【働き方リアル / 販売領域プロジェクトマネジャー】“作って終わり”じゃない 現場密着で価値を生む、ニトリのITプロジェクト
ニトリデジタルベースに2024年入社し販売システムチームのPMとして活躍されている S・Aさんに“業務の進め方”にフォーカスをあててお話を伺いました。
事業部門とどのように関わりながらIT部門のPMとしてプロジェクトを推進しているのかを現在推進中のプロジェクトを例に挙げて紹介してもらいます。
Q:担当しているプロジェクトについて教えてください
わたしは2024年にニトリデジタルベースに入社し、現在、販売システムチームに所属しています。
このチームでは、ニトリやデコホームなどの店舗でお客様や従業員が使用するシステムの企画や要件定義、プロジェクトマネジメントを行っていて、私はその中でも店舗で働く従業員向けのシステムを中心に複数の案件を担当しています。どれも店舗運営を支える、とても重要なテーマばかりです。
メインで担当しているプロジェクトのひとつが、電子棚札の導入・拡大プロジェクトです。昨年は一部店舗でPoC(実証実験)を行い、現在はそれを数百店舗へ広げていくフェーズに入っています。
単純に「そのまま横に展開する」という話ではなく、PoCで見えた課題をしっかり潰しながら、数百店舗規模でも安定して使える仕組みに作り変えていく必要があり、やりがいのあるチャレンジです。
このプロジェクトの特徴は最終的なユーザーである事業部門との距離がとても近いこと。
店舗運営を担う部署の業務改革チームや、商品情報を扱う商品部、そして社内の開発チームや基盤・運用チームなど、本当に多くの部署と日々やり取りしながら進めています。さらに、パートナー企業や店内の無線環境を整備する工事業者さんも関わるので、ビジネスとIT、そして現場をつなぐ“ハブ”のような立ち位置で動くことが求められます。
私自身の役割も、まさにその橋渡し役です。
社内の開発調整だけでなく、外部システムとの連携調整やアクセスポイント設置の工事指示、現地での動作確認やテストまで幅広く担当しています。机の上だけで完結する仕事ではないので、実際に店舗へ足を運び、売場や端末を見ながら「現場にとって本当に使いやすい形は何か」を事業部の方と一緒に考えています。
正直、大変なことも多いです。電子棚札は社内に知見がほとんどなかったため、ゼロからキャッチアップする必要がありましたし、扱う商品マスタの数も膨大です。表示内容を間違えると何よりお客様にご迷惑をかけてしまいますし、店舗運営にも直結するので、プレッシャーもあります。
それでも、このプロジェクトには大きな魅力があります。
店舗の業務負荷を確実に減らせて、DXの成果をダイレクトに感じられること。そして、電子棚札はまだまだ活用の余地が大きく、既存の業務を根本から変えられる可能性を秘めています。そういった変化の最前線に関われるのは、この仕事ならではの面白さだと思っています。
Q:事業部門とは日々どのようなコミュニケーションをとっているのか具体的に教えてください
ニトリデジタルベースでプロジェクトマネージャーとして働いていて、一番特徴的だと感じるのが、最終ユーザーである事業部門との距離がとても近いことです。
私が担当している電子棚札のプロジェクトでは、店舗運営を担う部署の業務改革チームと日々やり取りしながら進めています。現場をよく知っているメンバーばかりなので、「どうしたら店舗の負担が減るか」「現場で本当に使いやすいか」といったリアルな視点を常に共有してもらえるのがありがたいですね。
コミュニケーションはかなりこまめです。
基本は毎週1時間のオンライン定例で、進捗や課題をすり合わせていますし、月に1〜2回は本部で直接顔を合わせて打ち合わせもしています。プロジェクトの立ち上げ時や、大きな判断が必要なタイミングでは、さらに頻度を上げて集まり、認識のズレが出ないようしっかり話すようにしています。
こうしたリズムがあることで、仕様検討から実装まで「同じ方向を向いて進んでいる感覚」を保てていると思います。
また、困りごとやアイデアはが現場から自然に上がってくるのも特徴です。
メールやチャットでの相談はもちろん、対面でのちょっとした雑談の中から「実はここが大変で…」といった話が出てくることも多いです。事業部門だけでなく、ニトリデジタルベース内の別チームからの声も含めて、幅広く拾い上げるようにしています。
「システムを作る」というよりも、現場の方と一緒に、より良い業務の形を考えていく。それを実行できる距離感で仕事ができているのが、このポジションの面白さであり、やりがいだと感じています。
Q:業務のキャッチアップはどのように行っていますか?
