今回インタビューしたのは、学校のカリキュラム設計や探究学習の実践支援を担う「探究コーディネーター」として、第一線で活躍している渋谷さんです。
公立小学校、私立高校など、様々な学校現場で8年間教員を務めてきた渋谷さん。
「教員という仕事が大好き」と語る渋谷さんが、なぜ学校の外から教育に関わる道を選んだのか。
今回は、渋谷さんの教育への想いや、先生方とともに新しい教育をつくり上げていく仕事のやりがいについて、お話を伺いました!
渋谷 吉孝(しぶや よしたか)
大阪教育大学卒業後、通信制高校、公立小学校、私立高校と、多様な形態の学校現場で教員として教壇に立つ。その後、NPO法人にて学校外から日本の教育支援に従事。 2025年12月より株式会社ミエタに参画。現在はコーディネーターとして、学校現場のリアルな視点と、NPO法人で培った広範な教育知見を掛け合わせ、カリキュラム設計やプログラム運営に伴走している。
■「子どもたちの可能性が躍動する環境をつくりたい」——教員として駆け抜けた8年
――「渋谷さんは最初のキャリアが学校の先生というスタートですよね。教育の道を志したきっかけを教えてください。」
渋谷さん:
中学生の頃、学校の環境が少し不安定で、周囲の目を気にしながら過ごすような時期を経験したんです。しかしその後、進学した高校では雰囲気がガラリと変わり、誰もが安心して自分を表現し、学びに没頭できる環境がありました。
そのギャップを身をもって経験したことで、「学校の環境やその場の空気が、子どもたちに与える影響の大きさ」を痛感したんですよね。
「安心して自分を出せる環境さえあれば、生徒の視野の広がりや成長の機会はどこまでも広がっていく」。
そう確信し、子どもたちが本来持っている可能性を存分に発揮できる教室をつくりたいと思って、高校時代には教員を志すようになりました。
――「教員時代はどのような実践をされていたのですか?」
渋谷さん:
通信制高校、公立小学校、私立高校と、多様な形態の学校現場で教員として教壇に立ってきました。
どの学校でも一貫して大切にしていたのは、「子どもたちの可能性が躍動する環境をつくること」です。
これまで教員をしてきて、様々な子どもたちと関わる機会があったのですが、
その中で、「子どもたちの可能性ってすごいな」と心から思うような出来事が多くありました。
だからこそ、私は子どもたちの視野を広げて、きっかけをつくり、本来持っている可能性をさらに発揮していくこと、そのためにできることはなんでもやりたい!
そんな気持ちで、所謂「教科」を教えるということに留まらず、自由に色々な教育実践をやらせていただきましたね。
例えば、大学教授を招いた放課後ゼミを企画したり、生徒を地方に連れていき、そこでフィールドワークを実施したり、企業とコラボレートした学びを展開したりしていました。
▲教員時代:富山県氷見市でのフィールドワークの様子
▲教員時代:北九州市曽根干潟でのフィールドワークの様子
未知の世界に触れることで、それまでバラバラだった興味や経験が自分の中でつながり、次の一歩を踏み出していく。そんな生徒たちの変化を見られることが、何より嬉しかったですね。
――「8年間も教員を続けられた中で、なぜ民間企業への転職を決意されたのでしょうか?」
渋谷さん:
大前提、教員という仕事は大好きですし、いまでも魅力は感じています。
ただ、8年間教員をする中で、「1校の学校にいるから出来ること」と「1校の学校にいるからやりにくいこと」の間で悩みもしていました。
具体的には、一つの学校に所属しているからこそ、目の前の生徒一人ひとりに深く寄り添い、その学校の生徒たちのために授業やカリキュラムを考えられる。これは学校の中にいるからこそできることだと思います。
一方で、私自身は、目の前の生徒たちだけでなく、もっと広い視点で日本の教育や、これからの社会をよりよくしていきたいという想いも強く持っていました。
一つの学校に所属していると、どうしても自分が関わる学校を中心とした取り組みになります。しかし、学校の外に出れば、複数の学校に関わりながら、さまざまな学校外のリソースも活かして、より多くの子どもたちに学びの機会を広げていけるのではないかと考えたんです。
