理職までは目指さない人)
・ワークライフバランス型(プライベートを重視しながら働きたい人)
を設けたうえで、年に一度の人事面談を通じて、本人の意向や心境の変化を確認しながら、個人のキャリアパスと会社として求める仕事をすり合わせながら、制度を運用していこうと考えています。
詳細は省きますが、例えばプレイヤーとして現場で力を発揮し続けたい人がいれば、無理に管理職に登用するのではなく、その希望に沿った形でキャリアを描けるように職務を割り振るといった形です。
これに合わせて、新たに編成した組織図とも連動する形で、各役職の定義づけも行いました。
等級基準・評価基準・昇格基準そして役職基準も細かく設定し、人事上では6つの等級を設けながら、同じ等級であったとしても「管理職」と「非管理職」で評価基準を分けることで「自分の希望する働き方×会社として求める職務を掛け合わせながら評価できる仕組み」としました。
これらが明確化されたことで、組織図に照らし合わせながらメンバー個々が希望するキャリアパスをもとに、ある部署は昇進希望の既存メンバーにスキルアップを促しその職務を担ってもらう、一方である部門では新規採用活動を通して管理職を採用する、といった風に組織全体としてのチームビルディングにも活かすことができると考えています。
とはいえ、まだこの制度は完成して導入されたばかり。今回の制度設計を担ってもらった労務管理のスタッフにも「7割の完成度でいいのでまずは実装して、少しずつ改善していこう」と伝えています。
運用していくにつれて必ず課題は出てくるので、これからも試行錯誤しながら改善を続け、会社と働き手の双方が納得できるように制度を常にアップデートし続けていくことになると思います。
どんなキャリア・役職の人でも持っておいて欲しいのは、ただひとつ。
そんな風に個人に合わせた自由な働き方を制度として整備する一方で、どんなキャリアパスを選んだとしても会社として大切にしておいて欲しい考えがあります。それは
【考える力をなによりも重要視する】ということ。
ワークライフバランスを重視する=ただ仕事をこなしてもらう、とはもちろん考えていません。業務をただこなすのではなく、改善点や問題点に気づき、効率や生産性を向上させるために主体的に考える姿勢。個々人の仕事に対する姿勢が会社成長の原動力になると考えています。これは創業当初から変わらない今村不動産の考え方でもあります。
というのも、とことんボトムアップ型で、現場の声を取り入れながら改善と成長を続けてきた会社の文化をこれからもずっと大切にしたいから。
仕事やキャリアの目標は、会社から与えられるものではありません。自らの職務や職責を全うし、常に考え、成長に貪欲である個人の成長が組織の成長につながる。「自分の立場でどうすれば会社や仲間が良くなるか」を考えられる人が集う会社でありたいと願っています。