ニトリデジタルベースでプロジェクトマネージャーとして働くうえで、やはり一番大切なのが現場業務の理解だと感じています。
私自身、前職でも小売業のIT部門にいた経験はありますが、ニトリならではのオペレーションや業務の進め方をしっかり理解するために、入社後まずは約1カ月間、実際に店舗に立つ研修を受けました。
売場づくりや接客、バックヤードの作業などを実際に体験することで、「現場では今どんなことが起きているのか」「この作業って実は結構大変なんだな」といった“肌感”を掴むことができたのは大きかったです。
システムを考える立場だからこそ、頭だけでなく体験として理解できたのは、その後の仕事にもかなり活きています。
また、私が所属している販売システムチームには、元店長など店舗経験のあるメンバーも多くいます。分からないことがあればすぐに聞けますし、現場目線のリアルな意見をもらえる環境が整っているのも心強いポイントです。
それに加えて、これまでの自分の経験とニトリの業務を照らし合わせながら整理したり、店舗業務マニュアルを読み込んで全体像を把握したりすることで、効率よくキャッチアップを進めてきました。
「実体験」「チームの知見」「ドキュメント」の3つをうまく使いながら、理解を深めていったイメージですね。
Q:事業部門と併走するうえで注意や工夫していることはありますか?
私が事業部門の方と一緒に仕事をするうえで、特に大切にしているのは 「相手の立場に立ったコミュニケーション」 です。
電子棚札や店舗システムのプロジェクトでは、必ずしもITに詳しい方ばかりではないので、専門用語を使いすぎないようにしたり、できるだけ“現場の言葉”に置き換えて説明することを意識しています。
また、「自分が店舗スタッフだったらどう感じるか」「本部の立場だったら何を判断材料にするか」を常に想像しながら話すようにしています。
要望をそのままシステムに落とし込むのではなく、「本当に必要な価値は何か」「部分最適になっていないか」といった視点で整理し、必要なときには踏み込んで質問することも大切にしています。
もうひとつ意識しているのは、言われたことをそのまま鵜呑みにしないこと。
背景や業務の流れをしっかり理解したうえで、「そもそもどこが一番の課題なのか」「何を解決すれば一番効果が出るのか」を一緒に考えるようにしています。そうすることで、単なる“依頼する・される”関係ではなく、同じゴールを目指すパートナーとして信頼関係も深まっていると感じます。
Q:案件やプロジェクトはどのように生まれるのでしょうか?