そこで改めて、「自分は何のために教員になったのか」「どんな教育や社会をつくっていきたいのか」を深く考えた結果、一校の生徒たちに向き合うだけでなく、より広い視点から日本の教育全体に関わり、その可能性を広げていきたい。
そう考えて、学校の外から教育に携わる道を選びました。
■なぜミエタなのか:学校・先生への「徹底した伴走」を大切にする姿勢
――「数ある教育企業の中で、なぜミエタを選んだのでしょうか?」
渋谷さん:
一言でいうと、Webサイトにあるタグライン(※)の言葉に、学校への深いリスペクトと徹底した「伴走スタンス」を感じたからです。
特に心に刺さったのが「学び手」と「ともに」という表現でした。
外部の支援者が『学校を変える側』として一方的に関わるのではなく、私たち自身も『学び手』として成長し、学校や先生方と『ともに』歩んでいく。
支援する側が答えを提示するのではなく、学校が持つ可能性を信じ、同じ目線で未来を創ろうとしている。その姿勢が伝わってきたんです。
面接でメンバーと話した際もその空気を肌で感じ、「ここなら先生方の本当の理解者として、本質的な伴走ができる」と確信して入社を決めました。
(※)「多様な人材が教育に携わる機会を創出し学び手が“社会をつくり、社会でいきる”を実践することで、ともに自己実現を目指す。」という文言
■探究コーディネーターの仕事とは? 学校とともに考える「教育づくり」
――「渋谷さんは探究コーディネーターポジションでご活躍されていますが、具体的にはどんなお仕事になりますか?」
渋谷さん:
その学校の状況によって様々ですが、主に学校の教育目標を一緒にアップデートしたり、探究学習のカリキュラムを先生方と創ったりする仕事ですね。
特にミエタの場合は、パッケージとして届けて終わりではなく、あくまで学校ごとの理念や目標、社会的価値、それに沿ったカリキュラムを作ることを大切にしているので、一緒に整理し、考える仕事になります。
例えば、まず学校が大切にしている理念や教育目標、どんな生徒を育てていきたいのかを先生方と一緒に整理する。そのうえで、それを実現するためにはどんな探究学習が必要なのかを考え、カリキュラムに落とし込んでいきます。
基本的に1年以上の期間で関わっていく学校が多いので、カリキュラムを上流から策定していくことももちろんありますし、授業の様子を見学させていただいたうえで、カリキュラムのアップデートや、必要に応じて先生方への研修も実施させていただくこともあります。
一定期間の関わりを持たせてもらっているからこそ見えるものや、そこから出来ることを幅広く支援させていただいています。
――「仕事の面白さややりがいはどこにありますか?」
渋谷さん:
「単に授業をつくるだけでなく、学校の教育づくりそのものに関われる裁量の大きさ」ですね。
探究学習の授業やプログラムって、単体で存在するものではなく、本来は「学校が目指す教育目標や理念(=どんな生徒を育てたいのか)」があって、それを実現するための手段として「カリキュラム」があり、その先に日々の「授業」があるんです。
ミエタの面白さは、探究学習のプログラムをつくって届けるだけで終わらない点にあります。
先生方と対話する中で、必要であれば「そもそもこの学校はどんな教育を目指すのか?」という一番上流の教育目標や理念にまで立ち返って、一緒に考えることができるんです。
「自ら考え、行動できる子になってほしい」
「失敗を恐れず挑戦できる子どもを育てたい」
そうした先生方の熱い想いを丁寧にヒアリングし、言葉の定義や背景を目線合わせしたうえで、具体的な授業へと落とし込んでいく。
だからこそ、探究学習という切り口から「学校づくり」そのものに深く関わることができますし、この仕事は「授業づくり」ではなく「教育づくり」に携わる仕事なのだと感じています。
――「探究学習のカリキュラムづくりから、その先の子どもたちの未来まで見据えているんですね。」
渋谷さん:
そうですね。
先生に伴走しながら、カリキュラムを作っていきますが、その先には、授業を受ける子どもたちがいて、その子たちの未来があります。
