現場でよく聞かれる質問があります。
このまま料理を続けて、その先はどうなるんですか、というものです。
だいたいの場合、答えは二択で提示されます。腕を極めて職人として上がっていくか、どこかで包丁を置いて管理側に回るか。前者は分かりやすいけれど席が限られていて、後者は「料理をやめる」という感覚がどうしても残る。この二択に納得できないまま、なんとなく年次だけが進んでいく人を、私は何人も見てきました。
MUSICOでいま募集しているのは、この二択に入らない三つ目の道です。料理を軸に置いたまま、人と数字と品質を動かす仕事です。
調理だけの仕事ではありません
具体的に何をするのか、募集本文にも書いていますが、あらためて整理します。
一つめは、料理と品質を設計すること。レシピを標準化して、味の基準をつくって、メニューを決める。誰が入っても同じ品質が出る状態を、自分の手でつくります。
二つめは、チームをつくること。シフトを組んで、育成して、手順を整える。人が育たない現場は、結局は品質が保たれません。
三つめは、数字を持つこと。原価、在庫、廃棄、歩留まり。何をどれだけ作るかを決める仕事は、そのまま数字を決める仕事です。
つまり、つくる人から、何をどれだけつくるかを決める人になる。これがこのポジションの中身です。料理をやめるのではなく、料理を軸にしたまま、動かす範囲が広がっていくという設計にしています。
現場は、ひとつではありません
もうひとつ、このポジションの特徴があります。
スタートは、新しく立ち上がるキッチンです。ゼロから立ち上げるので、決まっていないことがたくさんあります。動線も、手順も、基準も、これから決める側に立てます。
ただ、そこに閉じた仕事ではありません。私たちはカフェやダイニング、そしてキッチンと、形の違う現場をいくつも運営しています。その先は、複数の現場を横断していくことを前提にしています。ひとつの現場を極めるのではなく、形の違う現場に入って、それぞれで人と数字を立て直せる人になる。統括やエリアマネージャーへの道は、その延長線上にあります。
現場が変わることを面白がれる方には、たぶんかなり合っています。逆に、ひとつの厨房に腰を据えて動きたくない、という方には向きません。ここは正直に書いておきます。
経験の有無より、進みたい方向を見ています
応募を検討するときに一番気になるのは、たぶん「自分の経験で足りるのか」だと思います。
私たちが必ず必要だと思っているのは、料理・調理の実務経験があることと、人と数字をまとめる側に進みたいという意思があること。この2つです。
大量調理の経験も、マネジメントの経験も問いません。ここは条件を足していくと途端に応募できる人がいなくなるので、意識的に外しています。原価や歩留まりを扱った経験がなくても構いません。数字が読めるようになるのは、センスではなく仕組みの問題だと思っているからです。
数字と管理を、根性で回さないために
私たちは、裏側の仕事をできるだけ仕組みとAIの側へ寄せている会社です。会議の議事録は誰も書きませんし、発注のように毎週必ず発生して間違えると事故になる仕事も、仕組みに移しています。
これはラクをするためではありません。世界最高水準のホスピタリティを、根性ではなく仕組みとAIで再現するためです。
マネジメントの仕事で言えば、集計や転記や記録に時間を取られていると、肝心の「人を見る」「味を見る」に時間が残りません。裏側を仕組みに寄せて空いた時間を、目の前の一人と、目の前のチームに使う。この順番を守りたいので、仕組みに投資しています。
だから、Excelと格闘した経験がないことは、このポジションで不利になりません。
まずは話を聞きに来てください、の手前で
このポジションは、募集ページに全部は書ききれていません。どの現場から入ってもらうか、どのくらいの速さで任せる範囲を広げるかは、お会いしてから一緒に決めたいと思っています。
オンラインで30分ほど、お話しできたら嬉しいです。応募を決めていなくて構いません。「マネジメントに興味はあるけど、料理から離れたくはない」くらいの温度感で来ていただくのが、いちばん話が早いと思います。
募集ページはこちらです。
https://www.wantedly.com/projects/2532558
(社長室 石黒)