ニトリデジタルベースのプロジェクトは、「誰かひとりが決めてスタートする」というよりも、いろいろなところから自然と生まれてくるのが特徴だと思います。
現場から経営層まで、複数のレイヤーの声が起点になっています。
一番多いのは、やはり店舗を運営する部署からのボトムアップですね。
日々店舗スタッフと向き合っているからこそ出てくる「この業務、もっと楽にできないか」「ここがいつも大変」というリアルな課題やアイデアが、そのまま案件につながることがよくあります。
店舗で働く従業員の声や、全社から上がってくる改善提案など、最終ユーザーの声がダイレクトにプロジェクト化されることも少なくありません。
店頭オペレーションの改善や業務負荷の削減といった取り組みは、まさにそうした声がきっかけになっています。
もちろん、トップダウンで始まるプロジェクトもあります。
全社的な課題感や経営層の方針をもとに、DX戦略や店舗改革のテーマとして新しいシステム企画が立ち上がるケースですね。
このようにニトリデジタルベースでは、「現場の声」「事業部門の課題」「経営の意志」この3つがうまく重なり合いながら、次々とプロジェクトが生まれていきます。現場に近い立場で関われるからこそ、自分たちの仕事が会社全体にどう影響していくのかを実感しやすい環境だと思います。
ユーザー部門側から見たIT部門との協業についてもお話を伺いました
【ユーザー部門への質問1】
ニトリのIT部門であるニトリデジタルベースと併走して業務を進める中で助かっている点はありますか
一番ありがたいと感じているのは、企画として形になる前の段階から、気軽に相談できる関係性ができていることです。
「これってシステムでできるのかな?」「もしやるとしたら、どこに影響が出そうか」といった、まだふわっとした段階の話でも、カジュアルに相談できますし、その場で想定される課題や影響範囲について一緒に整理してもらえるのはとても助かっています。
こうしたスタンスは特定の担当者だけではなく、ニトリデジタルベース全体として共通している印象があります。
誰に相談しても同じように向き合ってもらえるので、「まず聞いてみよう」と思える安心感がありますね。
また、担当のプロジェクトマネージャーだけでは分からないことや、その場で答えが出せないことがあった場合でも、他のITチームに自発的に確認を取ってくれたり、横のつながりを活かして解決策を探してくれる点も心強いです。
「ここまでは担当外」と線を引くのではなく、どうにか前に進めようと粘り強く動いてくれる姿勢が、信頼につながっていると感じています。
単に「依頼して対応してもらう」という関係ではなく、同じ目線で課題解決に向き合ってくれるパートナーとして一緒に走ってもらえている。
その感覚があるからこそ、安心してプロジェクトを進められています。
【ユーザー部門への質問2】
一緒にプロジェクトを進める中で、印象的だったエピソードを教えてください
電子棚札のPoCでは、こちらから伝えた内容だけをもとに進めるのではなく、プロジェクトのかなり早い段階から実際に店舗へ足を運び、現場・現物を自分たちの目で確認しながら進めてくれました。
「ここは本当にこの動きで大丈夫か」「現場ではどう使われそうか」と、こちらがお願いする前から要所要所で事実確認をしてくれるので、同じ目線で課題を捉えながら一緒に考えられているという安心感があります。
机上の検討だけで終わらない姿勢は、現場を預かる側として本当に心強いですね。
また、ベンダー側のSEさんとも率先してコミュニケーションを取ってくれるのも印象的です。ITの専門的な話が必要な場面でも、間に入って整理してくれたり、会話をリードしてくれるので、安心して打ち合わせに臨めています。
そのたびに「社内に情報システム部門があるのはありがたいな」と感じます。
こうした積み重ねがあるからこそ、しっかりとした信頼関係が築けていると思います。
課題に対して「どう実現するか」をユーザー部門だけで抱え込むのではなく、最終的に目指すゴールは店舗運営部とIT部門でしっかり共有し、そのうえで実現方法はお互いの知見を出し合って考える。
単にシステムを導入するのではなく、お客様や店舗にとって本当に価値のある形を一緒につくっていく、そんな意識でプロジェクトを進められていると感じています。
【ユーザー部門への質問2】
今後、IT部門と一緒に挑戦したいことはありますか?
あくまでも個人的な構想の範囲ですが、今後は省力化店舗や無人店舗といった“未来型のお店”づくりに、IT部門と一緒に挑戦できたらいいなと考えています。
「この業務をどうシステム化するか」という話だけでなく、そもそもの店舗のあり方やオペレーションをどう設計するかといった検討フェーズから、IT部門と一緒に考えられるのが理想ですね。
ニトリデジタルベースのプロジェクトマネージャーは、現場や業務への理解が深く、「それって本当に現場で回るのか?」という視点を常に持ってくれます。だからこそ、新しい店舗モデルのようなチャレンジングなテーマでも、実現性を踏まえながら前向きに議論できると感じています。
将来的には、人手に頼りすぎず、それでいてお客様にとってはより快適な店舗体験が提供できる―― そんなお店を、店舗運営部とIT部門が一体となってゼロからつくっていきたいと思っています。
これからもパートナーとして一緒に挑戦していけたら嬉しいですね。