一つのプログラム、一コマの授業で得た経験が、10年後、20年後の生徒たちの選択や行動につながるかもしれない。
目の前の授業だけでなく、その先にある子どもたちの未来まで考えながら関われることに、この仕事の面白さを感じています。
ーー「探究コーディネーターとして働く上で大切にしている心構えはありますか?」
渋谷さん:
先生方に寄り添いつつ、常に「半歩先」を照らし続ける存在であることです。
学校の先生方には、『もっと生徒のためにできることはないか』と常に考えている方がたくさんいらっしゃいます。だからこそ、私たちコーディネーターは、先生方の想いを理解するだけでなく、よりよい教育の実現に向けて、新たな視点や提案を届けることが大切だと考えています。
ただ、ここで重要なのは、最初から『完璧な探究学習の授業』を実施することを目指すのではなく、先生や生徒のペースに合わせて、次に目指せる『半歩先』を一緒に考えていくことです。
探究学習の実施経験が豊富な学校もあれば、これから本格的に取り組み始める学校もあり、先生方のノウハウや実施体制は一校一校大きく異なります。
そのため、どこかの学校でうまくいった成功事例をそのまま別の学校に持っていっても、スムーズに実践できるとは限らないんです。
だからこそ、最初から完璧な状態を目指そうとするよりも、「今の状況なら、まずはここから始めてみませんか?」と、『現状より少し先の目標』を提案することを大切にしています。
もちろん、生徒たちにより良い教育を届けるために、時には新しい取り組みを提案したり、改善に向けて率直に意見を伝えたりすることもあります。
その小さな一歩一歩を積み重ねながら、次に何を目指すのかを一緒に考え、少しずつ理想の教育へ近づいていく。
いわば、学校が目指したい教育の形に向けて、一段ずつ成長の階段をつくっていくようなイメージですね。
そのためにも自分自身が常に学び続ける姿勢を大切にしています。
■メンバーと組織の魅力:「一人の子ども」を主語に考えられる仲間たち
――「ミエタで働くメンバーや組織の魅力は何ですか? 」
渋谷さん:
一言で言うなら、「日本の教育の未来や、子どもの将来を本気で考えている仲間」と一緒に、切磋琢磨しながら働けていることです。
社内で議論するときも、常に『この子にとって何が一番いいのか』という、一人の子どもを主語にして考える文化があります。
情報を共有するときも、自分たちの役割を考えるときも、その視点は変わりません。
みんなでより良い教育のあり方を考え続けています。
そんな熱い想いを持った仲間と一緒に働けること自体が、私にとって大きな喜びですし、この仕事の楽しさでもありますね!
■自分の経験を武器に、学校教育の未来を変えよう
――「最後に、元教員や教育業界からキャリアチェンジを考えている方へメッセージをお願いします。」
渋谷さん:
「生徒のためにもっと何か行動したいが、今の環境では葛藤や限界を感じている」
「学校教育を前進させたい」
「これからの日本の教育を本気で良くしていきたい」
ーーそう願う人にとって、ミエタは自分の経験と想いを存分に発揮できる場所です!
私自身、教員として培ってきた経験は、学校の外に出た今も大きな強みになっていると感じています。
教員として学校の中で積み重ねてきた経験は、外に出ても決して無駄にはなりません。
むしろ、その経験があるからこそできる伴走があると思っています。
例えば、先生が困っていることがわかるからこそ、本当の意味で寄り添うことができますし、解決策を一緒に考えることができます。
教育への関わり方を広げたいと考えている方と、一緒に働けたら嬉しいですね。
ーー「渋谷さん、とても素敵なお話をありがとうございました!」
ミエタでは、学校現場で培った経験を活かしながら、今度は学校・先生に伴走する立場で教育づくりに関わることができます。
『教員としての経験を、学校の外から教育に活かしてみたい』
『先生方とともに、子どもたちの可能性を広げる教育をつくりたい』
そんな方は、ぜひ一度気軽にお話ししましょう!
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